今日の長崎は雨です。
雨は嫌いで出かけたくないので、気分は「雨降りだからジャズでも聴こう」です。「雨降りだからミステリーでも勉強しよう」と言ったのは植草甚一です。植草甚一には映画やジャズのこと教えてもらったなぁ。ということで春に因んだジャズを聴いていた一日でした。
まずは
■「クリフォード・ブラウン/マックス・ローチ」のアルバムから「Joy Spring」
クリフォード・ブラウン(ブラウニー)は交通事故のため25歳で亡くなった天才トランペッター。レジェンド、マイルス・デイビスより4歳若いが、マイルスがブラウニーの演奏を聴いた時「オレより上手い!負けてる!」と思ったそうです。それをきっかけにクスリを断ち、精進したそうで、マイルスを脅かす存在だったのです。ブラウニーが壮年の時を生きていたらジャズは、ジャズ界はどうなっていたことでしょう。
高音も低音も、速いフレーズもブリリアントでマイルスがクールな音色とするならブラウニーは人間味のある温かい音色だ。この曲を海辺で吹いてプロポーズした(実はこの曲ではなかった?)なんていう逸話もある軽快なビバップナンバーです。
■サラ・ヴォーン「 It Might As Well Be Spring(春の如く)」
”まだ春じゃないとわかっているのに、春の熱に浮かされてソワソワ落ち着かない”という歌。1945年の映画「ステートフェア」挿入歌。たくさんの歌手がカヴァーしていますが、最初に聴いたのはアストラッド・ジルベルトのボサノヴァだった気がします。ステイシー・ケントもボサノヴァで歌っています。
■クリス・コナー「Spring is here」
春でもないのに「 It Might As Well Be Spring(春の如く)」は熱に浮かれてソワソワしている歌ならこちらは”春が来たのに私の心はなぜ踊らないの?”と憂鬱な気分を歌っています。
スタン・ケントン・オーケストラ出身で「バードランドの子守唄」がよく知られています。ハスキーヴォイスが憂鬱な気分にピッタリです。
■Bill Evans「I'll Remember April」
これは1968年の「モントルー・ジャズ・フェスティバル」でパフォーマンスしたエヴァンス・トリオがその5日後に同じメンバーで収録していた幻のスタジオ録音。(ベース:エディ・ゴメス、ドラム:ジャック・ディジョネット)
■エラ・フィッツジェラルド「April in Paris」
誰のヴォーカルでこのジャズを聴きたいか?となるとほとんどの曲がエラ・フィッツジェラルドになってしまうのではないかというほど大好きで素晴らしいエラ・フィッツジェラルド。超絶なスキャットはワンアンドオンリーだ。20世紀の女性トップ・ジャズ・ヴォーカリストが歌うカウント・ベイシーの名曲です。