オスカー・ピーターソンのドキュメンタリー映画が公開になった。しかし、長崎は今のところ上映予定なし!またもや九州内では長崎県だけないと嘆くばかり!

ジャズを聴き始めたのは高校三年の'68年頃からだが、当時はジャズをそれほど聴かない人たちでもオスカー・ピーターソンは知ってるというくらいポピュラーな人気があったように憶えている。ジャズピアニストと言えば、まずピーターソンで、ビル・エヴァンスでもバド・パウエルでもなかった。

鍵盤の端から端まで縦横に踊る左手のストライド奏法と右手の超高速フレーズはダイナミックな上にもの凄くスインギーで乗りがいい。前のりで音の粒立ちがいいのでとにかく軽快で明るく、饒舌で楽しい。ブルージーな曲さえどこか明るいし温かい。ほとんどの人がイメージしているいわゆるジャズらしいピアノを弾くので、わかりやすく人気だったのだと思う。

大学で上京したばかりの頃に住んだ雑司ヶ谷。その雑司ヶ谷墓地の近くに午前零時くらいになると出かけ2時くらいまでジンライムを飲みながらジャズを聴いていたジャズ初心者のマスターがいるスナックがあった。ジャズ聴き始めの二人はジャズの魅力をわいわいしゃべって、そこにあったピーターソンの5枚「We Get Requests」「Night Train」「Girl Talk」「The Way I Really Play」「Westside Story」は何度も聴いた。マスターがピーターソン、ウェス、エラ、マイルス好きだったので200枚のコレクションの割にはそれらのアルバムが多かったのです。その後、マイルスやコルトレーンを中心としたムーブメントの中にいるモード系のピアニストに魅せられて行って、ピーターソンから遠ざかっていました。

ある時、全曲ピーターソンのオリジナル曲を演奏した「Canadiana Suite(カナダ組曲)」の「Wheatland」を聴いて郷愁を湛えた美しいメロディに素晴らしいコンポーザーであることを知った。

そして超絶技巧でスインギーに押しまくる豪快なプレイはやや抑え気味で繊細で詩情豊かな内省的な演奏に魅了されました。

なんと言ってもオスカー・ピーターソンのピアノは楽しい!

映画上映して欲しいです。

 

 

 

★オスカー・ピーターソン「Wheatland」