「ばーーーーーーか。今から外に追い出すぞ。今出たって帰れねーだろーけどよ」
そして、2人でぷいっとそっぽを向く。
あたしも玲奈も強がりの意地っ張りだから、いつもこうなる。どっちかが引けばいいのにどっちも引かない。まあ、稀に意見があった時はすごい団結力なんだけどね。
「うーわ、最低ー。こんなんだから浮気されんだよ」
「…チッ……お前それ禁句な。それ以上言ったら、まじで外出すから」
自分よ、我慢するんだ。確かに今のはひどいしカチンときた。だが、我慢するんだ。よく聞け、我慢するんだ。わかったな。
「……ごめん」
あああ、玲奈怯えちゃった。やっぱあたし、怖い顔してんのかな。
「コンコンッ」
「夕飯できましたよ」
ナイスタイミング神原さん。
「よしっ。ちょうど腹減ってたんだ~」
そう言いながらベッドから立ち上がり、ドアの方に行って神原さんからお盆を受け取る。
「ほい、玲奈。うまいから食えよ」
「あ、ありがとうございます」
玲奈がお礼を言ったのはあくまでも神原さん。
「こっちにお礼ないの?持ってきてやったんだけど」
「あーりーがーとーうーーー。はーと」
うざ。うざ。うーわ、うざ。なにこいつ。はぁ。
「では失礼しますね」
神原さんが出て行ってから玲奈は不満げな顔をした。