ハーフフェイラインからドリブルで駆け上がる。
対峙するDFは外に流れた山村に気を取られ、
飛び込むのに躊躇する。
そのわずか1秒にも満たない一瞬の間に、健勇はギアを上げる。
振り切られたDFはファール覚悟のスライディングをするも、触れることすらできない。
キックモーションを入れながら、DFを揺さぶり、
タックルしたDFを嘲笑うように股を抜けたシュートはゴールに流れ込む。
失点直後のゴールに歓声が上がる。
健勇はベンチに飛び込むと、ベンチメンバーと喜びを分かち合った。
大阪ダービー以降、スタジアムでの健勇への野次、ブーイングは聞かなくなった。
何故か?
結果を出したから。
シンプルかつ最良の答え。
プロである以上、結果を出すこと以外にない。
先制されるも5得点を決めての逆転勝利。
これ以上ない気持ちいい勝利である。
けれど、まだ足りない。
桜のエースナンバー8を背負う、柿谷曜一朗のゴール。
疑う余地のないテクニックを見るだけでも楽しいのは違いないが、サポーターが見たいのはゴールに決まっている。
桜の8番が点を取り出した時、
念願のタイトルもグッと近くに違いない。
曜一朗のゴールが見たい!!