新人大会準決勝のこの日。緊張と期待で奥さんよりも早く目覚め、朝風呂に入り、心身ともにスッキリした私。いつ出発しても準備オッケーだった。なのに奥さんは目覚める気配がないので、「もう、起きろっ!」(正確には、「もう起きない?」)と叩き起こした(正確には、起きてもらった)私。
父兄の応援グッズの一部を預かっていたので、遅れて会場入りすること許されなかった。ようやく起き出した奥さんに、「もう俺はいつでも会場に出発できるから」と私。すると、「朝食を摂ったら、掃除を済ませてしまわない?」と奥さん。
掃除は逃げないけれど、準決勝は今日しかなかった・・・。しかし、「掃除はいいから、行くぞー」とは言えなかった私。気分を害したまま応援に行くよりは、さっさと掃除して、気分良く応援に行きたかった。
風呂、玄関、フローリングの水ぶき、観葉植物の水やり・・・。一刻も早く試合応援に行くという目的があったので、いつもよりもテキパキ掃除に精を出した。それでも、時間が経過するのはあっという間。気が付くと既に11時。私「もういい。よし100点だ。行くぞ!」と急いで着替えを済ませて、奥さんと出発。会場に着くと、既に多くの父兄仲間が待っていた。
奥さんと応援席に近付くと、遠くから「〇〇ちゃ~ん」と私を呼ぶ声が。見ると、3年生のチームメイトのママさん。私「あざ~す。早いっすねぇ(笑)」。ママさん「ちょっとぉ~、〇〇(次男)、気合い入ってるねぇ、いいよぉ~」。
ん?そんなに試合前の練習が良かったのかなぁ?と思っていたら、ママさん「昨夜、〇〇(次男)が丸刈りにしたんだってよぉ~。気合入ってて、いいよぉ~。丸刈りが似合ってるよぉ」と・・・。
え゛~、知らなかった・・・。泊り込みで大会に臨んでいる次男達。昨日の夕食後に、「俺も丸刈りにするっ!」と言って、チームメイトにバリカンで刈ってもらったらしい・・・。毎晩、こちらからメールをしても、返信はよこさない次男。宿泊先で昨夜、そんなことをしていたとは・・・。私も奥さんにとっても寝耳に水。試合開始前のハプニングだった。
ビデオカメラをズームにしてみると、そこには確かに見慣れない次男の丸刈り姿。生まれて初めての丸刈り。この大会に賭ける次男の思いが嬉しいような、頼もしいような・・・。完全に『マルガリーターズ』のメンバーの一員を構成していた。
感慨にふける間もなく試合開始。円陣を組む『マルガリーターズ』が一段と気合が入っていたように見受けられ、「この試合はもらった!」と根拠もなく勝利を確信した私。
試合開始直前に父兄仲間へ花園大会県予選会のDVDを配布。昨夜、「明日こそは、みんなに渡さなきゃ」と思い、夜通し作成したものだったが、手渡すことができて、ひと安心した私だった。少しでも喜んで頂ければ、それだけでいい単純な私。この新人大会を優勝して、この先も気持ち良く『TSUTAYA又左衛門店』を継続したいと思った。
いよいよ試合開始っ!キックオフとともに攻め込む『マルガリーターズ』。試合が進むにつれて、次男もアグレッシブに攻め続けていたけれど、ラインアウトの呼吸が今一つで、消化不良の私。しかも、司令塔としてSO(スタンドオフ)を務めるチームメイトの〇〇君が途中退場。すぐに病院へ。後で分かったことだが、腕を骨折し、全治6週間。本人にも、チームにとっても、あまりにも痛いハプニングとなってしまった。
試合経過は省略するが、ノーサイドの笛が鳴り、78対7で勝利。明日の決勝戦進出だったが、今回も相手にトライを1本献上するのだから、優しい『マルガリーターズ』だった。
試合終了後には、一部の父兄仲間とともに、もう一つの準決勝を観戦。予想通り、先日行われた花園大会県予選会の決勝戦を戦った八〇西高校が勝ち上がった。しかも100対7という圧倒的な大差で・・・。
「さすがにやるなぁ」「100点も取ったかぁ」と父兄仲間と話しながら、明日の決勝戦の苦戦を覚悟した。しかし、今は自分の息子達を信じるしかなかった我々父兄達だった。
今日も試合後には厳しい練習が待っていた次男達。特にラインアウトの精度が低かった次男達FW(フォワード)には猛練習が課せられていた。1時間が過ぎ、2時間が経過しても、監督の怒鳴り声がグラウンドに響き渡っていた。明日の決勝戦を勝って優勝することもそうだが、1年後の花園大会県予選会を勝って、来年も花園へ行くために必要な練習だった。
大会会場には照明設備は設置されておらず、真っ暗闇の中で練習する『マルガリーターズ』。心強かったのは、新人戦には出場しない3年生達が次男達の練習相手になって、後輩達のために遅くまで身体を張って付き合ってくれたことだった。
明日の決勝戦を前に、止むことのない練習。ほとんどの父兄仲間は帰宅し、奥さんも帰りたがっていたが、丸刈りにした根性と、怒鳴り声の中で厳しい練習をくり返す次男に背を向けて、グラウンドを後をすることができなかった私。言わなくても、その事は奥さんにも通じていたはずだった。真っ暗闇の中、監督が「今日はこれぐらいにしとくか」。『マルガリーターズ』も私達も「やっと帰れるぅ~」とホっとした瞬間だった。
この日は昼食抜きで応援に臨んだ私達。帰宅途中に立ち寄った「びっくり〇ンキー」でハンバーグを食べながら、「このまま、丸刈りを継続するのかなぁ」「それはないんじゃない」などと奥さんと語り合い、大苦戦が予想される明日の勝利を懇願した霜月の準決勝の夜[E:hairsalon]