余震にもめげることなく(普通か・・・)、仕事を終えて、帰宅の途へ。「早ければ明日にも計画停電が始まっちゃうなー」と思い、帰宅途中に食料品の調達を敢行。こんな奴がいるから商品がなくなるのかも・・・と自問自答しつつ、入店。すると、レジは人の波、波、波・・・。「おー、ここにも津波が」とは思ったが、不謹慎なのでグッと飲み込む。パン類はなし。レトルト食品も見当たらず。カップ麺にいたっては全滅(=写真)。トイレットペーパーや紙おむつを抱えてレジに並ぶ人も・・・。
みんな計画停電を見越して、再び買いだめしているらしい。その気持ちは分からなくはない。私も似たような行動をしているのだから。「でも、私の分も残しといてー」とつぶやいた。せっかく入店したのだから(?)、という訳の分からない理由で店内を見てまわる。結局、カゴに入れたものは、インスタントスープやらお菓子やら・・・。全然必需品じゃなーい。レジ前に並び、私も津波の一部分に・・・。
と、レジ横の綺麗に包装された商品に目がいく。ホワイトデー商品だった。ここ数日、誰一人意識していなかったが、よーく考えると今日ってホワイトデーだった。「奥さんと長男のお嫁さんにはお返しをしなきゃな」と地震が来る前までは思っていたのだが、震災のお陰でこの日を完璧に忘れていたのだ。「今だ!ゲッチュー」と良く見もせずにカゴに2箱。「俺って、持ってる・・・」と一人ほくそ笑みつつ、支払い完了。帰宅したら奥さんには「以前からよーく吟味した上で、買ったんだからな」と威張って渡そうと企てる。
帰宅して誰にも知られぬように例のブツを冷蔵庫に格納。その後、入浴、夕食といつも通りのワンパターン。例の作戦を実行する時が。奥さんは居間で『ねぶた状態』でニュースを観ている。どのタイミングで渡そうかなと見計らっていると、奥さん「ニュースばっかりだと精神的に疲れるね」と言いつつ、チャンネルを変える。お目当ての旅番組を発見してジーと見入る。また、しばらくタイミングがつかめない・・・。
私「もういいや、プロポーズするわけじゃないし」と思い、台所へ。冷蔵庫を開けると、例のブツがない。よーく探すが、ない。「アレっ?」と思っていると、ピピッ、ピピッと冷蔵庫から『ドアを閉めろ」と催促される。居間から奥さん「何探してる?」。私「さっき、冷蔵庫の中に包装した箱を入れたはずなんだけど・・・」。すると奥さん「あー、アレね。冷凍室に移しておいたわよ。チョコか何かだと思ったから」。あらっ、知ってたのね・・・。
まあいいか、と気を取り直して私は新聞に目を通す。「こんな大地震があっても良く覚えてたね」と奥さん。とっさに「まぁね。今回はこれで勘弁しとけ」と私。「以前からよーく吟味した上で、買ったんだからな」と言い忘れた。奥さん「ありがとう」と言いながら、ブツを冷蔵庫へ再び格納。「あれっ食べないの?」と聞く私に、「計画的に食べなきゃ、太るから」と奥さん。「痩せてる人が言うのなら分かるけど・・・」とは言わずに、「計画停電はいやだけど、そういう計画は大事だよなー」と私。奥さんはスルーしてテレビに見入る。
「今日よりも明日、明日よりも明後日が良い日であるように」と再び願いつつ、計画停電におびえる弥生のホワイトデー[E:snail]