私が生まれ育った所は、現在の五所川原市だ。青森市のお隣だけれど、私が生まれる直前までは北津軽郡七和村という農村集落だ。


昔から教育に熱心だった村だということは祖父母達から聞かされていたし、五所川原市と合併したことに無念さを隠さない高齢の住民も少なからずいる。


そんな祖父母達に育て慣れたこともあり、生まれた頃は既に五所川原市民だったけれど、『七和(ななわ)村』という名前には未だに愛着がある。


 


そんな私が昔から探し求めていた書籍をようやく探し当てた。


『七和村史』。昭和天皇のご即位と村政施行数十年を記念し、昭和3年に発刊したものだ。


以前から見たかった史書だった。素直に嬉しい・・・。


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村の由来や各集落の状況、部下や風俗、当時の偉い人の名前などが書き記してあった。予想通り、とても興味深い・・・。


知識の乏しい私が読むには多少難解だけど、興味がそれを上回り、時間を忘れて読み進めていった。


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すると・・・。


あっ、見覚えのある名前・・・。


それは亡き祖父の名前だった。


祖父の名前は、大正10年から同15年にかけて何度か登場していた。


その頃と言えば、私は勿論のこと、父も生まれていない頃だ。


婿入りした祖父が旧姓で書かれていた部分もあったので、祖父が祖母とちょうど結婚した頃だということがすぐに分かった。


その部分を繰り返し繰り返し読んでいたら、なぜか急に涙がでてきた。泣けて泣けて、どうしようもなくなった。


上手くは言えないけれど、亡き祖父に感謝しか思い浮かばなかった。


七和村で生まれた重みと誇りを今一度噛み締めた弥生の1日