◆はじめに

読んでくださっている皆様、大変ご無沙汰しております。

ブログ書くのに、どんな忙しくても一ヶ月に一回は何としても更新しなきゃと思っておりましたが、中々出来ず状態で、この調子だと季刊ペースじゃないかと焦りつつ・・・

そんな季刊ペースも怪しい状態になりそうなので

映画紹介記事を始めたころに書いたメモを引っ張り出し、

今回はそれを仕上げる形でいきたいと思います。

 

 

 

◇十年を一昔というならば、で始まる映画がある。

 

その作品は、もう七昔も前のものになります。

 

壺井栄が書いた小説の映画化で、大ヒットしたものと言えば

 

わかりますか?

 

今の若い子達に壺井栄という人を知っているかを聞いてみる

 

と、ほとんどが「知りません」という答えでした。

 

続いて「二十四の瞳」っていうのがあるんだけれども、

 

わかったりする?

 

「あぁ、何となくわかります。有名なやつですよね」と答え

 

る子がいても、その話がどんな内容なのかになると、答えら

 

れる人は、まずいませんでした。

 

反戦を訴えた作品であるのに、段々と知らないという人が増

 

えている現実に、これは何とももったいないものだと感じた

 

のです。

 

古い映画だからと一言で片付けずに今の人たちにも知っても

 

らいたいと思いました。

 

「二十四の瞳」は、何度も映像化されていますが、今回は

 

高峰秀子が出ました1954年版になります。

 

物語の内容を紹介しても、他のブロガーの方と同じになって

 

しまうので、私が1番気になった事の話にしたいと思います

 

上映時間の長い映画ですが、私が見た時、その物語の中で

 

流れる時に合わせて、子役の成長している姿に違和感が無か

 

ったことなんです。

 

成長に合わせて撮影したのか? まさか・・・ね

 

その答えを求め当時のパンフレットを開き、子役の名前のと

 

ころを見ると、名前が2列になっていました。

 

 

苗字が同じだったので、私は、なるほど…兄弟なんだなと思

 

いました。であれば、似てるので違和感があるはずもない。

 

当時のパンフレットには、そんな事には詳しく触れていない

 

ので、ハッキリしたことは分かりませんでした。あくまでも

 

私の推測でしかありませんが、上手いことを考えたものだと

 

思いました。

 

そんな子役達の事をもっと知りたいと思ったのです。

 

何分、結構前の映画ですし、役者経験の無い子達ばかりでし

 

たので、そう簡単には分かる状況では、ありませんでしたの

 

で、「二十四の瞳」について書いたものは何か無いかといろ

 

いろ探してみると、

 

高峰秀子 自ら書いたものが、何冊か本となっており、

 

その中にあるのではないかと見てみることにしました。

 

高峰秀子は、86年の生涯で小学校一ヶ月、中学校一ヶ月しか

 

学校に通っていないにもかかわらず、独学で勉強していき、

 

エッセイストとして本を出すまでになったのです。

 

1955年に自身2冊目として出版された「まいまいつぶろ」に

 

まずありました。

 

本人が書いた「二十四の瞳」のことになりますから、信用性

 

は大きく、公開してからすぐでもあるし。

 

みてみますと、子役の事についても書かれており、やはり

 

兄弟で出ていたこともわかりました。

 

中でも「小さいコトやんのこと」と題して、一人の子役に

 

ついても書いてありました。

 

その子役は、映画の中ではコトちゃんと呼ばれ、分校時代の

 

片桐コトエ役の上原博子ちゃん(6歳位)になります。

 

 

高峰秀子はコトちゃんに「オバちゃんの子にならない?」と

 

いうくらい仲が良かったようでした。

 

「二十四の瞳」の撮影が終わって半年後、高峰がコトちゃん

 

と会った時、3か月前にお母さんが亡くなっていたことが分

 

かります。

 

高峰は、以前から子供がほしいと外国の夫妻から、誰かいな

 

いかと頼まれていたこともあって、コトちゃんを思いつきま

 

す。また、コトちゃんのお父さんも手放したい旨もあり、本

 

人の意思を確認の上、コトちゃんは、外国の夫妻の養女とな

 

っていてきました。

 

本人の意思確認の上っていっても、まだ小さいわけですし

 

本当の事が言えない状況だったのかも・・・

 

人の人生が変わってしまう瞬間でした。

 

高峰秀子の文面からは、自分が口利きとなったことにより

 

この事が、良かったのか悪かったのかの葛藤があったようで

 

す。高峰秀子自身も養女の経験があったことから進めた話で

 

はありました。

 

壷井栄の「柿の木のある家」でも子供あげたりすることが書

 

かれていますが、この時代は、生きていく生活の為でしょう

 

か、この様なことは、よくあったようです。

 

その後、この子役達は都度都度同窓会を行っていることがわ

 

かりました。

 

この事が分かった私は、ちゃんと続いているんだなぁと

 

何とも胸を暖かくさせるものでした。

 

高峰秀子も後になってから、何度か出席してたようです。

 

そんな中にコトちゃんは、いたのか?いないのか?    

 

コトちゃんは、どうなったのか?

 

気になるところでしたが、私の技量では、詳しく分かるもの

 

ではありませんでした。

 

次に見たのが、高峰秀子の書籍「いっぴきの虫」という本。

 

その中には「二十四の瞳」が公開されて、十七年ぶりに再会

 

した時のことがありました。

 

そこにはコトちゃんの事も書かれていました。

 

 

高峰だけの思いではなく、同じ子役仲間からの情報も知る事

 

が出来ました。

 

ワシントンに行き、名前もジャンに変わってしまったそうで

 

す。

 

子役通しで手紙のやり取りはしていたようで、コトちゃんは

 

ひらがなでしかわからないということ。

 

又、アメリカに行く際に見送った子からは、コトちゃんが後

 

ろも振り返らなかった姿を見て、アメリカには行きたくなか

 

ったんじゃないかと感じたそうです。

 

高峰は、最終的に可哀想なことをしてしまったとも書いてあ

 

りました。

 

良かったのか悪かったのか、中々難しい問題ですよね。

 

映画が1954年公開ですので、当時6歳位だから、現在76歳と

 

いうことになります。今どうしておられるのでしょう。元気

 

であってほしいと思います。

 

(写真 上段左から二人目がコトエ役の上原博子ちゃん)

 

12人の子供達といっても、分校時代、本校時代、青年時代と

 

あるので、簡単に12×3=36人となるが、正確には一人だけ

 

青年時代が無いので子供達といっても35人いる。

 

そんな子役達の撮影は大変だったようで、1カットで79回の

 

取り直しで5時間を掛けたそうです。

 

又、子供目線の様な低いアングルで撮られている点も、見て

 

いる側も子供の感じで見ている気がします。

 

 

この映画は、2007年、デジタルリマスター処理をして、再び

 

劇場公開されました。

 

綺麗な映像で見れるようになり、桜の木の下のシーンを見る

 

と、カラーでないのが惜しまれます。

 

この時のパンフレットは、子役についても、とても分かりや

 

すくなっています。

 

 

パンフレットには、シナリオも再録されていますが、映画公

 

開時と同じ「シナリオ二十四の瞳」のものとは若干違いがあ

 

るので、どちらが正しいのかを、映像を見ながら比べるのも

 

楽しい。

 

当時、30円!  

 

ページをめくると

 

変色具合が年月の経過を物語ってます。

 

同じく2007年に洋泉社より『「二十四の瞳」からのメッセー

 

ジ』という本が出版され、二十四の瞳とその子役の事が深掘

 

りされており、当時の子役にも取材しているようで、メイキ

 

ング的な話もあったりして中々面白い本でした。最初、この

 

本をブログで取上げようと思いましたが、映画を見てない人

 

が読んだ場合どうかと考えると、映画あってこの本なので、

 

映画を紹介した中でこの本を出すことにしました。「二十四

 

の瞳」の映画がいいなと思った方には、かなりオススメした

 

い本です。是非、ご一読を!読後、もう一度映画を見たくな

 

るハズです。

 

この本を読んでいて、若い方がこの映画をいきなり見てもダ

 

メなんだなと思ったことがあります。それは、奉公や戦争な

 

どの時代背景がわからないと見てるだけになってしまうか

 

ら。そういった意味でも、この本と合わせて鑑賞して頂きた

 

いと感じました。

 

又、この本は、2015年に論創社から、1章新たに加えられて

 

新しく出版されましたので、もっと身近に詳しく手に取るこ

 

とが出来る様になりましたよ。

 

そうそう、この本にもコトちゃんのことが出てきます。

 

片桐コトエ役の姉妹は、消息不明だそうです。

 

残念!月日と距離の長さを感じてしまいます。

 

NHKの芸能人の祖先を探る番組がありますが、あそこで調査

 

してくれませんかね、出来るとするとそこだけしかない様な

 

と勝手に思ったりしています。

 

(高峰秀子に抱かれているのが、コトちゃん)

 

 

さて、この映画で、私がいいと感じたシーンを2つあげます

 

◆修学旅行先で、大石先生がマッちゃんに再会し、店を出て

 

ゆく先生を裏から走って通りに出ようとした時、同級生を見

 

て自分の姿を見られたくないマッちゃんが足を止め、出て行

 

く船を涙ぽろぽろ泣きじゃくって見送るシーン

 

 

このシーンだけでも十分泣けますが

 

これから先のマッちゃんが、どういう生き方になるのかの

 

辛い境遇が分かると

 

同じ人間なのにと思い、もっと涙が出るはずです。

 

実はこのシーン、原作にはないんです。

 

木下監督の映像表現の凄さを感じますよね。サスガです。

 

 

◆もうひとつは、庄屋の娘・富士子の家が没落し先生と話す

 

シーン

 

「あんたが苦しんでいるの、あんたのせいぢゃないでせう、お父さんやお母さんのせいでもないわ。世の中の、いろんな事から、さうなったんでしょう。だからね自分にがっかりしちゃ駄目、自分だけは、しっかりしていようと思はなきゃね、先生無理なこといってるようだけど、先生もう他にいいようがないのよ、その代り、泣きたい時は、何時でも先生の所えいらっしゃい、先生も一緒に泣いてあげる」

 

 

共に悲しむしかない大石先生、これも原作には無いシーンで

 

ある。

 

原作に無いシーンが、この映画が高く評価されてる点では、

 

ないでしょうか。

 

皆さんが、これはといったシーンはなんですか?

 

そして、映画のラストは、雨の中を自転車で頑張って走る大

 

石先生の姿になります。これをただ見ているとそのまま終わ

 

ってしまいますが、その後、雨が止んで走っていく姿に変わ

 

ります。

 

 

これも原作には無いシーンですので、木下監督の伝えたかっ

 

たことを考えてみては如何でしょう。

 

 

 

「二十四の瞳」は、戦争による悲惨さ、生きていく為の苦悩

 

そんな中での人間の成長を描いた12人の子供と先生の心温ま

 

る物語です。

 

 あの小さい子供たちの、その瞳を見て、この瞳を濁したくない

 

このままみんな幸せになってほしいと誰しも思うのではない

 

でしょうか。

 

しかし、人が生きていくには厳しい試練があるんですよね~

 

今もどこかで戦争が起きている現実

 

新しい世代も この映画のメッセージを忘れないで、伝えて

 

いってほしい作品だと思います。

 

 

 

               また、いつかどこかで。

 

 

 

 

 

●おまけ

 

デジタルリマスターになった映画の予告編です。

 

 

 

 

●おまけ・2

 

モノクロ作品をカラー化したものを皆さん見た事があると思

 

うんですが、カラー化にする外国の会社が最後の作品に選ん

 

だのが「ウルトラQ」でした。

 

 

私は、この桜のシーンを見ると、この「二十四の瞳」もして

 

ほしかったと思います。

 

この作品のカラースチールは、あるのでしょうか?

 

ゴジラの第一作もカラー写真が存在していないのと同様にこ

 

の作品もないと思われます。

 

当時、この作品に出演していた田村氏がライカのカメラでカ

 

ラー写真を撮っていたとのことらしいので、もしかすると、

 

プライベートスナップにあったりしないのかと思ってしまい

 

ます。

 

これは私が所有している当時のポスターです。もちろん白黒

 

を彩色したものですが、当時の雰囲気は分かるかと思います

 

ので、味わってください。

 

 

 

 

●おまけ・3

 

二十四の瞳の原作は、1952年12月に光文社から出ました。

 

それを2005年12月に同じ光文社が創業60周年記念として、

 

この作品を完全復刻として出版しました。ダブルカバーとな

 

っており当時の表紙、帯まで復刻されております。

 

当時の雰囲気満載で読むことが出来ます!

 

こちらも反戦と人間の平等を訴えたものですので、興味ある

 

方はどうぞ。

 

「ノンちゃん雲に乗る」も復刻されているみたいなので、

 

これも、ブログでやるかな・・・

 

パンフとDVDだけじゃ、う~んムリか

 

 

 

●おまけ・4

 

私は、高峰秀子の本をかなり所有しておりますが、

 

(これは一部)

 

中でも一番最初の「巴里ひとりある記」(昭和28年)と2冊

 

目の「まいまいつぶろ」(昭和30年)いずれも初版はちょっ

 

と自慢です。

 

 

そんな高峰秀子の本は、殆どが絶版ですが、養女の斉藤明美

 

が、かなりを復刻させたので、手軽に読める事が可能になり

 

ました。

 

高峰秀子を知りたいと思う方がいらっしゃいましたら、2015

 

年にPHP研究所というところから、「高峰秀子 解体新書」

 

が発売されましたので、こちらをオススメしたい。

 

血縁や学歴などのキーワードから、身長、体重、胸、耳など

 

の肉体のキーワードからも解き明かしています。

 

中でも、デビュー作「母」という5歳の時の幻の作品がDVD

 

として付いているのがスゴイ!

 

この作品が、どうして発見されたのかの経緯も書かれていま

 

すが、生前に高峰秀子が、これを見れてなかったのが残念で

 

ならない。

 

 

 

●おまけ・5

 

映画の冒頭から、大石先生が自転車で走るモダンガールとし

 

て登場しますが、この時、高峰秀子は自転車に乗れず、特訓

 

したそうです。

 

 

 

 

●おまけ・6

 

昔懐かしのお菓子として、かりんとうがあります。

 

黒とか白とかいろいろありまして、少し細くて多彩な味の小

 

洒落たかりんとうもあります。

 

そんな中、亀田製菓よりお米屋さんがつくった焼かりんとう

 

というのが出ました。

 

このかりんとう、従来のかりんとうとは全く違うんです。

 

パッケージに「濃密あまかるい」と書いてある通りなんです

 

よ。食べていて、あまり硬くないんです。お試しください。

 

 

 

●おまけ・7

 

ラミー、バッカスの新シリーズがちょくちょく出る様になっ

 

た昨今、マロングラッセが新たに出ました。

 

 

そうこうしてうるうちに

 

バッカスの「春夏仕立て」のものが出ました!

 

 

これで、1年中食べられるようになったということですか?

 

 

 

 

●おまけ・8

 

期間限定モノに弱い私

 

このフリスク みんな限定

 

 

そして、お酒も限定の文字から

 

ストロングゼロ ダブルパイナップル チューハイです。

 

 

 

●おまけ・9

 

今年も出ましたドラえもんアイス

 

 

発売が3月みたいなので、食べたい夏の時期には、探しても

 

無いハズですよね~

 

 

 

●おまけ・10

 

家の杏の木が屋根より高くなり、多方面に伸び過ぎたので、

 

バッサリ切ってしまいました。

 

そんな状態でも花は咲きましたよ。

 

ちょっとですが。こんな感じです↓

 

 

寂しいですが、いっぱい咲いていた時はこんな感じ↓

 

 

 

 

●おまけ・11

 

おもしろかった動画でした。

 

100均のネコよけが効果があるのか!?

 

 

にゃにイー!