次の金環日食まで18年

ブースカが帰ってくるまで20年

それと同じ位の間、

もし、あなたの自由が奪われたら、どうしますか?


2009年8月 全世界に衝撃のニュースが駆け巡りました。

行方不明になっていた少女が見つかったというものでした。

少女の名前は、ジェイシー・リー・デュガード。

1991年6月10日 当時11歳の少女だったジェイシーは、

見知らぬ人に誘拐されました。

それから18年もの間、監禁され

学校で学ぶ事、友達や妹と遊ぶ事、我々が普通にすることの

全てを奪われ、自分の名前を名乗ることも許されず、

二人の娘までもうけさせられた。

その誘拐犯は、驚くべきことに なんと夫婦であった。

今回、ご紹介しますのは、その彼女が書いた手記になります

$Desmondのブログ

  奪われた人生 18年間の記憶
  発行 : 2012.4.17 第1版(日本版)
  出版 : 講談社
  著者 : ジェイシー・デュガード

18年もの間、どうやってきたのか?

何をされたのか?

どこに監禁されたのか?

誘拐した目的は何だったのか?

食事は?トイレは?

等の多くの どうして? という疑問があることでしょう。

ましてや女性です。体の変化もあるでしょう。

その どうして? が、この本の中にあります。


どうにかして逃げる手立ては無かったのかと誰しも思うこと

だと思います。

右も左も判らない子供が

服を脱がされ、手には手錠、時間も分からない蒸し暑い部屋

に閉じ込められ、ジェイシーのひとりぽっちの日が続き、

外界との接点が、その犯人だけとなると

その男を頼る様になってきてしまい、

監禁での呪縛の恐ろしさがわかってきます。

こんなことが載っていました。

「何週間も歯を磨いていない。指で歯垢を擦り落とし、

出来るだけきれいにする。

歯垢は驚くほど溜まっている。とりわけ奥歯がすごい。舌も

使ってこする。

この先、歯ブラシを手にする事があるのだろうか・・・」

これは監禁された為になったことですが、こんな生易しいも

んじゃありません。

特に「ラン」という行為には、言葉を失いました。

この本を読むと分かると思いますが、想像を絶する事が、

彼女に降りかかります。まさに地獄です。

そんな中でも彼女は、生きる事を選びます。

ママにもう一度会いたいという切なる望みを持って。



本には、当時ジェイシーが書いた日記も載せられています。

常に男が読んでチェックしているので、読んでも分からない

様な書き方になっているが

ジェイシーの思いが伝わってきます。


そんな過酷な監禁生活であっても

彼女は、母として自分の娘たちに教育を行います。

小学5年生の教育で止まっていた彼女ではありましたが

TVとインターネットを使って、

勉強を行い、母として今度は娘たちを守ろうとします。

また、犯人の母親の介護もさせられていたことも書かれてい

ます。

犯人は、犯罪歴があり保護観察を受けている身での犯行だっ

たのも衝撃だった。

犯人の家に度々来る保護監察官が、気が付かなかったのが残

念でならない。

しかし、ついにジェイシーが 保護される時がやってきます。

保護されても、ジェイシーは自分の名前を言うことが出来ま

せんでした。

自分の名前を名乗ることを許されてなかったからです。

そして、小さな紙に震えながら自分の名前を書いた。

     ジェイシー・リー・デュガード

彼女は、その時の事を

悪魔の呪文が解けたみたいだと書いている。


そして、FBIの捜査官が先にお母さんに状況の説明をし

いよいよ待望のママとの再会になります。

ママのいる部屋のドアの前で立ちすくんでるジェイシー。

このドアの向こうにママが待っている。

会いたかったママがいるんだ・・・・

しかし、ジェイシーの頭を不安がよぎります。

ママは、私の事を覚えていてくれるのだろうか?

今の私を気に入ってくれるのだろうか?

娘たちを孫として受け入れてくれるだろうか?

ジェイシーが、思い留ませる理由として

ママがどんな顔をしているかを思い出す事が出来なくなって

いたのだ。

ずっと思ってきた ママにもう一度会いたいが、今ここにある

怖い・・・

そして、ジェイシーは勇気を出して、ドアを開けた。

「ママだ!ママ!」

ママは、泣き笑いをしながら両腕でジェイシーを抱きかかえ

た。あふれる涙。

ジェイシーは、あぁ、ママの匂いだ。この人は私のママだ!

辛く長かった時間を過ごした抱き合う二人が そこにいた。




あなたも強く生きたジェイシーに触れてみませんか。

希望を持つ事を感じるでしょう。



ジェイシー 本当によかった。

これからの残りの人生を幸せに過ごせます様に。。。




◆おまけ

ジェイシーが本を出したあとに

インタビュー受けた様子がTVで放送されました。

当時のジェイシーの映像や写真、そして現在のジェイシーも

見れます。もちろん犯人の顔も映像にはあります。

英語なので、話してる事が分からないかも知れませんが

現在のジェイシーの姿からは

大人の女性として、ひとりの母親としての思いが

感じられると思います。



削除されたようなので、違うものにしました。







●あとがき

日本でも少女が、9年間監禁された事件が新潟でありました。

ジェイシーの監禁はそれより長い18年です。

日本の事件以上に細かいところまで何故があります。

しかし、読んでいくうちに

そんな細かいことよりも彼女が生きていたという喜びの方が

大きくなってきます。

本当に彼女の強さ、愛情の深さに頭が下がる。

この本は、誰にでも 読んでと 進められる本ではないと思い

ますが、この本を出したジェイシーの勇気と強く生きるとい

う事に少しでも その思いの力になればと考え今回 取り上げ

ました。

 
本を読んだり、買い物したり、走ったり

その時期にしか感じる事が出来ない事を

全て奪われたジェイシー

あなたなら、ジェイシーに何て声を掛けてあげますか?



               また、いつかどこかで。