先日訪れた鎌倉文学館は前田侯爵家の別邸でしたが、今回は本邸へとお邪魔します。
 

京王井の頭線 駒場東大前駅から徒歩10分ほど、東京大学教養学部の西側にある駒場公園は、かつて加賀百万石の大名であった前田家の末裔、侯爵前田利為公が文京区本郷から移転して構えた本邸があった場所です。

園内には現在、生活の場であった洋館・迎賓館の役目を持った和館・日本近代文学館が建っています。
洋館は1929(昭和4)年完成の鉄筋コンクリート造、地上3階・地下1階建。設計は東京帝国大学の塚本靖と、宮内省内匠寮の高橋貞太郎(川奈ホテル、上高地ホテル等を設計)の2人です。
配布されているパンフレットには当時の御屋敷の規模が分かる絵図がありますが、さすがに個人宅としては東洋一と言われた事がある規模だけに、やたらと広い😓
 
まずは一般公開されている洋館から拝見🏰
テラスのある南側から見た全景です。 侯が渡英経験が豊富なためか、イギリスのカントリーハウス(例えれば中世のお城をダウンサイズした様な、権威的な大豪邸)風の意匠でまとめられています。
テラスの上からは、翼を持ったライオンが睨みをきかせています🦁
豪邸は第二次大戦後に占領軍に接収されましたが、その撤収後は国と東京都の分割所有となり、現在は敷地と和館は目黒区が、洋館は東京都が管理しています。
 
重厚で広々とした玄関広間。
蛇紋石の柱、巨大なチーク材の梁、シャンデリアや彫刻の施された階段など、全てが豪華です。
応接室
小客室
南向きの大客室は来賓をもてなす為の部屋
マントルピース(暖炉まわりの装飾)は部屋ごとに違い、拘りが伺えます。
洋館1階でもっとも格式が高い大食堂。
晩餐会のための部屋で、白大理石のマントルピースの周りには金唐紙の壁紙が使用されています。
装飾の施されたチーク材の壁パネル。
照明も当時使用されていたものです。
奥には普段使いの小食堂
ヨーロッパの貴族が使用するような調度品の数々
階段ホール
3連アーチのガラス窓には菱形の色ガラスが並べてあり、中庭から柔らかな光が差し込みます。
 
では2階へと上がってみます。