今日は私が日本語の先生として、これまで台湾にある
幼稚園や小学校で、また台湾の社会人大学で教える
立場として、日頃何を感じ何を学んできたのか、
そして未来の教育のあり方
について、子供たちと共に何をして行きたいのか、
いくつかまとめてみたいと思います。
これはあくまで、いち海外在住の日本語教師の経験
であり、みんな違ってみんないい、正解のない
あり方を見つめている個人的な感想です。
子供たち一人一人とのダイアログ
私が子供たちと接するとき、時に教室の教壇に立ち、時に床
にみんなで輪になって座わります。
子供たちとの向き合い方は、教える内容もレベルも毎回様々
なので、その時々で空気感や雰囲気も異なります。
よくしゃべりよく動く子もいれば、静かに座ったままの子も
いて、みんなそれぞれに気質・個性があります。
だけどそんな中、私がこれまで教室で培った
経験から得た手応えがあります。それは、いつも
クラスルームがまるく一体化すること、子供たち一人一人
とのダイアログが生きている、そんなクラス運営
ができるようになったことです。
子供たちの魅力と才能を引き出す方法
この一体化は、子供たちだけを指すのではなく、
大人の私を含めた、クラスルームの中に置いてあるもの、
机や椅子も含めて全体が調和しているような、
つっかかりの少ないそんなまるいエネルギーに包
まれていることを指します。
このエネルギーの調和は、私のクラス運営にとって
とても重要な在り方となっていて、
今では自身の授業を構築する大事なエッセンスに
なりました。エネルギーの調和？怪しい!
こんな言葉、聞いたこと無い。
そうおっしゃる方が多いです。
でも、教える立場の私が、育った環境も価値観も異なる
それぞれのご家庭で育つたくさんの子供たちと一緒に、
目標を持ち、心地よいクラスルームを作りたいと願った時、
一番にしたらいいなと思うことがありました。
それは子供たちがそれぞれに発してきた豊かで素直な
エネルギーを一度、教師がしっかりと受け止めて
感じることだと思っています。
クラスでその都度生まれる調和のエネルギー。それは、
短期間に何かをトレースし真似て出来上がるようなインスタ
ントなものではなく、むしろ大自然の木が長い時を経て
成長し、１つとして同じものがないように、
子供たちの日々の観察から得られる唯一無二のオリジナリテ
ィーを、教師（大人）の内観力と志によって邪魔をせず、
ただそれらを純粋に引き出してあげられるように、
教える側の大人が先ずエネルギーを整えておくといいのでは
ないかなと思っています。
英語のeducationという言葉の語源は、ラテン語で「外へ引
っ張る」ことを意味します。だから教育は、そ
もそもその人の中からその人自身に備わっている潜在的な
魅力や才能を「引き出す」という意味で使われる
言葉なのです。
様々な背景を持つ子供たちそこにある無限の可能性
海外で暮らす日本人の子供たちが通う日本語補習校
という週末だけ開かれている日本政府認可の学校が
台湾にもあります。
私は教務として、台湾に暮らす日本人の園児・小学生
の子供たちに向けた国語の授業を担当した経験があります。
そこで学んだこと。それは、ただ国語を教えるだけでは
何も始まらなかったということです。
つまり、教師が国語の先生として教壇に立ち、
ただ言葉を発して伝えて教えるという在り方では、
子供の心には全く響きませんでした。
これは大人も同じだと思います。
何かを教えてくれる方（上司や教師）が、
自分の目の前で一生懸命に話してくれても、
こちら側（部下や生徒）の心の準備が整っていなければ、
その空間と時間は、なんだかバラバラで少し
味気ないものになってしまう、
という経験がある方もいらっしゃると思います。
これはまさに自分自身のことで、ここに気が付かない間は
ただやみくもに懸命に授業を行っていました。
あの重たい空気感は、今となって恐らく教室全体が心地よい
共振をしていなかったからなのだと思います。
私の場合、お母さんは日本人、お父さんはアメリカ人。
お母さんが台湾人で、お父さんは日本人。
こんな外国での国語のクラスに集まって来る様々な
背景の子供たちの様子を、
先ず教師がありのままに感じることから始めました。
見ていると、何か元気のない子もいました。
あちこち歩き回る子もいました。
だから毎回そのまま直ぐに授業を行わず、
子供たちの気持ちがクラスに向きやすいように
待ちました。そして
教師の私が誰よりも先に自らが愛そのものである
ことを表現し、心を開き、自身をクラスの中で
調和バランスの中に整えていました。
自然界が教えてくれること
愛の表現を別の言葉で言い換えると、
どんな話も受け止め寄り添えるような「母なる大地」とし
て、また時に人生の道しるべとして輝くような［北極星］と
して存在する。子供たちの今を明るく照らす、
私はそんな陽のエネルギーを放ちます。
こう書くと、どうやって？と聞かれます。
私は自身のしくじり人生から
ヨガに辿り着き、自らヨガを教えていく中で、
少しだけ敏感にエネルギーを感じたり、まとめたり、整えた
りすることができるようになりました。
ヨガでは、人間の体に張り巡らされた
エネルギーセンターをチャクラと言います。
頭から胴体へと縦に配列された車輪のような回転する
エネルギーとして描写されますが、
頭上のチャクラから大自然の純粋なエネルギー
を素直に取り入れ、周囲の感情やメッセージを
自身の中に繋げるように調和バランスを
整えています。
きっと子供たちは、太陽のような明るいエネルギーに
触れ、クラスでの安心感を得ていたのだと思います。
時に外へ出てみると、素晴らしいエネルギーや、
たくさんの発見もあります。
私は子供たちと共に自然界からも学びます。
それは目に見える草花や木々からはもちろん、目には見えな
いだけど、とてつもなく大きな空と太陽に
活かされているこの瞬間に、想いを馳せることも
ヨガを通して教えます。
大人の私たちも、自然界からの学びや気付きを
人生に取り入れるように意識して過ごしていると、そこに
ある閃きや直感が冴えて来て、私があるがままに
大自然の中に調和して守られている
安心の境地に導かれて行くように思います。
そしてその調和バランスと心地よさを私自身の中に留め、
ブレずに記憶しておくこともできるようになって
いけると感じています。
道徳としての学び バガヴァッド.ギータ
バガヴァッド・ギーターは、日本で神の詩と訳され、
ヨガの経典として、またインドでは「最も重要な聖典」
とされています。
インドの哲学思想を一般庶民でも分かりやすくまとめた
哲学書で、私はヨガ講師になる時にこの本と出会い、
たくさんの生きるチカラとエッセンスをもらい
感銘を受けました。
今日はこのバガヴァッド・ギーターから得た気づきと、
そして今後子供たちと共に道徳教育として学べたらいいなと
思っている本書を、一部ご紹介します。
内容は、クリシュナという覚者（神の化身）が、
アルジュナという勇士（弓の達人）に対し、
「戦え！」と鼓舞しながら魂の道にただ突き進むよう
導いていくストーリーで、戦場が舞台となっています。
権力争いのために、王族士族である親戚同士や
お世話になった人々を敵とする目の前で、いざ戦おうとして
いる、そんな場面で始まります。
この経典の第３章・義務の中の一文です。
他人の義務を完璧に行うより
不完全でも自分の義務を行うほうがはるかによい。
他人の道を行く危険をおかすより
自分の義務に従って滅びるほうがよいのだ。
他人の経験をなぞるのではない あなたらしい生き方
私の場合、他人の道を行くより、
自分の義務に従って滅びる方がよい。
この章からものすごい清々しさを覚えました。
そしてこの章からの気づき。それは人生を進み行く
過程の中で、計り知れない程、
相当に大きな勇気と覚悟が必要になること。
だけど、人生の中でどうしても自分の義務
にはっきりと気がつく、いや気が付いてしまう、
そんなタイミングがいつしかやって来るのだと思います。
その時に、じゃあどうする？どうしたい？どうするんです
か？と自身に自問自答してみても、タジタジで、素直にパシ
ッとした答えなんか出てこなかったです。
わたしたちは、これまで周囲の人間関係からたくさん
を学び、そして同様に外側から同じだけたくさんの
影響も受けて来たました。
忙しい日々です。知らず知らずのうちに、他人の作った
流れに乗ってしまっていることもあるでしょう。
過去世からの影響もあるかもしれません。
だけどバガヴァッド・ギーターは私たちにこう伝えて
くれていると思いました。
ここで一歩引いて俯瞰してみて。
人生の主人公・プレイヤーとしての自分だけではなく、
大きな野球場の観客席からただ
私自身を遠くから眺めるような感覚で。
そこに見えるチームメートやコーチたちを見つめ
１つ１つを感じてみて
あなたの義務はなんだろうかと。
もしかしたら、自分の役割を取り違えていたことに
気が付けるのかもしれないし、もしかしたら
義務は分かっていても、サレンダー手放しが出来ない
ままただ時間が過ぎてしまっているのかもしれない。
私の場合、この野球場（人生）で出会ったくさんの方々
から頂いたギフトがあることに気が付きました。
それを一言で言うと「太陽」になるための道へ
義務として導いて頂いていることに気付き、
またその太陽がもたらせるであろう恩恵は、周囲が
「平和」になることだと思いました。
これが私の本当の義務なのかどうなのか？
正直、誰にも分かりません。だけど私本人が、
この感性に辿り着くまでの道のりの中で、
本当に多くの方々の愛と親切と思いやりによってここまで
導いて頂いて来たことは紛れもない事実です。
自分ではない大きな愛と全体の調和バランスによって
見せて頂いている素敵な景色なのです。
だから逆にそうではない道へ進んでしまうと、
私の太陽は、黒々としたコゲと不調和のエネルギーを
あちこちで放ってしまいます。
居心地の悪い自分が顔を出し始めるのです。
だから私は、今自分に出来ることを「自分なりの太陽」
に向かってゆっくり進んでいます。あなたも、
ご自身の人生にあてはめてみた時、きっと自分の義務、
それはつまり魂の道であり、この地球にやりに来た目的が
少しづつ見えてくると思います。
みんな見ているものが、違います。地球に
来ている目的も、課題も、経験も、魂年齢も違います。
だから今日も私は自分らしく、
子供たちに生きる美しさを学び、
そしてバガヴァッド・ギーターに
人生の本質を学んでいます。
明日は３月２０日、春分の日。
太陽が12星座の最初である牡羊座に
移動するとても特別な日になります。
様々な価値観の人がいていい
それぞれの放つ愛の
１つ１つが大きな力となり
そしてそれがありのままにとても重要になる
そんな愛の時代が始まる
さあ、みんな心を開いて準備して！
私はそんな宇宙からの優しいメッセージを感じています。
それでは今日も感謝です。
ありがとうございました。