「金箔張りを見に行く」の巻
今日は前からお願いしていたがなかなか都合が合わず、行くことができなかった金箔職人さんの工房へ見学にお邪魔したのであった
金箔?
何のこと?と思われるのも当然ですが京都は神仏具のメッカであり、この金箔を自分のルアーに張ったりして琵琶マスにアピールしようという目論見である(メッカと言うのもヘンかな...)
この目論見は見事に当たっており、着実に実績を上げつつあるのだ
しかし自分なりのやり方でなんとか張っているという程度である
これでは人は釣れないし自分としても納得がいかない
私の嫁様の元彼で仏壇職人の岩田屋さんに無理をお願いし、見学が相成ったのであった
場所は京都山科、音羽のあたり
高速道路沿いの住宅地の一角にその工房はあった
4年前に独立し専業主婦?も兼ねながらやっているのだという
非常にうまいとの評判らしい
岩田屋さんとずかずかとあがりこみ実と眺める
このとき漆塗りの仏具に接着用の漆を塗られている最中であった
「これは俺んとこのやから写真撮ってええよ」と岩田屋さん
「これなんですのん?」と私
「ようわからへんけと東本願寺さんの修理」って...
「江戸時代くらいのやつかな...?」
「へぇ~...」
この漆の仕上げが箔の仕上がりを決めるという
拭きムラがないように均一に拭いていく
非常に薄い
「このまま3時間くらいは大丈夫」
「せやないと複雑なもん張れへんわ」と言われた
フムフム...
こんな奥まったとこ難しそうやなぁ...
いとも簡単に張っていかはる
ナルホドなぁという箔箸の使い方
この数ミクロンの金箔を一枚ずつ取扱うテクニック
初めて見る者を圧倒しながらいとも簡単に張っていく
これはでけへんのである
ほんまに
数ミクロンでっせ
すぐ破れるし、くちゃくちゃになる
奇麗である
見事である
ムムムである
ここでいっちょこんなルアーに張りたいのだと清水さんに見せてみた
「表の半分だけに張りたいんです」
「境界はすっきりと奇麗に仕上げたいんです」
「どないしたらエエんですやろ」
と私
「境界は張った後にヘラで拭きあげんのがええんとちゃうやろか」って
「ちょっと1個貼ってみよか?」
「ん~こんな感じかな」って1分ほどで張ってくれた
あっというまに...
ん~...
すばらしい
作業を見ているだけで非常に勉強になる
ポイントはズバリ箔の扱い方である
おそらく...
たぶんまた家でやったらアワワになるんやろなって思いながら見つめる
箔を張った後真綿で押しをする
更に貼りつけるのだ
この微妙なタッチが難しらしい
グッとおさない
ふわっと押してはる...
ん~...そうか
とここで残念、デジカメの電池が切れてしまった...
このあと刷毛で余分な金箔を払っていく
軽く軽~るく
そして最後に真綿で拭きあげていく
「ここがまたむずかしいんですわ」と清水さん
「拭いていくと皺がとれどんどんきれいになっていくんでやりすぎてしまうんですわ」
「気ィつけんとあきません」
...そうか...そううだったのか
仕上がったものをお見せできずに申し訳ないのですがこんなもんにも張るらしいです
こんなんどうやって張るんやろ?...
っと思いながらもこれ以上お邪魔すると迷惑なので退散することにした
清水さんありがとうございました
この清水さん京都の人かと思ったら千葉の人でした
訳あって京都でこの世界に入ったと...
またゆっくりと見たいものである
だから張ってもらったルアーは置いてきた
乾いたら取りに来ますって...
次もじっくり教えてもらうのである
見せてもらうのである
あつかましく...
「こんど琵琶マス持ってきたげよ」と思いながら工房を後にしたのであった
このあと大将の店に行ったら相変わらずむさくるしい感じで
「おいこれどうにかしてくれ!何ともならへんねん!」とパソコンで格闘したはりました
不器用やな大将は...
えらい違いや
「おっ!明日何時やねん!5時半には来いよ!」っておっさんは寝れへんかもしれんけど若い私は起きられへんやんかと思いながらハハッと軽やかに返事するのであった
明日は釣ってやる...
PS 熊五郎先生は明日はお休みとのことです