確かに日本も、アメリカがハワイを併合したように、韓国を併合したことは歴史的事実です。

 ただしかし、当時は弱肉強食の戦国乱世でありましたから、もしも日本が日露戦争で負けていれば、朝鮮半島は完全にソビエト連邦の一部になっていたことも、歴然たる事実です。

 日米戦争後、日本にやってきたマッカーサー総司令官も、世界地図と当時の軍事状況を考えて、「大国ソ連に備えて、日本が朝鮮半島に勢力を伸ばしたことは、よく理解できる」と話したと言います。

 なぜならもしも日本が朝鮮半島を支配していなければ、日本列島の真横に、ソ連という巨大なマルクス主義国家がそびえ立つことになるばかりか、朝鮮半島全体が北朝鮮のように国になっていた可能性が、かなり大きかったからです。

 それにもしも当時の韓国が、欧米列強と肩を並べるほどの経済力と軍事力があって、そしてもしも当時の日本がそれだけの力が無ければ、日本と韓国の関係が正反対になっていたことも、可能性としては十分に考えられます。

 韓国を併合した日本は、やはり台湾と同様に韓国から利益を吸い上げることなどしませんでした。

 むしろ現在の金額で、80兆円ものお金を本国から持ち出していて、当時、「世界一不潔な都市」と言われて、どこでも自国の領土にしてしまうアメリカまでもが見放したソウルを、日本は近代都市へと変貌を遂げさせる手助けを行ったのです。

 ちなみに80兆円というのは、現在の日本の一年間の国家予算です。

 なぜなら大東亜共栄圏を目標として掲げている当時の日本は、台湾、朝鮮半島、満州(中国の一部)を、日本と同じように開発しようとしていたからです。

 「五族協和」といって、朝鮮半島、中国大陸、日本列島に住む人々が、平等に仲良く暮らしていくことを、かつての日本は夢見ていたわけです。

 その証拠に、当時の日本政府は、大阪や名古屋よりも先に、台湾や朝鮮に大学を建てています。

 伊藤博文が日韓併合に反対したのは、朝鮮半島ほどの大きな土地を、日本列島と同等に扱っていくには、資金的に無理があると考えたからです。

 現実に、日本は朝鮮半島にお金を持ち出しすぎて、第二次世界大戦において、資金的に苦しむ羽目になります。