日本は今、アメリカの擬似植民地から、チベットやウイグルのように、中国の一つの自治区になろうとしています。

 すでにチベットやウイグルの惨状については、お伝えしてきましたが、ここで再び、『中国が隠し続けるチベットの真実』という書籍をもとに、チベットの惨状について、あえて述べたいと思います。

 なぜならこの惨状が、私たちの身に迫っているのですから、私たち日本人は、心してチベットの惨状をよく知っておくべきだからです。

 私たちが回避すべき悲劇、それはすでにチベットやウイグルで起きていることなのです。

 チベットという国は、ダライ・ラマを法王として仏教が盛んな土地でした。

 この土地に中国が侵略した時、彼ら最初、「信仰の自由を認める」と約束していましたが、しかし「宗教はアヘンである」と考えるマルクス主義国家ですから、やがて彼らは本性を表して、「ダライ・ラマを信望している者は、脳ミソが緑である」と言い出し始めました。

 そして1965年までに、90%の僧侶が強制的に還俗(出家をやめて、僧侶をやめること)させられ、5万人の僧侶が強制収容所に送られました。

 7000あった寺院や神殿も、次々に破壊されて僅か数箇所にまで減り、貴重な仏具は闇取引で売買されて、売れない仏具は溶かされて銃弾の玉にされてしまいました。

 今ではダライ・ラマの写真を持っているだけで犯罪です。

 約1000名の僧侶が公開処刑された時は、あえて仏像を重石(おもいし)に使って僧侶の首を絞めた言いますから、仏に対して信仰を持つチベット僧侶は、耐え難い苦痛の中でこの世を去っていったことでしょう。

 「奇跡を起こせるものなら皆の前で飛んでみろ」と、そう言われて高い崖から蹴落とされて殺された者もいれば、「自分を救えぬ者に、他人を救えるはずがないではないか」と言われ、為す術(すべ)なく死んでいった僧侶もたくさんいました。

 ある僧侶が中国兵に対して、無慈悲な虐殺を止めるように哀願したのですが、すると中国兵は、その僧侶の肘から先の腕を切り落として、「仏がいるなら、失われた腕を元通りにしてくれるはずだ」と、言ったといいます。

 僧侶を生きたまま焼き殺すことなど当然で、生きたまま生体解剖された僧侶さえいるという証言もあります。

 とある村で「生き仏」と言われていた高僧は、中国兵に髪の毛を掴まれ、煮えたぎる湯を浴びせられてこの世を去ったといいますし、多くの僧侶たちが、中国兵に大便を食べさせられ、尿を飲むように強制され、一般の人々はその姿を見るように強制されたといいます。

 すなわち中国政府は、「宗教なんてアヘンであって、信じてみ意味が無いものだ」ということを人々に見せ付けるために、あえて人々から尊敬されている人の無様な姿を大衆に見せつけようとしているのでしょう。

 もちろん中国政府はチベットにおいて、宗教を弾圧するだけでは飽きたりず、知識層や富裕層の大量虐殺をも積極的に行ってきました。

 なぜなら同じマルクス主義国家であるカンボジアのポル・ポト政権も同様なのですが、知識層と富裕層こそ、マルクス主義国家にとって、最大の敵であるからです。

 というよりも、大量虐殺によって骸骨の山を築いて、世界中を驚かせたポル・ポト政権がお手本にしたのは、他でもない中国政府なのです。

 中国政府は、知識層や富裕層を虐殺する際、「タムジン」を積極的に行いました。

 「タムジン」とは、公衆の面前で誰かを卑しめたり、裁いたりする「公開人民裁判」のことです。

 この公開人民裁判は、「密告制」であるために、人々の心の中に「やらなければ自分がやられる」という恐怖心を生み出し、互いに疑心暗鬼にさせて、そして信頼関係を壊して、人間関係を希薄にさせていきました。

 人々が疑心暗鬼になり、互いに裁きあう世となってしまったために、時にタムジンでは、子どもが親の罪を糾弾するようなこともあれば、親が自分の子どもが銃で撃ち殺される場面を見せられることさえあり、それどころかその銃弾の費用まで請求されて、さらに「反社会分子を処分してくれた」として、親は自分の子どもを殺した中国政府に対して、感謝までしなければならなかったのです。

 あるいは中国政府は、チベット人に対する民族絶滅を企んでいるために、「人口抑圧隊」なるものを組織しました。

 そしてその組織を使って、チベット人が増えず、そして減っていくように、チベット人女性に対する強制中絶や強制避妊手術が、こうしている今も行われていると言います。

 1989年のワシントンポストには、次のような目撃証言が掲載されたといいます。

「人口抑圧隊は僧院の隣にテントを設営した。そして村人たちは、人口抑圧隊から、『すべてのチベット人女性は中絶と避妊手術を受けるためにテントに出頭するように。もしも出頭しなければ、重大な結果を招くであろう』との連絡を受けた。
 拒絶した女性たちは、強制的にテントに連行され、手術を施されたが、術後の処置を受けられなかった。
 妊娠数ヶ月になる女性たちは、胎児を摘出され、たくさんの女の子たちが泣いていた。
 テントの横には胎児が積み上げられて、異臭を放っていた」

 マルクス主義国家というのは、「人間を物質の塊」と見なす唯物思想を持っているために、心や魂が宿っている私たち人間を、まるで「物」のように扱えてしまうのです。

 そのために彼らからすれば、胎児を山のように積み上げることも、なんら罪悪感が沸かないことすらあるのです。

 ある女性は、病院に呼び出され、腕から採血され、生殖器の検査をされました。

 そして彼女は、イスに身体を縛られて、空気袋のようなものを生殖器から体内に挿入されたそうです。

 その空気袋のようなものが、体内で膨らんで取り出されると、肉片が一緒になって出てきたと言います。

 彼女はその後、十七歳の若さにして生理が完全に止まってしまい、性的感情も一切無くなってしまったといいます。

 民族絶滅を狙う中国政府は、こうした生殖機能を奪い手術を、何も女性だけに行っているのではなく、当然のことながら男性にも行っています。

 ある村の男性たちは、医師から「頭を良くし、背を高くし、身体を丈夫にする手術を行う」と言われて、「命令に背いた者は殺す」と言われました。

 そして多くの男性たちが生殖器に手術を受けたのですが、ある28歳の男性は性的感情が一切無くなり、頭がボンヤリとして、自分の家と他人の家を間違えてしまうまでボケてしまい、その友人は五ヵ月後に亡くなったといいます。

 民族絶滅の恐怖の刃は、何も大人だけに向けられているのではなく、子どもたちにも向けられています。

 なぜならチベットの子どもたちは、人身売買の対象となっている可能性があるからです。

 とある村の十四歳の少年は、「中国で教育を受けさせるから」との理由で、商人に連れ去られてしまいました。

 両親がその商人に抗議すると、彼らは警察に呼び出されて、「それ以上、文句を言うならば逮捕する」と脅されたそうです。

 この村では、十四歳から十八歳までの54人の少年少女が、確かに「子ども狩り」の対象となってしまい、そして「人身売買」の対象となってしまった可能性が確かにあります。

 なぜなら子どもが連れ去られた時、商人たちは「一年で戻る」と言っていたというのに、結局、数年経っても子どもたちは戻ってこないからです。

 十四歳で連れ去られた少年は、両親に手紙を宛てて、その手紙の中で彼は、「教育など一切受けておらず、冬は港で、夏は荒野で、重労働を就かされている」と書いていたといいます。

 宗教弾圧、民族絶滅に加えて、中国政府がチベット人に行っていること、それはやはり暴力による自由の抑圧です。

 国連では拷問を禁止しています。

 そして国連は、拷問の定義として、「肉体的、精神的に大きな苦痛を伴う行為が、意図的に個人に与えられること」としています。

 しかし国連常任理事国の中国は、チベット人に対して拷問ばかりを繰り返しています。

 彼ら中国政府が、拷問の時に最もよく使う道具は、「電気棒」だそうで、これは別名「牛追い棒」とも呼ばれるそうで、本来は家畜などの大きな動物を追い立てる時に使用する道具なのだそうですが、彼ら中国政府はこの「電気棒」を好んで人間に使用するそうです。

 ある女性はこのように証言します。

「警官が職場に来て、私は警察に連行されました。取調室には分厚い本が置かれていて、その中には私の罪状が書かれていると、警察は言っていましたが、しかし彼らが実際にその本を開けることはありませんでした。
 私が何も悪いことをしていないと訴えると、婦警が私を別室に連れていき、そこで私は胸を蹴られました。
 そして婦警は、電気棒を私の口に押し込んだのです。すると次の瞬間、口が爆発したかのように感じ、私は気絶しました」

 電気棒を口の中に入れて、電流を流すと、舌が腫れ上がったり、歯が吹き飛ぶこともあるそうですが、何よりも最も恐ろしい使われ方は、尼僧(女性の僧侶)を含む女性に対して、性器に挿入して電気を流す使われ方であり、あるいは男性の場合は肛門に突っ込んで電気を流す使われ方です。

 イギリスのテレビ局、「チャンネル4」がチベットで密かに撮影したドキュメンタリ番組では、十一人のチベット人男女が証言し、その全ての方々が、「電気棒で殴りつけられた」と語りました。

 ある尼僧は顔を隠して、涙ながらにこう言います。

「彼ら(中国兵)は、私に手錠をかけて、警察署に連行し、地面に押し倒しました。さらに私の顔を地面に押し付けて、電気棒で殴りつけ、さらに私の胸を蹴飛ばしました。そして彼らは私を全裸にして、三人か四人が、私を電気棒で強姦しました」

 さらに別の尼僧が言います。

「私たちは続けざまに、七人か八人の中国兵に強姦されました。私たちは丸裸でした」

 男性とも距離を取り、性行為とは無縁で生きて、心清く仏道修行に励んでいる女性たちを蹂躙する、まさしく人間として許すまじ非人道的行為ですが、こうした残虐性を秘めた中国の脅威が、今、私たちの国にも、一歩、また一歩と、着実に迫っていることを、私たち日本人はよく肝に銘じておくべきでしょう。

 そして中国政府は、チベット人を減らしていく一方で、「人海戦術」によって、大量の漢人をチベットに流動させています。

 中国政府は鉄道を建設し、漢人がチベットで商売をする時は、無利子でお金を貸し出し、たとえ漢人が中国国内で軽犯罪を起こしても、チベット行きを希望すれば罪が許されて釈放されるばかりか、チベットで職業まで紹介してもらえます。

 中国政府がこうした政策を行えば、必然的にチベットにおける漢人の人口比率は上がり、今ではもうチベットは国としてのみならず、文化も、言語も、歴史さえも、完全に消滅しかけております。

 「宗教弾圧」、「民族絶滅」、「自由抑圧」、「人海戦術」、こうしたことはチベット自治区のみならず、ウイグル自治区でも、内モンゴル自治区でも行われていることであり、そして近い未来、この日本でも行われかねず、すでに「人海戦術」は始まっております。


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