「多重魂」

 真人はさらに呪司を唱えた
 
 巨大な塊が彼らの前をさえぎり

 頭が多数 千位 いや もっと 多くの頭が出たり入ったり蠢き 音をはなっていた

 五条は恵に振り向きざまに叫んだ

 「それも 殺すな」

 
 「改造人間だぞ もう元にはもどらん」
 
 「元になった人間の数が多過ぎんだよ 
 学校 一個分くらいか」

 五条は真人の攻撃をかわしながら答えた

 「殺す方が簡単なのは わかっている」

 恵は打撃を、何度も加えはじめた

 僕にはできないんだよ
 
 宿儺様々って奴だな

 しかし この状況は 好転しているといっていい
 
 しかし またまだ 課題が多い

 悠仁一人じゃ真人を倒せない
 しかし、まだ 慣れない多重魂で他はていっばい
 さて どうするか

  全員  よみがえらせたいが 
 いくら宿儺であっても 蘇りは 時間かかるし
 かなり呪力がいる
  
 魂に干渉出来る術式…
 いた いたじゃない
 
 「宿儺」

 「なんだ」

   「高専 帰るよ」

 「はあっ」

 「あんたを楽させてやろうと 思って」
 
    「行くよ」

 「恵 暫く  頼む」
 
   「釘崎は目以外無傷 しかも 新の身固め的術式で
   心肺停止直後の状態をたもっている
    僕よりも ずっと状況はいいはずだ
          宿儺 生き返らせてくれ」

  「お前……」

   こしゃくな奴め 

     「わかっている」

  高専にかえって
  虎杖と五条は 
  釘崎の遺体を見つけた 
  虎杖は宿儺に 代わり

 
  遺体は光に包まれる

  急激な呪力の消費 そして、
  この 死に近づくような感覚  
  快楽にも似た感覚
  恍 の感覚 
 
  釘崎の顔の目の前に五条は顔を近づけた

  「顔  近っ」
  釘崎は飛び起きた
        
  「よかった 宿儺の反転術式は多少の魂を傷は
  大丈夫なんだ」

  五条は にこり笑い

  「おでかけだよ 釘崎
     宿儺は仲間になったんだ 今んとこ」

  「はあっ 状況が全く 理解できない」
  釘崎は目を見張った

  「まっ いいっしょ
         恵を助けに行きます」