空を覆い尽くすほどに巨大な骨組みは

 

 ガシャガシャギ-ッギ-ッと音を立てながら


 八の字を描くように


 右往左往する


 不気味に顔だけは人間な この動く物体は

  

 黒く光る龍が

 

 その回りを グルグルと回りながら

 

  づっと離れないでいた


  

 「猪野大丈夫か」


 日下部は声をかけた


 「大丈夫です」


「でも、これってマジに じり貧だよな」


 日下部は首をうなだれた


 「七海さんが言っていた

        真人とかいう 呪霊かもです」


 猪野は日下部に背を向けながら答えた



 いままで、信じたくはなかったけど


 でも、もう だれも残ってはいないし


 「さっききら 夏油の仲間のなんとかいう

    外国人もくわわって 戦ってるけどな 

       それもなんとかならんと言うことか」


 もう、じり貧というより、終わってる


 日下部は空を見上げ ため息をついた


    俺が脹相と戦ってればよかったってか

 今更 ここまできたら ちょっと順番 狂っても 問題ないっしょ


 日下部は大きくため息をつき刀を構えて四方を警戒した


 いつ 宿儺が現れてもおかしくないだろう

 猪野の龍しか このデカ物にはもう対処できない


 もう、なにしろ 終わってんだよ


 あああ---っもう止めたい



  

 

 

 なんだ なんか近寄ってくるぞ 

 

 風をきって何かが目の前に着地した


 「おっまたっ-」


 五条はそのまま虎杖と宿儺のと日下部の前に

                 足をついた


 「どういう状況」


 五条は尋ねた



 「ごっ五条 なに  まじに 幽霊 

      いや 怨霊 呪霊にはならんよな 」


 「なに お前ら 宿儺に捕まってるの

              いったい何よ」


 日下部は大きく 手を振り回しながら 叫んだ


 もう 訳わからん 疲れてんのか俺 幻覚か 

 目を擦り日下部はまた、見返した

 

 「宿儺に直してもらったんよ」

 

 ニヤけながら 五条は両手を合わせ頬にあてて 

           くびをかしげながら答えた


 こいつのニヤけ顔 ほんと むかつく

 よく 付き合えるな

 

 宿儺は深くため息をついた



 「えっ---- 訳わからん 」

 

 日下部は 頭をかきむしった

 

 「俺が おかしいの」 


 日下部は 答えて 口をあんぐりと開けた。

 

   「説明は後よ」


 五条は人差し指を 日下部の前見せ 横に何回か

 振ってみせた


 「これからは 僕は 悠仁と宿儺の援護にまわる」


 「こいつらしか魂に攻撃できない」

             僕は隙をつくる」


 「同化の解消 天元と一億人の切り離し」

 

 「悠仁と恵の打撃は魂に干渉する」


  「でも 殺すなよ」

  

 五条は 念をおすように 二人の目にくいいった

  

    「僕は 思いっきり

         攻撃を当てられるということだ」

 

 そして、五条は スッキリした表情で遠くみた


  「猪野 もう いいよ 龍をやすませて」


 五条は猪野に言葉をかけた


 「ありがとう ございます」


 「いま もどってきてくれて 本当 嬉しいです」


 やっと猪野ほ話はじめ 目に涙を浮かべ 

               鼻をすすった


 そして 黒い龍は大きく空に円を描きながら降りてきて 猪野の近くで消えていった


 そして それに合わせるように ミゲルとラルゥは消えていった


 


 「さあ はじめようか」 


 静かで 落ち着いた声は  よく響きわたった

  

 五条は大きく腕を開き 微笑んだ



 「まず とばしますか」 


 五条は片手で証印をむすび


 「虚式 茈」 

 

 茈の巨大な光線煌めきながら真人の肋骨にあたり

 

  大きな音をたてた


 「悠仁」

 

 虎杖は素早くその場から跳ね上がり

   真人に打撃を食らわせた


 「虎杖 また 会えて嬉しいよ」 


 真人は虎杖に話しかけ


 更に言葉を続けて


 「なん 五条 お前 なんでいんの  

     結構苦労したのに 

        獄門彊ちゃちかったんだ  

             羂索  残念やつ」


 真人は身体をクネララせながらつばをとばし 高笑いをした


 ガチャガチャという肋骨を足場にして虎杖は身体を翻し


 「お前 前より ずっと キッショいぞ」

   と言いながら顔に打撃を更にをくらわした 


 「グワァ---」

 

 真人の顔は歪み鼻から血が噴き出した


 「こうこなくっちゃ」

 

 真人は鼻血をすすりながら 答えた

 

 

  恵は答えながら、次の打撃を放とおとした時

 

 「そうは させないよ」

 

 真人は虎杖に話し掛けた