真希はマッハの速度で宿儺にシャッコン刀で切り込むが   


 宿儺に大ダメージを与えられない

 

  刀を引いて裂くことができない


  反転での治癒が完全ではない虎杖も


 真希に合わせ魂への打撃を食らわす


 真希も虎杖の背後から


 シャッコン刀を今度は首をめがけ


 振り下ろすが


 口がその刀を妨げる

 

 宿儺はにやりと 笑いながら

 

 虎杖の打撃をうけながしている



 さらに、そのシャッコン刀の上から


 虎杖は打撃を加え


 刃を押し込み切り裂こうとするが


 引き切ることができない


 また 真希は身体を翻し


 背後から宿儺の背を

 

 切り裂こうとするが


 それも、 深く入らない


 目の前にいる虎杖に


 宿儺は捌を食らわし打撃を飛ばして


 虎杖は血を吐きながらかなりの後ろに飛ばされ血が腹からまたほとばしっていた


 その瞬間後を振り向いた宿儺の


 片方の腕を落とした真希だが


 宿儺は残っている手で証印を結び


 「領域展開 伏魔ミズシ」

 の言葉とともに 赤黒い空間に肋骨のような 巨大空間の奥には口のついたミズシがそそり立った

 そして 牛頭部の骨が山のように積まれ

 宿儺はその前にたっていた 

 斬撃の嵐が降り注ぎ




  真希は身体を切り刻まれ血を吐きながら倒れた


 宿儺は苦しみもがく真希の身体を蹴り上げ




 乙骨の近くまで、蹴り飛ばした  



  「女 お前はこれまでだ」


  「お前に返してやる」




 真希を受け止めた乙骨は


 真希をだきあげながら

 

 口から出る血を手でぬぐった


 真希に 反転術式を施したが切り刻まれた


 真希はもうすでに呼吸が途切れがちで

 

 意識がもどらない

 

  彼は、真希を安全な場所に寝かせた

 

 


 

 

 自身も反転術式で身体を直していた乙骨は


  身体を震わせながら、怒りを抑えられず


 「宿儺!!!  お前を殺す」

 

 と怒鳴りつけた。



 彼の目はいきなり青くギラつく光を放ちはじめた


 宿儺はその変貌をすぐに理解したが

  

 覚醒した乙骨は


 その瞬間証印とともに


 虚式茈の声と共に


 宿儺には200%茈が放たれた


 乙骨の不意打ちの茈は


 茈の光と共に宿儺に近距離で放たれ

 

 宿儺の領域展開を破壊した


 宿儺はやっと身体をおこし


 宿儺といえども


 不意打ちの一撃に身動きがとれない状況に陥った



 「憑霊の餓鬼め 乙骨憂太

      なかなかやるじゃないか」


 「貴様 五条を、食ったのか」


 「ほおっ 興がのってきたの」


 


 「真希さん」

 

 「僕がもっと早く来ていれば、僕がもっと強ければこんな事にならなかったのに」


  乙骨は目を閉じ、拳を握りしめ 、身体を震わせた




 「宿儺 お前を殺す

    殺さなくちゃならないんだ」


 乙骨の目は怒りで、また、ぎらぎらと光った


 「リカちゃん力をかして、これが最後だ、本当だよこんどこそ」

 

 乙骨はリカの頬を両手で覆いキスをした、



 指輪を高く掲げ、握りしめた拳で 手の平を叩いた


 「憂太 大大大好きだよ!」  

 

 リカの 身体は振動をおこしながら大きくなり


 身体をうねらせた


 頭の真ん中にある目は大きく 見開かれ


 おおきく、空に立ち上がった


 乙骨の髪は風に揺れ


 目はまっすぐに宿儺に向いていた

 

 「里香いくぞ」


 「もう、僕と里香ちゃんの全ての力を使って」


 沢山の剣のなか 乙骨は


 

 多分 僕と里香ちゃんのすべてをぶつけても 宿儺を殺すことはできない


 完全体の宿儺の伏魔ミズシをせめて弱体化させる

 そして、反転術式を使えなくする

 これこそ僕の役割


 ヤコブの梯子を付与した僕の領域は

 茈の、直後の宿儺を削れるはず

 

 宿儺は領域展延を発動し


 乙骨は刀で切りつけ、ウスラビを発動したが


 宿儺は軽くそれを弾きとばした


 乙骨 つぎの刀をにぎり

 「ふるべゆらゆら」

 と呪詞をとなえ

 渾を召喚した

 

 「なに 小僧の式神だと 俺のゆびではない

             自切のほうか」

  

 斬撃の嵐が降り注ぐが

 

 渾は前に進むことをやめない

 無傷なままだ


 「こいつ適応してやがる」 


 宿儺戦前の一ヶ月


 「憂太 相伝の術式の事なら 

        僕がよく教えてあげる

          勿論 無下限も十種も」


 乙骨は 五条が顔をよせてきたのを思い出していた



 コンは斬撃にはまるで無傷で宿儺の腕に噛み付き

 はなさなかった

 

 そこに虎杖は宿儺に真希の持っていた

 シャッコン刀を構え宿儺に斬りかかった

 大きく胸に、切り傷を残し

 血が噴き出し 滴り落ちた

    傷の直りが遅い

 

 「こいつら 

   俺が調伏したのを 利用してやがる」


 宿儺は虎杖に捌を放つが コンは虎杖をかばい前に出た


 コンは更に 宿儺の後ろに廻り

 大きく爪痕を残した


 虎杖が更に切り込もうとすると

 宿儺は また捌を虎杖にあてようとするが


 コンはそれをかばった

 

 なんで こんなに使いこなせる

 

 宿儺ははっとした

 

 高専の術式はこいつ事前に取込んでるな


 コンはさらに宿儺の首に食らいつき大きく身体を揺らしはじめた

 

 「なにっ」


 宿儺が斬撃を放ってもコンは適応を続ける


 虎杖は腕をしゃっこん刀で切りつけおとし


 更に乙骨は刀でもう片方の腕を落とした


 コンが宿儺の首を引きちぎると


 あたり一帯に血が噴き出した


 「いいぞ もっと もっとだ」


 宿儺は血の雨のなか 

 上を向き 宿儺は自分の血を口に入れた


 目をギラつかせ

 残った腕を大きく広げた

 メラメラと宿儺の回りに広がる

 黒いオウラが見えると


 その瞬間 乙骨も 虎杖も宿儺の呪力量が跳ね上がったことがわかった



  そして、伏魔ミズシ 証印を結ぶと

 口の大きく開いたミズシが現れ

  

 もはや 初撃で倒すしかあるまい


 斬撃の嵐の後に


 「フ-ガ」


 その言葉と共に片手を前に

 もう片方の手を後ろに引き

 巨大な炎を乙骨に放った

 周囲は赤くなり

 飛び散ったガラスは熱で液体になった

 

 コンは虎杖たちの前にはだかったまま

 身動きがとれず

 炎にやきつくされ

 爆風で遠くに飛ばされていた


  その瞬間


 「純愛砲」


 すさまじい光の中 すべての光が宿儺に向けて解き放たれた


 宿儺は領域の後すぐには、反撃を予測していなかった


 「なにっ」


 宿儺は胸を貫かれだらだらと血をながしていた


 しかし

 

 

 

 反転術式で直した腕と口を両方使い証印と詠唱をはじめ


 巨大な肋骨のような骨組みは頸椎のような巨大な骨が現れ

 二つの領域は軋むような大きな音をたてながら


 結合をはじめる


 そして、里香は気が付いたように乙骨を遠くに蹴りとばしつた


 ギャ----

 悲鳴と共に

 斬撃は里香を両断し

 リカは真っ二つになった

 

 

 

 宿儺は伏黒のポイントを使い


 超重複同化を同時発動した


  赤く滲むような光を放ちながら


 闇に蠢く巨大なガシャドクロに変貌した


 空を覆い尽くすその巨大な物体に


 見慣れたツギハギのある顔がうかんでいた


 久しぶりだな


 虎杖 元気してた? 


 会いたかったよ


 真人はさらに鼻で笑った

 


 巨大な骸骨は

 

 ガシャガシャと異様な音を立てながら


 空を 覆いつくした



 膨大な呪力の塊に


 「なんだ これは」


 宿儺はつぶやいた

 

 身体中が血まみれな宿儺は


 空を蜷局を巻くようにゆっくり移動しながらすさまじい勢いで大きくなりなっていくその物体に


 為す術はなかった


 空を見上げる宿儺 虎杖に 日下部の前で


 猪野が降霊をはじめ、


 黒い渦巻きは、暗い夜を更に暗くするように


 満ちていき


 竜は赤く光を放つ骸骨に絡みつく


 猪野はそれを追いながら


 詠唱を続け

 

 日下部は猪野の周囲を警戒しながら

 

 刀を、構えていた


 


 


 


 「兄ちゃん無事だったんだ」


 宿儺を警戒しながらも現れた脹相に


 「乙骨先輩駄目かもしれない」


 虎杖はうつむきながら


 声をかけた虎杖に振り向いた脹相の額には

 

 見たことのある傷跡に


 虎杖は後ろに仰け反りながら、ジャンプした


  「息子よ元気だったかい」

 

 と同時に穿血を放つ脹相に


 虎杖の顔は青くなり

 

 その直後に

   

 「ああ~~~っ」とうめき声をあげながら頭を抱える脹相


 また、虎杖に穿血を放つ


 虎杖は穿血をもろにくらいながら 


 「兄ちゃん止めて どうして」


 虎杖は攻撃をされても、攻撃しない


 血まみれの虎杖は

 

 脹相に近寄ろうとする


 額の縫い目を、それを見た日下部が


 「虎杖 もう そいつは駄目だ 殺せ お前がやられる」


 「嫌だ」


  虎杖は脹相の腕をつかみ


 「兄ちゃん シッカリしてくれ」

 

  と声を掛けるが


 脹相は攻撃をやめない


 更に血まみれになる虎杖に


 日下部が


 「虎杖 お前ができないなら 俺がやる」


 「嫌だ」


 虎杖は日下部に言い放ち


 また、脹相に近 寄ろうとする


 「ああ~~~つっ」


 とうめき声を上げる脹相


 無抵抗の虎杖に今度は 超新星を放つ脹相

 

 虎杖は腹から血を吹き出しながら


 また、脹相に近づき


 「兄ちゃん どうしたの」


 また、脹相は穿血を虎杖に放つ


 血を吐き倒れ込む虎杖を見かねて


 日下部が脹相に刀を向けるが


 虎杖はそれに立ちはだかる


 「止めて 日下部先生 きっとなにかの間違い」


 しかし、今度日下部に穿血を放ち


 日下部は倒れ込む


 そして、猪野の所に行き穿血を放つ

  

 猪野は上手くかわしてにげられたが



 立ち上がった日下部は


 「お前がやらないなら 俺がやる」


 と刀で切り込む日下部の腕を虎杖はつかみ


 「俺がやる」


 と日下部の腕を離した



 虎杖は涙を、ぬぐい

 

 脹相に向かい走りはじめた

 

  穿血が放たれるなか、

 

 虎杖はそれをかわし


 打撃を食らわす


 脹相は、超新星を使う


 しかし、虎杖かわしきる事ができた


 脹相も、宿儺の斬撃から家入になおしてもらったばかり


 赤燐躍動で

 

 身体能力をあげ


 向かってくる脹相を


 乗り越え


 身体を翻し


 黒閃を放つ


 打撃は脹相の頬にあたり


 脹相は倒れ込む


 そこに 馬乗りになって

 

 「兄ちゃん止めてくれ 兄ちゃん!!」


 とまた、虎杖は叫ぶが


 脹相に反応はない


 虎杖は頭突きをし

 

 また、脹相に


 「お願いだから止めてくれ」


 と泣き叫ぶが


 脹相はなぐりかかる


 そして、近くにあった刃物で


 虎杖を刺そうとする

 

 しかし、虎杖はそれを掴み


 力尽くで止める


 そして、


 「お前はまた甘ちゃんだななんだよ」とニヤついた


 真人は


 上空からの弄ぶような真人の一撃がはなたれた


 虎杖はその一撃に倒れ込み


 その刃物が脹相を貫いた


 脹相は胸を突かれ口から血を吹き出し

 

 血しぶきは虎杖の顔を赤く染めしたたり落ちた


 


 脹相の目の輝きが徐々に失われた

 

 呼吸が絶え絶えになると


 脹相は小さな振るえる声で話し始めた


 

 

 「ユウジ ごめんな ありがとう 俺はお前の中でいきられればいい」


 脹相はユウジの頬をなで、涙を、ぬぐいながら


 微笑み 頬にあった手は力なく 地面になげだされた

 

 


 宿儺は瓦礫の下で、なんとはなしにその情景をながめていた


 


 虎杖はその場に倒れ込み


 横になり、身を縮ませた


 もう、どうでもよかった


 「もう、助ける人もいなくなった今  


 仲間もいなくなった今


 もう、俺の存在は価値がない」


 「兄を、殺してしまった」


 

 「死にたい 死にたい 殺してくれ」


 気を失っていたのか、どれくらい時間が経ったのか

 

 虎杖は分からなかった




 気が付いた時には


   宿儺はただ


 呆然と立ったまま


 虎杖を見下ろすのだった


 

 虎杖は横目に宿儺を捉えたが


 また、目を閉じ横たわったままで

 

 話しかけた


 「どうか、俺を殺してくれ」


 「お願いだ」


 と



 脹相の遺体は虎杖の横に横たわり


 額の縫い目は傷跡になっていた


 宿儺は脹相の遺体に目をやり

 

 しかし、じっとしていた


  

 夜は明け光がさしてきた


 宿儺と虎杖にも


 日が差し


 あたりは明るくなりはじめた


 宿儺との戦闘からどれくらい経ったのだろうか

 

 「俺は、気をうしなっていたのか」


   「宿儺は何故俺を殺さない


 ここは夢なのか」

 

 「猪野さんはどうしたのだろう」




 



 俺は 昔よく兄と遊んだのを覚えている

 

 兄とは双子だった