​痛みがない日々へ

 


この点滴は

痛み止めです

痛かったら

このボタンを押せば

追加で痛み止めの薬が

出てきますから

我慢しないで

押してくださいね

 

変形性股関節症の

手術を終え

麻酔から覚めて

まだぼんやりしている私に

看護師さんの口調は

緊張感のある

優しさでした

 

しかし…


痛み止めとつながる

ボタン

ナースコールの

ボタン

2つ握らせられても

 

正直

片手では2つは

持つことが

できません

(・・;)

 

 

私は手術をした場所が

どこだかわからないぐらい

ぼんやりしていましたし

なんといっても

どこも痛くない

という感覚でした

 

痛み止めのボタンは

いらないです

 

小さな声で言って

手をはなすと

 

また

看護師さんが

 

何度押しても

大丈夫ですからね

 

握らせてくれました

 

まだはっきりと

話す気力がない私は

 

これは大丈夫です

 

というのが

精いっぱいで

またボタンをはなしたら

看護師さんは少し

驚いた声で

 

このあと痛みが出た時は

必ず押していいんですからね

何度押しても

問題はないですからね

 

優しく言ってくれました

 

やはりどう考えても

大工仕事のような

手術を受けたあとですから

 

痛くないから

 

という私に

疑問をもった

ようでした

 

 

でも本当に

痛くなかったんです

まったく…

 

うそじゃないんですよ

足の甲に書かれた星印のおかげかな?と

と、思ったています(笑)

 

 

傷口の痛みもなく

股関節のあの鈍痛も

なにも感じません

 

 

これはきっと

全身麻酔がまだ残っていて

効いているからだな

 

とは思いましたが

 

けれどなんとなく

痛くならないような気も

していました

 

もしかしたら

 

痛くない

 

自分で暗示

かけてしまった

…のかもしれませんし

 

本当に

手術のテクニックが

完璧だったせい

…かもしれません

 

けれど

 

実はこのあとも

私は痛み

感じることは

本当に

なかったのです

 


その日から毎日

1日3回


看護師さんが

様子をチェックしに

病室に入ってくると

最初に必ず

痛みについて

聞きます

 

 

痛みはどうですか?

 

1番痛いレベルが

10だとしたら

いくつぐらいですか?

 

初めて聞かれた時は

 

私はすぐに

 

痛くないので

0…かな?

 

答えました

 

すると

可愛い看護師さんが

ちょっと

ギョッとした顔をして

 

0ですか?

少し動かしても

痛くないですか?

0ですか?

 

また聞いてきます

 

人間とは

不思議なもので

 

通常ルートから

外れた発言をしたのかな?

 

と感じると

ちょっと

軌道修正しなければ…

と、なるものですね

 

私は

 

動かさないと1

動かすと2

だと思います

 

と答えてみました

 

全身麻酔が

まだ効いているからかなあ

 

独り言も言ってみました

妙ですけどね

 

そして

その日から

私は


1日3回

 

動かさないと1

動かすと2かなぁ

 

退院まで言い続けました

忖度っていうんでしょうか?

いや、これは違いますよね?

 

 

でも

本当に

痛くなかった

んです

 

通常レベルの痛み止めは

まだ点滴で繋がっていたので

きっとそのせいだと

思いますが…

 

よくわかりません

 

 

 

実際、手術のあとも傷口など

 

痛かった

 

と言う方の声を聞いて

手術を躊躇われる方が

いらっしゃいますが

 

じつは、その一方で

私のように

 

まったく痛みは

感じなかった

 

という人も

存在していることは

知って欲しいことです

 

 

でも…

食欲は

あまりありませんでした

当然ですかね?(笑)

 

 

 手術翌日のお食事

立派ですよね!

三男に食べさせてあげたかったです