​手術の日

 

10年前からの

変形性股関節症

最後の5年は

痛みが鈍化したのか

するわけないですが

痛いけれど

この痛みが

通常モードになって

痛みに麻痺

のようでしたが

 

けれど

会社を早期退職

することにしたとたん

 

脚は素直に

痛みが増しました

 

気持ち

って

あるのでしょうかね

 

この痛みと

さようならするには

 

自分の股関節を

人工のものに交換する

 

人工股関節置換手術

 

受けるしか

ありません

 

依然として

麻酔への恐怖

目覚めないのではないかと言う不安

があることには

変わりはありません

でしたが

 

手術そのものへの

不安

痛みのせいか

時間のせいか

 

もはや

ありませんでした

 

それだけ

痛みから

解放されたい

 

身体

言っている状態だった

ということでしょうか

 

 

手術前日の午前に

入院

 

薬剤師のかたには

日頃飲んでいる薬や

そのほかについて

相談

 

現在の状態を

リハビリセンターで

チェック


様々な動きを

診ていただいたあと

たくさんのアンケートを

書きます


ほんの一部

 

やはり辛そうですね

 

本当に靴下が履けないことはストレスでした

 

 

 

 

今見ると

やはり生活に

困難がある痛みです

 

そしてなによりも

ストッキングが

履けない!

これはどうにもなりません

ぶかぶかの網タイツを

履いていました

これならひょいと

つま先にひっかけて

履けるからです

 

思い出しても

悲しくなります

 

 

 

その後

麻酔科医と面談

 

夜には

 

看護師さんが

手術する左脚に

星印

手術の時に間違えないように

書いてくれました

 

なんともアナログですが

 

けれど

温かい星印

でした

 

 

 

 

ぐっすり眠れたのか

そのことも

忘れてしまいましたが

 

手術の日の朝

6:30

私の星印がこちら

 

 

麻酔の恐怖より

星印が気になって

写真を撮りました

 

 

さて

8時半

 

いよいよ点滴をして

手術室へ行く

となったところで

 

歩いて移動です

 

看護師さんに言われて

びっくり

 

そして、ここで

 

自分の股関節との

お別れ

パチリ

 

左の股関節、見えませんけれどね

 

 

脚が悪いけれど

最後に自分の股関節で

手術室に

向かいました

 

ドラマだと

ストレッチャーで

運ばれるような

イメージでしたが

 

ゆっくりゆっくり歩いて

なんだか手術室まで

ふらりと散策に行くような

不思議な気持ちに

なりました

 

じつは

入院の朝も

手術の日も

夫の笠井信輔が

付き添ってくれましたが

 

手術室に向かう時は

 

あの笠井が

お喋り好きな笠井が!

 

一言もお喋りもせず

神妙な顔つきで

一緒に並んで

普通に歩くなんて…

 

でした

 

手術室の前に着いて

やっと

 

じゃあ、ね

 

と言うと

 

頑張って

 

笠井

 

☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆

なんで?!

 

手術チームの皆様に

まな板の上の鯉ますみ

お預けするしかないのに

 

何をどう

頑張ればいいのだろう?

ʅ(◞‿◟)ʃ

 

ぼんやり考えながら

手術室に入りました



 

寒い!

 

扉がウィーンと閉まった

そこは

 

照明も控えめな

まるで

宇宙ステーション

瞬間的に、異空間に見えたから

そう思えたのかもしれませんが

 

宇宙ステーションに

入った気持ちに

なりました

 

本当に冷え切った空間で

ちょっとだけ不安

になりましたが

宇宙好きには逆に

ちょっとワクワクもしてくる

雰囲気でした

大丈夫だな、って思えました

 

そばには

医療スタッフのみなさんが

ちゃんと付き添って

一緒に歩いてくれています

これでは私は逃げ出せません

 

手術室は

いくつかあるようで

 

手術室の廊下を

ガラガラと

点滴と一緒に

歩きながら

 

寒いんですね

 

と言うと

 

ドラマでよく見る手術室って

本当は

こんな感じなんですよ

 

笑顔で教えてくれました

 

しかし本当に

めちゃくちゃ

寒いんですね

 

私も笑顔になるしか

ありません

 

1番奥近く?

まで行くと

 

本日の手術は

こちらの

一番広い手術室となります

 

…ですって

 

本当に広い 

しかも、広くても

私にはよくわからないし


この広い部屋

手術室の

真ん中に

ポツンと

手術台がありました

 

あまりに寂しい

シンプルさ


 

手術台にも

自分でステップを踏んで

上ります

 

ベッドに横たわると

枕はフニフニの

ドーナツ枕でした

 

そして

見上げると

イメージカットで使われる

あの丸い照明…

 

あぁ、本当に手術をするんだな

 

ここで実感する

私でした

 

そこに前夜

面談をした

麻酔科医の顔が

見えました

 

あぁ、先生!

よろしくお願いします

 

ベッドから

カラ元気の私に

 

それで、どうされますか?

全身麻酔と

ブロック麻酔

ーーー両方しますか?

 

麻酔科医

 

そうだった

 

そういえば前夜に

私が

麻酔をどうするか

決めかねていたことを

思い出しました

 

通常は

全身麻酔のあと

痛みが出にくいように

腰から下の

ブロック麻酔する

 

と聞かされ

 

全身麻酔だけでも

嫌なのに

もう一つ麻酔をしないと

いけないなんて…

 

ブロック麻酔をした時の

リスクの説明も

もちろん聞きましたが

 

それでもみなさん普通は

両方されますが…

じゃあ

一晩考えて

手術の時に

打つか打たないか

決めてくださればいいですよ

 

言われていたことを

思い出しました

 

しかし

すでに手術台にいる

まな板の上の鯉ますみ

 

もはや

判断能力はなく

一晩考えなかったくせに

 

みなさんと同じで

お願いします

 

まるで

 

普通盛りで

 

頼むような感じで

答えたのでした

 

わかりました

 

麻酔科医が答えると

 

あっという間に

すーっと私は

目の前の丸い照明に

吸い込まれるように

白い世界に

眠り落ちていきました

 

 

手術時間は

2時間程度

言われていました