​大転倒から12年


我が家には

3人の男の子が

いますが


その中で

1番おっとり

…いえ、とろくさく

病弱だったのが

次男でした


彼は

幼稚園の卒園式の時

こともあろうか

名前を呼ばれて

卒園証書を受け取ろうと

園長先生の前まで

歩いていく時


大転倒

してしまったのです


その時

参列していた他の

保護者の方からは

思わず

笑い声がもれました


三男を抱っこしながら

見ていた私も

晴れの舞台での

派手なずっこけぶりに

思わず

笑ってしまいました


…が



その一瞬あとから

周りの方々からの


転んじゃって

お母さん、可哀想に…


という空気が

うわぁっと

私に伝わってきました

これはあくまでも

私の感覚的なことですが…


その周りの空気は

次男が転んで

可哀想というより


このお母さん

こんなお子さんで

可哀想に


伝わって感じて

しまったことに


えっ…


と、私自身がびっくり



私はもちろん


大人になった時

この大転倒は

面白話のネタとして

笑えるわ、きっと


ぐらいに思っていたのですが

その周囲の気持ちとの

ギャップに


社会って意外と

自分の意識と

ギャップがある場面って

多いのかもしれない


改めて怖くなったことも

覚えています


本当はその場で


大転倒しても

この子は大丈夫ですよ!

これからの彼を

楽しみに

していてくださーい


言いたい気持ちでした



年賀状用の写真でも

ひとりパジャマ姿で

ポーズする幼稚園時代の次男(右)




さて、あの日から

12年…


あの日大転倒した

次男は


大学の入学式で


新入生代表

選ばれ


3000人近い

新入生、保護者、

学校関係者の皆さんの前で

挨拶をしました



転倒もせず

本当に堂々と

とっても良い声で

お役目を

果たしました


大学の入学式だというのに

この日は

おばあちゃまも含めて

家族みんなで

見に行きました



次男の挨拶を

家族みんなで

感慨深く

聞けたのは


あの幼稚園の卒園式

晴れの舞台での

大転倒が

あったからこそ

さらに味わい深く感じた

…のかもしれません


その次男も今や社会人として

イキイキと働いています



だから…

もし、今、いろいろな場所で

転んでしまっている

お子さんがいたとしても

私には、きっと大丈夫…と

そう素直に信じられます

本当に