​貴族の悲しみも

 

 

Les Misérables

あぁ、無情

ビクトル・ユーゴー

 原作の

ミュージカル日本版

《笑う男》

 

デンマークなどで

すでに映画化されていて

舞台化は

韓国ミュージカルが最初

日本では3年前に初演

今回は再演

 

見世物として口を裂かれ

常に笑った顔に

見えるようにされた

男の子が主人公

 

・・・となると

私は、観劇に少しばかり

躊躇がありました

可哀想で…

 

けれど

 

ヴィクトル・ユゴーが
自分の作品の中で、

最高傑作と評した

不朽の小説

 

ですから

観ないわけには

いきません

 

主演の爽やかなイケメン実力派

浦井健治さんをはじめ

ミュージカル界の帝王

山口祐一郎さん

ドラマ『ノーサイドゲーム』

でも、悪~い

イイお芝居を

見せつけてくれた

石川禅さんほか

みなさん

いい味で、あの時代を

生きていらっしゃいました

 

見世物

と言う世界は

日本でも実際にあって

 

私は小さい時に

京都の神社の境内にある

見世物小屋の前を

通るだけで

ドキドキした

覚えがあります

古いお話です

 

けれど

私が好きなミュージカルには

 

見世物小屋から

引き抜かれ

のちに有名なパフォーマー

となった実在する

結合双生児が

主人公の

ブロードウェイミュージカル

《サイド・ショウ》

があります

内容の奥深さ、楽曲の素晴らしさ!

 

 

この見世物小屋的な

世界観は

 

本当に幸せになるためには

何が必要なのか

 

本当に幸せなのは

どんな人なのか

 

いつも教えてくれます

 

 

《笑う男》では

いろいろなものを持っている

貴族と

何も持たない貧民と

どちらが幸せか

 

ーーーです

 

 

一方で

 

貴族ってバカなの?

 

と、思わず放送禁止用語を

大声で言いたくなるような

貴族残念な作品

でもありました

 

貴族はたしかに暇でした

けれど

どうしてこうも

ダメダメなところばかり

エンターテインメントで

貴族は描かれがちなのかと

ちょっと戸惑う…

 

貴族だからこそ

文化や芸術

ファッションなど

時代を創ったはずなので

そういうところに

焦点をあてる作品が

あってもいいのにな

とも思いました

関係ないですけどね

本編と(笑)

 

 

腐った貴族社会

虐げられた心美しい貧民社会

 

貧しさの中で心美しすぎることは

この世界には

ふさわしくないのか?

 

ラストシーンに

ユーゴーの気持ちを

問いかける私でした

 

 

 

上演冒頭に

スクリーンに映し出された

言葉は

 

金持ちの楽園は

貧乏人の地獄によって作られる

“The paradise of the rich is made out of 

the hell of the poor”

 

皮肉ですね

 

本当の幸せとは何なのか

みんなきっと

わかっているはずなのに…

 

 

プログラムにも舞台セットにも雪と森

ウクライナ情勢が思い出され

本当に大切なものはなんなのか?

と、また、頭から離れません

 

 

☆笑う男 THE ETERNAL LOVE~永遠の愛~

2022年2月3日(実際は10日)~2月19日

@帝国劇場

2022年3月11日~3月13日

@梅田芸術劇場

2022年3月18日~3月28日

@博多座