オスマン帝国外伝
シーズン4  第30話
父子の誓いのあらすじと感想です。


ネタバレしておりますよ。


宝塚版 スレイマンとヒュッレム




スレイマンとムスタファ

スレイマン皇帝は、かつて父親から毒が仕込まれたカフタンを贈られた話をする。

自分は反乱を起こさず、カフタンを地面に埋めたのだと。
そしてその時誓った。
絶対に自分は子どもに同じ思いをさせないと。

だから私は絶対にお前を殺さない



息子は答える。
自分も同じように地面に埋めていたら、真実が分からず、魂が死んでしまっただろう。
二度と、このようなことはしないと神に誓います。

決して反乱は起こしません



ここで、このところちょいちょい被ってくる、イブラヒムの長い独白…


その独白をバックに

牧場の女主人エフタリアと酒に溺れるセリム皇子。

ヒュッレムの反対をものともせず、結婚に踏み切るバヤジト皇子フーリジハン


…人が一度でも「決してせぬ」と誓うと、悪魔が誓いを破らせようと励むのだ。

反乱息子
酒乱息子
馬鹿息子…ってところ?



ヒュッレムの帰還

勝手にトプカプ宮殿に戻ってきた皇帝妃ヒュッレム。

後宮出納官アフィフェや、娘ミフリマーフら、後宮の女人が居並び迎える。

その話を聞いた皇女ファトマは、兄上はご存知なのか?と聞く。

皇帝の居室に向かうヒュッレム。
流石に不安そう。




ムスタファと会話をするスレイマンに、内廷宦官長ロクマンがヒュッレムの来訪を告げる。



キュタフヤへ行けと言ったのに、なぜ許可なく戻った?…というスレイマン。

ヒュッレムは、ミフリマーフからの手紙に、スレイマンが傷つき、倒れてしまうのではないかと書かれていて、心配で戻ったのだと答える。
ジハンギルの様子も心配で…。

ヒュッレムは、スレイマンの手をとろうとするが、拒否される。
仕方なく衣の裾に口付けする。

自分が許せないのは、
一番悲しいのは、

お前を信用できないことだ。
二度と…

…と立ち上がるスレイマン。





つまり、気持ち的には許し難いけど、再び追放はされないってことね?




成り行きを見守り、廊下で待つジハンギル皇子は、母親が宮殿に残れると知り喜ぶ。
ミフリマーフもほっとした様子。

ファトマは、ミフリマーフに、後宮を手に入れられたのに、機会を逃したな…と、また、煽る。
ミフリマーフは、もちろん動じない。


知っていれば出迎えたのに…というファトマ皇女に、

必要ありません
ここは私の家ですから




ムスタファ陣営

今回の遠征を皇帝がどう評価するのか気にするタシュルジャルに、その話をしているときにヒュッレムが戻ってきて、ちゃんと話せなかったというムスタファ皇子。
そこまでは順調やったのに…。

タシュルジャルは、これで大宰相リュステムも息を吹き返すという。

そこに伝令ヤヴズが、行方不明になっていたアトマジャの情報を知らせに来る。

ボアズケセンの地下牢に捕らえられていると。



救出に駆けつける一行。

その頃アトマジャの前にはリュステムが。
アトマジャが、リュステムにしか話さないと言ったからだ。

背後にいるのは女性だというアトマジャに、シャー皇女か、ファトマ皇女か…と聞くリュステム。

ヒュッレム妃だ…と答えて、リュステムの怒りを買う。

そこに駆けつけたムスタファに、ここにいるのは反逆者だ。
アトマジャは殿下ではなく他の者に仕えている…という。





その夜、ファトマ皇女と夕餉を囲むムスタファは、リュステムへの腹立ちをぶつける。

ファトマ皇女は、リュステムはもうすぐ罷免されるから、もう少しの辛抱だという。

弱点を狙い撃ちよ!








ヒュッレム陣営

ミフリマーフの館で寛ぐヒュッレム。

二度と誰にも手出しさせない!というヒュッレムに、ならば自重しないと…と諫めるミフリマーフ。

会議を盗聴したから、こんなことに…
…というミフリマーフを叱り付けるヒュッレム。

好きでやったんとちゃうわ!
ムスタファに陥れられへんためや!
あんたも、ジハンギルも、バヤジトも、ええ加減にしいや!



ヒュッレムは、アルカス王子の存在は大きいと言い、近く屋敷に招待し、良好な関係を築くようにという。

ミフリマーフは、ファトマ皇女もアルカスに関心を寄せているという。

若いし男前やさかいな…とほくそ笑むヒュッレム。





背後にいる者

介抱されるアトマジャ。

ムスタファ皇子は、リュステムに言われた言葉が気にかかる。

お前が私以外のものに仕えているなんて、そんなことあるわけないわな…

表情を変えるヤヴズ。





どうしてもリュステムの言葉が気になり、アトマジャを信用できないタシュルジャル。

アトマジャを問い詰める。

フズル以外に指示する者がいるのではないか。
カフタンの件はわざと知らせなかったのでは?
イランの間諜はアトマジャでは?


信用できないから、ヤヴズとともに出て行け…といい、去ろうとするタシュルジャルを呼び止める。







マニサ

皇子妃ヌールバーヌーは、狩に出かけたセリム皇子の後をつけ、皇子がエフタリアといるところを目撃する。

もちろん皇子が去った後、エフタリアの家に乗り込む。

しらばっくれるエフタリアが、慌てだす。

夫のディミトリが帰ってきたのだ。

ヌールバーヌーとガザンフェルも追い出される。

エフタリアは、森で迷った人に道を教えてあげただけだと言い訳。





ガザンフェルは尾行がバレたらまずいし、見たことは黙っておいた方が…というが、禁酒の誓いを破り、女と過ごしていたセリムを許すことはできないヌールバーヌー。



女官ジャンフェダーは帰りの遅いヌールバーヌーとガザンフェルに苛立つが、なんとかセリムには尾行がバレずに済む。



さて、相手は人妻。

これ、どういう展開に?







ムスタファジハンギル

これからの帝国について話す兄弟。

①新世界の金銀を得て、対抗勢力が台頭するかも。

②ウィーン攻略はならなかったが、今度こそ征服して、スペインやポルトガルも征服すれば、新世界も手に入る。

③大宰相はオーストリアの使者との交渉を始めている。和平を進めて何の得が?



ジハンギルの知識と洞察力に感心するムスタファ皇子。
たくさんの本を読んできたから。

自分が帝位につくことがあれば、お前が頼りだという兄。







アルカス王子

リュステムがイラン遠征の話を皇帝にしてくれたか確認するアルカス王子。

まだだと答えるリュステムに、自分は約束を果たしたから、そちらも…と急かす。

ムスタファのカフタンに毒を塗ったのはタフマースブの間者だと嘘の証言をした件。

ムスタファ皇子がここにいる間は無理だから、焦らずに待てというリュステム。










ムスタファスレイマン

ムスタファは時間のかかりそうなイランよりも、ウィーンからローマへと攻め上り、異教徒をあっと言わせたい…と提案する。

それがクズルエルマ🍎だと。






ヒュッレムリュステム

災厄を期待したのに、ムスタファがあっさり陛下と和解してがっかりする二人。

ヒュッレムはムスタファの後ろ盾が誰なのか知りたいのに、まだ分からないことに苛立つ。

イェニチェリは戦争に出たくて遠征を心待ちにしており、陛下がアルカスに会われたのも、遠征をお考えの証拠だというリュステム。

アルカスには救われたことだし、その存在は重要。

屋敷でもてなすように言う。

リュステムは陛下にイラン遠征をすすめたい。
実現すれば初めて軍の先頭に立つことになる。

殿下の一人が代理に任命されるというリュステムに、それがムスタファやったらどないするねん!と、ヒュッレム。






ミフリマーフ邸 宴

夕食に招かれたアルカス王子は、ミフリマーフに月桂樹を模した真珠のプローチを贈る。







ピーリー・レイス

ヤヴズはムスタファ皇子をピーリー・レイスの元に案内する。

アトマジャが全てを話したのだ。

ピーリーに詰め寄るムスタファ皇子。

こんな形でお会いしたくはなかった…という、黒幕。











…という、第30回。

なんかあれやこれや盛りだくさん。
ヒュッレムは、勝手に帰ってきて、とりあえず追い返されへんかった…っていう微妙な立場やのに、もうあれこれ画策し、動いております。

どんだけタフやねん。




気になる単語

ズルエルマ 
赤いリンゴ

Kizil elma 

…はトルコの歴史の話で度々出てくる表現。


意味は直訳では赤い林檎ですが、自分が手に入れたい物、念願なものという意味で使います。

 スレイマン1世の時代(1520年頃)ならおそらくウィーンのことと思います。もしメフメット2世の時代(1450年頃)ならイスタンブールのことです。 その時代によって、指している意味が変わります。




ですって。



イブラヒムも使っていましたよね、この言葉。
やはり、ウィーンからローマを目指していたとき。



ウィーンを目指したいムスタファと

イランに向かいたいリュステムと

どっち?


ヨーロッパの旅番組を見ていても、時々出てくるオスマン帝国の爪跡。

ヒロシくんの異郷の駅前食堂、クロアチア編でも、シサク要塞が出てきました。

破竹の勢いのオスマン帝国の侵攻を初めて撃退したんですって。




でさ、ヒュッレムは今自分のことで手一杯なのに、あれこれ考えることがあって大変やと思うのよ?

でもさ、きにならへんの?
スンビュルのこと。

早く、その後のスンビュルの姿を見てみたい。

まさかギュルみたいに、あれでお別れと違うでしょうね?




そして、アルカスはこの後どうなる?




クズルエルマを調べていたら、アップルパイが食べたくなってきました。

焼き立てにバニラアイスを乗せて。