オスマン帝国外伝
シーズン2 第53話のあらすじと感想です。


ネタバレしております。




足元に転がる自分の胸像の首。


イブラヒムは「斬るなら自分の首を」と言う。


スレイマンは、これは胸像ではない。傲慢さと野心で汚れた魂が形となった物だ。
欲を捨てねば広がり、お前を滅ぼす。権力とはそれほど恐ろしい物だ。
お前は個人が到達しうる最高の地位にいるのに、まだ不満なのか。
玉座につきたいのか。
それとも玉座につく者を操りたいのか。


イブラヒムは、
「この地位は望んだものではなく、陛下に授けられたものです。
地位を授けられるたびに恐れたけれども、陛下が私の命を庇護下におき、ご自身からも守ると勅令を出された。その勅令には効力がなかったようだ。」
と言い、ひざまずき玉璽を返す。

受け取るスレイマン。


退出するイブラヒムは、マルコチョールが声をかけても気付かない。

マルコチョールは陛下の部屋に転がる胸像の首を目にする。


スレイマンはアヤス宰相を呼ぶように指示。







ダイエとニギャールが、イブラヒムの件で話をしているところにやってきたヒュッレム。

何があったのか聞く。

私的な問題だと答えるダイエに、さっさと話すよう促す。
ダイエは離婚のことで落ち込むニギャールに活を入れていたと言う。

露見したらどうなるか、と聞こえたけれどどういうことかと聞くヒュッレムに、ニギャールが自害しようとしたのだと答える。

ヒュッレムは驚き、ニギャールは賢く美しい。
良縁に恵まれるから、命を粗末にするなと励ま
す。



ヒュッレムが去ったあと、ダイエは、大宰相の件は二度と話すなと釘をさす。
このまま宮殿に留め置くと。








帰宅するイブラヒム。
早い帰宅に声をかけるハティジェを無視し、女官につづらの用意をするよう命令。

出て行くというイブラヒム。
皇女さまは事情を知らない方が良いと。

また国家の問題なのかと聞くハティジェに、国家はあなただ。自分は奴隷でしかないと答える。

妻として、子どもたちの母として聞いているのだというハティジェに、苦痛の種になるだけだと。

そこに可愛い双子ちゃんたちが。

子どもたちを抱きしめて…

追いすがるハティジェを振り切り、馬車で去る。






スレイマンに呼ばれ、やってくるアヤス宰相。

今後、イブラヒムに代わり、会議を主宰するよう、任される。





アイビゲを自室に呼ぶヒュッレム。

アイビゲは帰国はせず、ムスタファと結婚することに決めたという。

自分は覚悟を決めたのに、マルコチョールは酒場の女と浮かれていたし、愛ではなかったと言われたから。

はっは〜ん…のヒュッレム。

信じたのか?
それで怒りに任せて結婚を承諾したのね。…と、事情を察する。

よく考えるように言うけれど、アイビゲはもう終わったのだと頑な。






マヒデブランはいそいそとスレイマンに報告。

二人の結婚準備の責任者に選ばれたのは、マルコチョール。

クリミアへの帰国もなくなる。
父親のギレイがやってくるから。




マヒデブランは、息子が慕うイブラヒムに式の采配を頼みたいと言う。
息子を誰よりもご存知です…と、スレイマンの疑念をご丁寧にも後押しする。






イブラヒムの馬車と遭遇する騎馬の一団。

アヤス宰相。

旅支度でどこへ向かうのか聞かれる。

ゲイックリの館に行くと答えるイブラヒム。






イブラヒム邸では、心配でじっとしていられないハティジェをギュルフェムがなだめる。

ハティジェは家具を倒し皿を投げ、大暴れ。
…の末、気を失う。






ヒュッレムはスレイマンの机上の国璽を見つける。
何があったのかと聞いても答えない皇帝。
皇子の婚約式の準備を手伝えと言われる。








アイビゲはなぜ結婚を承諾したのかとムスタファに問う。

皆のために良いと思って…。
二人の問題ではなく、政治が絡むと。

そちらこそなぜかと聞かれ、年長者が正しいと思ったからと答える。
抵抗は無駄だし。

男のムスタファは結婚しても重い人との関係を続けられる…。




ふと見上げると、テラスにいるマルコチョール止目が合う。





マルコチョールに声をかけるヒュッレム。

イブラヒムの事を聞く。
陛下が落ち込んでいらっしゃったと。

何も知らないと言うマルコチョールに、アイビゲの話をする。

美しく、賢く、勇気のあるアイビゲが、望まぬ結婚を強制されてかわいそうだと。






マヒデブランは女官のファトマが顔を焼かれているのを見る。
ヒュッレムの仕業かと聞かれ、事故だと答えるファトマ。

フィダンも同じく顔にやけどを負う。
ダイエに聞かれ、事故だと答える。


事情を察したダイエは、火遊びの危険が身にしみただろう…と言う。




ニギャールを心配するギュルは、宮殿に残ることになったと聞き喜ぶ。





悪夢を見るハティジェ。

兄、スレイマンが血の滴る麻袋を持ちやってくる。
誰も運命には逆らえないのだと言い、消える。
袋の中には…イブラヒムの首が。

悲鳴とともに目を覚まし、階下に駆け下りる。
食卓の上には夢と同じ麻袋が。


その中にあったのは、胸像の首。






マルコチョールは式の希望をムスタファにたずねるが、できるだけ質素に頼むと言われる。

そこに美しく装ったアイビゲ登場。

世界中が注目する結婚式になるから楽しみだ。
よろしく頼む…とマルコチョールに言い、微笑む。

マルコチョールと入れ替わりにやってきたスレイマンに、決断を褒められるが、アイビゲの表情は晴れない。



アイビゲとのキスを思い出しているマルコチョールに、お前の望み通りだろうと声をかけるアイビゲ。



ムスタファは結婚後、地方の県に赴任することになるらしい。




そこにハティジェが乱入。
兄にイブラヒムの行方を問い詰める。

無事だと言われても信じず、胸像の首の意味を聞く。

興奮するハティジェを連れ去るムスタファ。

ムスタファにまで逆上して、胸像の首の話をするハティジェ。

それを盗み聞くスンビュル。










女官や側女を集め、皇子の結婚式は完璧にしたいというマヒデブラン。
もちろん…と言うダイエを差し置き、ニギャールとスンビュルを責任者に任命する。

宴を彩る側女も選ぶようにと。
踊りのうまいエフスンをわざと指名。

ヒュッレムも何かあれば手伝う…と声をかける。






母后に相談するマヒデブラン。
ヒュッレムから手伝いの申し出があったと。

そこに慌てふためくギュルフェムがやってきて、ハティジェの件を伝える。


そこにムスタファに連れられたハティジェが。

ここでもまた、みんな知っていたのね?…と大騒ぎのハティジェ。

母后は確証もなく騒いではいけないと言う。




ヒュッレムは、なんとしても結婚の邪魔をしなければ…と、ギュルに事情を探らせる。




そこに、スンビュル登場。

陛下が大宰相を斬首したらしい…と話す。

驚く面々。
ニギャールが倒れる。




ヒュッレムは確認のため母后の部屋へ。

ムスタファは父親に話を聞く。
必要だったからやったと言う父親に、大宰相は恩人で最も尊い師だと言う。
不在は悲劇だと。

そこに母后にも登場。

母后はとりあえずイブラヒムが生きている事を知る。

スレイマンは事情を話す。
悲しまないように、妹に伝えるよう頼む。

あれほど寵愛していたイブラヒムを簡単に見放すお前が恐ろしいという母后。

彫像を捨てろといえばよかったんじゃ?

他のものならとっくに殺していると答えるスレイマン。

イブラヒムがどうなるのかは決めていない。
その日が来たらわかるでしょう…。

ハティジェもベイハンと同じ目に合わせるのかと言う母后に、おし黙るスレイマン。






イブラヒムは、双子の兄ニコをゲイックリに呼び寄せる。
何事か聞くニコに、少し休みたかったからだと言う。
信じないニコ。

イブラヒムは事情を話す。


彼らの前ではいつまでたっても自分は漁師マノリスの息子、テオでしかなく、言葉の刃に傷だらけになったと。

今の自分は大宰相でも、マノリスの息子テオでもない。
天国と地獄の間にいるのだ。





部屋に戻った母后は、イブラヒムが生きている事を告げる。
喜ぶ、ハティジェとマヒデブラン。
「な〜んだ…」のヒュッレム。

都を離れて休むように命じられただけだ。
ゲイックリにいて近々戻ると。

マヒデブランも、皇子の婚約式までには戻られるだろうと言う。




悲嘆にくれるニギャールにも、ダイエから、イブラヒムの生存が知らされる。





この後どうするつもりかとニコに聞かれ、わからないと答えるイブラヒム。
パルガに戻ろうか…。父とお前と、愛する女と…。
というイブラヒムに、皇女さまは無理だろうと答える。
皇女さまとは言っていないと答えるイブラヒムに、事情を察するニコ。

ニコにニギャールのことを話す。
癒しの手で、自分は生き返り、平安を得られたと。

伝説となっているハティジェへの愛を裏切るのか…という兄に、裏切ってはいない。ニギャールと寝た時、ハティジェとは終わっていた。

彼女が主だと思い知らされた時、愛は消え、終わったのだと。

私を誰だと?
私こそ至高の帝国よ!…っていうアレね。


向こうはお前を愛しているのに理不尽だという兄に、あの愛は主人が下僕を愛でるような愛だと言う。

自分は黙るしかたかったのだと。

忘れようとしたけれど、侮辱は記憶に刻まれている。命ある限り消えない。



傷ついたテオの気持ちを理解したニコ。
母親の言葉を聞かせる。

女房と牛は自分の村で探せ

生まれた村に帰りたい…と言うイブラヒム。

でもそれが不可能なことはわかっている。

帰りを待つ者もいれば、
僕の死を待つ者も。











…という今回。

なんだか胸が苦しい回でした。

クソ野郎イブラヒムの苦悩もわからんでもない。

でもだからって…さ。



婚約式も本格的に準備が始まるみたいやし。




で、ムスタファとマヒデブランのイブラヒムに寄せる信頼は、今のスレイマンには逆効果だよね。

ますます疑念が深まるだけ。


ファトマとフィダンの件は、普段なら大ごとなのに、婚約式とハティジェの騒ぎであっさりスルーなのね?




てか、マヒデブランがいちいち感に触るわ!