高級品

 

商品券を頂いた。

使い道は?

食料品や生活必需品よりも、

実用性のある物をと思い考えた。

 

文具に決めた!

 

万年筆は大げさだし…、

手帳系はかさばるし…Etc.、

最近、愛用のペンを無くして不便だったので、

シャーペンが良いだろうと思いついた。

 

早速、文具店へ向かい、

使いやすそうなものを、あれこれ品定めしていると…、

ケースに書いてある売り文句が、目に飛び込んできた!

 

″ 思考を止めない!″  抜群の書きやすさ。

  

…マジで!

思考を止めない!…って凄くない?

僕は釘付けになったのである。

 

果たしてどんな書き心地なのか?

試し書きをしたいが、ケースに納められて触れられない。

店員に聞いても、開封することは出来ないと言う。

 

値札を見ると…。

 

…うぅ…うっ……なかなかの金額!

使える商品券の枚数では、入手不可である。

 

…どうしよう…。

″ 思考を止めない!″

 

…どうする…。

″ 思考を止めない!″

 

…どうするべきか…。

″ 思考を止めない!″

   ″ 思考を止めない!″

      ″ 思考を止めない!″

 

一旦、トイレ休憩へ。

 

 

      ~

 

 

結局、

商品券+自腹で購入。

 

手にすると、

なかなかの重量感で、メタルの輝き。

指先にも馴染んでいるような。

そして、その書きやすさは…、

…普通…。

 

まぁ、いいでしょう、

何しろこのペンには、

″ 思考を止めない!″  力が備わっているのだから!

きっと、素晴らしいアイデアと、センスのいい言葉たちが、

次々と僕の頭の中から湧き出て来るのです!

 

…と信じて、椅子に座っていたのだが…。

 

      ~

 

…何も、出て来ないじゃん。

 

魔法のシャーペンを持っているのに!

思考を止めない!シャーペンだよ!

これでは、思考停止ではないか!

どういうことだ!

 

      ~

 

……。

 

…僕は、思い違いをしていたようでございます。

 

思考を止めない!というのは、

頭の中の働きであって、

シャーペンの性能ではないのだ。

 

思考が止まらない現象を起こすには、

自主的に考えて、問いかけて、自答することを、

繰り返す行為から、生まれるのである。

そのために、ペンを走らせるのだ!

 

自分の探しているものを、見つけだす為には

何度も答えを記したり、訂正したりの連続である。

シャーペンは、それを補うだけの道具。

つまり、

書いて書いて、書きまくっているときに、

その効果を発揮するのでございましょう。

 

どんなに高価な代物でも、

正しく使用しなければ、無意味。

道具は答えを出してはくれない。

先ずは、書き始めることが肝心なのである。

 

…これも思考の一部かもしれない。

      

     ☆

 

※ どこかに頭のよくなるノート、売ってないですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恩返し

 

近くの防火用水路の中に、

蛇がいた。

 

抜け出そうと必死に頭を伸ばしていたが、

深すぎて地面までは届かない。

 

そのままにしておくのも、なんなので。

網で救ってやることにした。

 

…よく見ると、毒蛇ではないか!

 

恐る恐る掬い上げて、

人気のない場所を探し、

川辺の草むらへ、逃がしてやった。

きっと農家の天敵、野ネズミを駆除してくれることであろう。

 

良いことをしたのか、悪いことをしたのか、

やや疑問だが、

お互い無事でよかった。

 

             ~

 

もしかしたら…、

 

ある日、きれいな女性が現れて、

わたくしは、あの時助けていただいた…です。

助けてもらったお礼に…。

なんてことになったりして…。

 

…俺って、つくづく幸せな男であります。

 

そんなのどかな日で、ありましたとさ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ます君 ハイ!

 

子供のころは本を読むのが、好きだった。

 

ほとんど漫画だったが、

図鑑や百科事典、

たまに児童文学を、挫折しながらも読んでいた。

 

その効果があったのか、

国語の授業は居眠りもせずに、

先生の話を聞く真面目な生徒だった……ような気がする…。

 

なかでも音読は、唯一好きな時間で、

絶対に読めない漢字もあったはずなのに、

つっかえたり、読み間違えることも少なくもなく…読んでいた。

…当てずっぽうだったけどね。

 

___そして、その当時を

___僕は覚えている。

 

あたらしい教材を学ぶときは、

生徒が起立して、その文章を音読していたことを…。

必ず、手を挙げて読み手に立候補するのが、

友人Y君だったことを…。

 

毎回、

先生が「 読みたい人 」と尋ねると、

Y君は、躊躇いもなく挙手をして席を立ち、

当たり前のように読み始めるのである。

 

クラスの友だちも、いつものことのように、

Y君が読み上げる物語を、静かに聞き入っていた。

 

だけど、

僕は…いつも思っていたのです。

 

僕も起立して読みたい…って。

 

でも、

声を上げる勇気がなかった。

 

もしも、あの時、

勇気を振り絞って「ハイ!」…と、手を挙げていたら、

僕の少年時代は変わっていたかもしれない…。

 

もしかしたら、

今の自分も、じゃない自分として生きていたかも…。

願わくば、すごい奴になっててほしい!

 

 

……まぁ、大差ないかァ…。

 

そんなことを思いながら、日々精進しているのであります。

 

新曲作ろ!

 

あなたの「ハイ!」はありました?