神様からの挑戦状
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初めての入院

私は生まれこの方入院したことはない。
私が生まれてから両親ともに入院したことはない。何だかんだと健康な家族であった。

父の入院は私たち家族には全く勝手がわからない。まず持ち物。パジャマや下着はどれくらい必要?お風呂って入れるの?疑問が沢山。病院から貰ったパンフレットを頼りに準備をした。

そしてドラマで良く見る光景。カンファレンスルールで主治医から病状や治療法の説明を受けた。

そこで驚いたのは、『万が一の事があった場合、家族として延命措置を希望するか希望しないかを決めて欲しい』と言われた事。最悪は植物状態になる事もあると告げられた。

私には弟が一人いる。母と私だけでは決められないので家族会議を開いて決める事を告げた。

それにしても酷な話しである。父の命を家族が決めるなんて。長生きして欲しい…意識がある状態で。植物状態で生きてて父は嬉しいのか、家族は経済的、精神的に辛くないのか真剣に考えさせる時間であった。

初めての入院の一日目はこうして終わった。

父は退屈そうで少し寂しそうだった。

脳梗塞発症?

脳梗塞を発症していたのかどうか定かでは無いが、7月23日は昼間に車を運転していた。

駐車場に停めた車は右側のドアミラーが破損し右側のドアに傷もついている。

病院へ行って待ち時間に父に聞いてみた。

『父さん…車を運転してぶつけた?』

『※△●★』

『忘れた?』

頷く父。頭の片隅に微かに残っている記憶を整理できない上に言葉にも出来ないらしい…

怖いのは人を巻き込んでいないか。人様を傷つけちゃいないか…って事。未だに警察や知らない人からの連絡はないからそろそろ車を修理しようと考えてディーラーに修理依頼をした。

振り返り…脳梗塞を起こして運転したと仮定して、車をちょっとぶつけただけで良く無事に帰ってきたと思う。それにきちんと車庫入れもしている。立派なものだ…本能!っと思った。

いざ病院へ

タクシーを呼び病院へ行く為に父を説得。

『最近…私体調が悪いから今から病院に一緒に行ってくれる?』

いくつになっても娘の私の心配をしてくれる父。すぐに着替えて外に出てくれた。ただ…この少しの時間でもいつもと様子が違う事がわかる。

還暦の祝いで家族みんなで贈った腕時計をしていない。いつもは外出する時に忘れないのに。

腕時計はそのままにして着の身着のままで病院へ。

夜間診療に行った事の無い私は驚いた。結構人がいるではないか。みんな大変だな…っと思いながら暫く待つ。待つ事1時間くらいかな…まだ私が診て貰うと思っている父。名前を呼ばれて私が立ち上がったら一緒に付いてきて、いかにも『付き添い』風な感じでいる。まだ自分の異変に気づいてないらしい。

『今日はどうされましたか?』

救命部の部長が父に聞いている。父は私の事を指差しているが今日の主役は父であることを父に伝える。

問診を行った結果、CT、血液検査、MRI、胸部レントゲン撮影を行う事になった。

全ての結果を見て下された診断は『脳梗塞による失語症』であった。