昭和56年に建った(登記された)家の耐震診断調査を行いました。
在来軸組構法2階建ての建物です。
この時期の建物には、和室の続き間と客間として使われていたであろう洋室があります。
和室の続き間を無くすことが出来なかったのは、まだ自宅での法事や親族の集まりがあったからでしょうね。
当然、プレカットなどありませんから大工さんの手刻みです。
この建物の棟梁は、若かったようですがキチンとしていたであろう事が分かります。
これは2階の小屋裏写真です。
タイコ梁を使っています。
2階が矩形なので、梁の掛け方もシンメトリーで綺麗で安定感があります。
基準桁の墨が分かりますね。
この墨入れをすることで、梁の曲がりに合わせた長さの違う小屋束を作ります。
簡単なようで難しそうですけどね。
桁の繋ぎ手は、追っかけ大栓継です。
内部の梁の継ぎ手は、腰掛かま継でした。
この時代の小屋裏に入ると、ほぼ100%ネズミ臭くなります。
写真の天井断熱材が荒れているのはネズミの仕業です。
今回は大分市での調査だったので、家に帰るまで臭いを我慢して、すぐに洗濯とシャワーを浴びました。
小屋裏に入って、昔の大工さんの仕事を見るのは楽しいですが、ネズミの臭いに慣れることは出来ません。
今日明日中には耐震診断報告書が完成するでしょう。