昭和55年に建てられた住宅の耐震診断調査に行きました。
建築基準法が昭和56年に改正されたので、旧耐震の終わらに建てられています。
この当時の基礎は、住宅金融公庫で建てていない限りほぼ無筋コンクリートの布基礎と束石です。
地盤改良等はしていないので地盤の悪い土地だと、不動沈下して基礎ひび割れがあったり束が下がったりしていますが、この建物は大丈夫でした。
小屋組は、梁材が多く使われていました。
母屋は水平で、梁は斜め、小屋束の長さで調整しています。
当時は当たり前なんでしょうけどね。
私の感覚では、材が小さいですが、梁材の曲がりを使うことでこれくらいの材でも下がらないと判断しているんでしょうね。
平屋の建物ですが小屋裏空間が広く、屋根からの熱を小屋裏空間が緩和してくれているでしょう。
部材を見ると、関係ない加工が施されているので、多分ですが、他の建物の材を使いまわしているようです。
昭和55年当時は、古材を使うことは普通だったんだと思います。
これも大工さんが造るからこそですね。
羽子板ボルトやカスガイも使っていますが、追掛け大栓継もあります。
前回調査に行った、昭和8年の家に比べると新しい建築材料を取り入れていますが、まだ大工の技術が残っていると感じました。