昭和8年の家の調査に行きました。
この建物が建っている土地の地下水位が低いのか、床下の湿気が無く、建物全体の状態はこれまで見てきた同時期の建物と比べると、とても良かったです。
まず床下がキレイ。
土壁も敷石までしっかり塗りこまれています。
小屋裏は屋根の土が落ちて砂だらけでしたが、桁は良い状態でした。
昔の碍子が良いですね。
現在のように羽子板ボルトなどありませんが、仕口がかみ合ってずれていません。
砂が掛かっていますが、横から見る桁の色合いも良いですね。
90年前に加工された材とは思えません。
畳を上げた時に、敷居の受け材を見ることが出来ました。
ちゃんとずれないようにしてますね。
この当時はこれが普通だったのか、それともこの建物を請けた棟梁が几帳面だったのか。
多分前者でしょうね。
現在で、ここまでやる大工さんがどれほど残っているのかな。
耐震性を数値化すると、現在の建物には劣りますが、実際に地震が来た時にどちらが残っているかと聞かれると、こういった建物なんじゃないかと思ってしまいますね。
良いものを見させて頂きました。