はじめに
生成AIの進化は、私たちの暮らしや働き方だけでなく、「学び方」そのものを根底から問い直しています。
これまでの偏差値や学歴中心の価値観は、AIに代替されるタスクが増える中で、すでに過去のものになりつつあります。
では、これからの時代に人間が持つべき“生き抜く力”とは何か。
──その答えのひとつが、創造力です。
AIによって「正解のある力」は代替される
ChatGPTをはじめとする生成AIの進化によって、これまで「安定」とされていた多くの職業構造が揺らぎ始めました。
事務職や分析業務、さらにはライティングやプログラミングなどの知的労働まで、すでにAIが代替可能な領域は広がっています。
この変化は、単に「職業がなくなる」という話にとどまりません。
教育、ビジネス、芸術、行政といったあらゆる分野で、“ゲームのルールそのもの”が書き換わっているのです。
教育の価値軸が「正解から創造へ」と変わる
とくに教育においては、これまでのような「正解を早く出す」能力よりも、
「そもそも問う」「考え直す」「新しく創る」力が求められています。
これは、
✔ クリティカル・シンキング(批判的思考)と
✔ クリエイティブ・シンキング(創造的思考)という、
これからの時代に欠かせない2つの軸として注目されています。
NASAの調査:創造力は、育つが、失われる
この“創造力”が、いかに人間に本来備わっていた力であるか──
その証拠となる研究があります。
NASAがかつて行った調査(ジョージ・ランド博士)では、
4歳児の98%が「創造の天才」であると評価された一方で、
25歳になるとその割合はわずか3%にまで低下したという結果が報告されています。
これは、子どもたちが本来もっている創造力が、教育や社会の中で失われてしまうことを意味しています。
つまり、「創造性」は特別な才能ではなく、環境によって保たれるか失われるかが決まる能力なのです。
「美意識」や創造力が、これからの価値を決める
独立研究者の山口周氏も、
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか』の中で、
「論理や数字だけでは導けない価値の創出には、創造力や美意識が必要だ」
と述べています。
これは、AIでは代替できない“人間性の力”への注目が、
すでに経済や経営の領域にも広がっていることを示しています。
VERIARTが目指す「創造力の育つ環境」
私たちVERIARTは、こうした時代の転換期において、
幼少期から創造力を育むための教育プログラムを提供しています。
自然とアートを融合させた体験型ワークショップは、
ただ「アートをする」だけではなく、
自分の問いを立て、創造を通じて表現する力を育てることを目的としています。
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何もない場所から創造する
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森の中で五感を使ってアートジャーを創作する
こうした「自ら創る」体験を通じて、子どもたちは創造のプロセスそのものを身体で学び、思考の筋力を鍛えていきます。
そしてその伴走には、アーティストは勿論、
親や地域の理解・共創が不可欠です。
創造は孤独な才能ではなく、共に育まれる環境から生まれます。
おわりに──創造し続ける力が、未来を拓く
創造力は、“未来の当たり前”をつくる力です。
AIが進化するからこそ、人間にしかできない「創る力」をもう一度取り戻す必要があります。
VERIARTは、その“原点”となる学びの場を、子どもたちと共につくっています。
生成AIの時代に問われる「人間の価値」とはなにか。
その答えのひとつが、「創造し続ける力」であると、私たちは信じています。
参考文献
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George Land & Beth Jarman (1992). Breakpoint and Beyond: Mastering the Future Today. HarperBusiness.
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George Land (1968). NASA Creativity Research(創造性テストによる年齢別創造力の変化)
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山口周(2017)『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか』光文社新書



