Q. 貧血を指摘されて、造血剤を処方されています。無痛分娩はできますか?



TOKYO産科麻酔チーム☆ダイアリー
ハート妊娠中の貧血についてハート


妊娠中は、全体的に血液量が増加します(→「妊婦さんの体の変化 」)。

このとき、赤血球の増加よりも血漿成分の増加の割合が高いので、血液は薄まります。


赤血球の中のヘモグロビンという成分が、酸素と結合することで体中に酸素を送っているのですが、このヘモグロビンの値で貧血かどうかの診断をします。


<ヘモグロビンの正常値>

男性 13.0~18.0g/dl

女性 12.0~16.0g/dl


妊娠中は、ヘモグロビンが11.0g/dl以下の場合を貧血と診断します。

妊婦さんの5人に1人が貧血になります。

貧血が高度になると胎児の成長に影響するため治療が必要になります。

妊婦さんの貧血の80~90%以上が鉄欠乏性貧血です。





?貧血が無痛分娩の禁忌になるか?ということについて?


無痛分娩を希望する産婦さんは基本的に無痛分娩の適応になりますが、いくつかの例外があります。

(くわしくはこちらのページをご覧ください→「硬膜外無痛分娩が禁忌となる場合があります 」)


この例外の中に、「貧血」という項目はありません。


血液の異常で硬膜外無痛分娩が受けられないのは、血液の凝固異常がある場合です。


凝固異常とは、たとえば血小板の数が少ない、とか抗凝固剤を服用している、といった場合です。

問診でもある程度わかりますし、血液検査でももちろんわかります。


また、大出血をしている場合、身体の中の血液量が減少している状態で硬膜外麻酔をかけることが危険であるということや、貧血にももちろんなっていますが、前述の凝固異常も起こしている可能性が高いため硬膜外麻酔が禁忌となります。(なんらかの原因で大出血している場合は帝王切開が選択される可能性が高く経膣分娩自体がないと思いますが、、、)



つまり。。。妊娠中の検査で指摘された貧血だけが原因で、無痛分娩ができないということはありませんニコ




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TOKYO産科麻酔チーム