これまでの


「無痛分娩」を受ける前に聞いておきたいこと  その1

「無痛分娩」を受ける前に聞いておきたいこと  その2

「無痛分娩」を受ける前に聞いておきたいこと  その3


をまずお読みくださいね。




「無痛分娩」という言葉 で書いたとおり、日本での「無痛分娩」や「和痛分娩」という言葉に医学用語としての厳密な定義はありません。


ですから、施設ごと、先生ごとで、「無痛分娩」と言ったり、「和痛分娩」と言ったり、そして同じ言葉でも実際の内容は全然違っていたりします。



よく妊婦さんの口コミ情報などでも、「あの病院は無痛ではなくて和痛だそうです」とか「あの病院は完全無痛分娩」とかありますね。


余談ですが、「完全無痛分娩」ってすごく強力な感じですよね。。すごい。。妊婦さんの希望が現れているというか。。。






今回はいくつか例を挙げてみます。



例1)A産婦人科病院 

ホームページに「無痛分娩対応」と書いてあります。

その病院には数人の産婦人科の先生が常勤でいます。担当する先生によっては無痛分娩をしない先生、もう少しで生まれるという時にどうしても耐えられなくなった希望者に硬膜外麻酔を一回注入法で行う先生、と担当医によって変わります。


例2)B産婦人科クリニック

ここは「和痛分娩」とホームページに書いてあります。

小さなクリニックで産婦人科の先生は基本的に院長先生一人、よそから非常勤の産婦人科の先生が週に何回か来ています。帝王切開などの手術のときにはこれも非常勤で麻酔科医がきますが、基本的に無痛分娩は担当していません。母親学級のときに「和痛分娩」についての話があり、希望者は事前にその説明を聞いておくことが必要です。

ここの「和痛分娩」は、自然に陣痛が来て入院してから、その院長先生が硬膜外カテーテルを入れて管理します。基本的に硬膜外麻酔は生まれるまで続けます。


例3)C病院 産婦人科

総合病院の産婦人科。総合病院なので麻酔科はありますが、「無痛分娩」に麻酔科医が対応できる曜日は決まっており、無痛分娩希望者はその曜日に合わせて「計画分娩」となり、硬膜外カテーテルを入れて無痛分娩を行います。その日よりも前に自然に陣痛が来たら、硬膜外麻酔での無痛分娩は受けられません。





TOKYO産科麻酔チーム☆ダイアリー



それぞれについて内容をみていきましょう。


例1)

まず「無痛分娩対応」としていますが、無痛分娩に対応できない先生もいるということ。

「麻酔法」は硬膜外麻酔の一回注入法です。

「無痛分娩を開始する時期」は、おそらく子宮口が全開大する前後。

「麻酔担当」は産婦人科の先生。

「麻酔が効いている時間」は20又は30分~長くて1時間前後。



例2)

「麻酔法」は硬膜外麻酔のカテーテルを入れる方法。

「無痛分娩を開始する時期」は自然に陣痛が来て入院してから。

「麻酔担当」は産婦人科の先生。

「麻酔が効いている時間」は基本的に赤ちゃんが生まれるまで。

「硬膜外カテーテルの入れ直しや麻酔のやり直し」は、先生が外来で忙しければすぐにはできない場合もありますが、基本的に可能。


例3)

「麻酔法」は、麻酔科医担当の日は硬膜外麻酔のカテーテルを入れる方法。

「無痛分娩を開始する時期」は、麻酔科医の担当日に計画分娩で陣痛促進剤を使用し陣痛がついてきたら開始。運よく麻酔科医担当日に自然に陣痛が来て入院したら、そのまま無痛分娩ができる可能性もある。逆に、計画分娩予定でもそれより前に自然に陣痛が来て、麻酔科医のいない日であれば硬膜外麻酔による無痛分娩は受けられない。

「麻酔担当」は麻酔科医のいる日は麻酔科医。

「麻酔が効いている時間」は赤ちゃんが生まれるまで。

「麻酔のやり直し」は麻酔科医がいる間は可能。



といった感じです。


この例1)~例3)までなら、あなたはどの施設を選びますか?







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TOKYO産科麻酔チーム