こんにちは。
今日は、ヨーロッパで無痛分娩が広まるきっかけを作った女王陛下のことをご紹介しますね。
ちょうど昨年末から公開されていた映画です。
私は残念ながら映画館には観に行けなかったので、DVDが出たら観たいなと思っています。
この予告編を観て、かなり期待度がupしました
アカデミー賞にもノミネートされてますね。
「日の沈まない国」大英帝国を築いたこのヴィクトリア女王が、実は初めて無痛分娩で出産した女王なのです。
(→「無痛分娩の歴史的背景」 )
1837年18才で即位したヴィクトリアは、1840年ドイツ人の従兄であるアルバート公と結婚し、四男五女を儲けています。
無痛分娩で生まれたのは、八番目の子、四男のレオポルド・ジョージ・ダンカン・アルバート(のちのオールバニ公)です。
1853年のことでした。
ジョン・スノウというイギリス人の麻酔科医によってクロロホルム麻酔で行われました。
世界で初めて無痛分娩が行われたのが1847年のことですから、そして、キリスト教の教えの影響もあり社会的にはまだ認知されていない時代でしたから、反対も相当なものではなかったかと思います。。
結果的には女王の無痛分娩での出産を契機に、英国国教会が正式に無痛分娩を認め、その後、無痛分娩が広まっていくきっかけになりました。
この時使用されたクロロホルム、現在は麻酔薬としては使用されていません。
発がん性、肝臓障害、そして何より効果が一定ではなく、吐き気やめまいといった副作用が非常に強いためです。おそらくヴィクトリア女王も朦朧とした意識の中での出産となったのではないでしょうか。
今の無痛分娩の主流の硬膜外麻酔による無痛分娩 は、安全性も確立しており、効果も確実なので、
女王陛下もうらやむ無痛分娩です。
ヴィクトリア女王については、興味深いお話が他にもたくさんありました。
つづく
TTOA ranran
TOKYO産科麻酔チーム