第二葛西小学校の不適切工事(コア抜き)を追う! Vol3 | 江戸川区議会議員 桝秀行のブログ

皆様こんにちは。江戸川区議会議員のます秀行です。


昨日の事ですが、スリーブ設置工事を勉強するため都内にある建築工事中の某マンションを訪問しました。もちろん無断ではなく、設計監督者、設備業者の方の案内によるものです。

学んだ記録としてここに残しておきます。


まずは、鉄筋を組んでいる状態を見る事が出来ました。この写真は梁を上から見たもので、中央にボイドと呼ばれる二本の段ボール状の筒が入っているのが分かります。ここにコンクリートを流し込む訳ですね。左右に何本も伸びている太い鉄筋が主筋と呼ばれる重要なもので、縦に等間隔で入っているものがスターラップと呼ばれる主筋を支える鉄筋です。

第二葛西小学校の不適切工事(コア抜き)を追う! Vol2  詳しくは専門家の見解を)


また、写真では分かりにくいのですが、ボイドを通す際にどうしてもスターラップをずらさなければならず、その際には補強筋が使用されいます。

こちらが補強筋だそうです。手前から奥にかけてボイドを入れる訳ですね。これによってスターラップが抜けた箇所の補強になるという仕組みです。

主筋やスターラップの感覚については、人の感覚で決めるのではなく建築基準法によって定められているそうです。通常は15~20㎝との事ですが、より強固な建物の場合には10㎝間隔でも配筋される事もあるとか。

しかしこの上下の写真を見る通りかなり狭い間隔で鉄筋が組まれているため、区役所の答弁にあるような『調整』するためにスリーブを広げる作業をしては鉄筋を切断してしまう恐れがあります。

こちらは床のスリーブ設置工事の様子です。写真にある径が大きい方のボイドは鉄筋に触れそうなほどギリギリに入っています。もしもコンクリートを流し込んだ後に、この穴を広げる事を考えてみれば、相当高い確率で鉄筋を切断してしまう事が分かります。

こちらは完成したスリーブです。中に塩化ビニール製のパイプが入っています。

コア抜き工事とは、この穴を開け忘れた場合などに後からこれと同じような穴を開ける工事です。コンクリートが打たれた後では、どこにどのように鉄筋が入っているか分からない為、図面による確認やレントゲン撮影、そして監理者の許可など大変な手続きを経なければならないとてもデリケートな工事なのです。

今回の見学によって、スリーブ設置工事に対して理解が深まりました。しかし理解が進むと同時にコア抜き工事の怖さも思い知らされました。区役所による第二葛西小学校への調査は現在も続き、2,684箇所の穴という穴、全てを確認しているようです。徹底した調査の為、まだまだ時間が掛りそうですが、結果を待つしかありませんね。