私はアリのトム。
女王アリのローランド率いる第二部隊に所属しています。歳は2歳、まだまだ駆け出しの兵隊アリです。
あ、ちょっとお待ち下さい!エサを見付けましたので、捕獲に向かいます。
人間が、叩き落とした蚊です。これなら独りで巣まで運べそうです。
自己紹介の続きは後ほどにということで…。
一旦巣に戻ります。雲行きも何だか怪しくなってきました。長老の天気予報では、今日は晴れの予報だったのに…
この蚊は、予備の食糧として食糧倉庫に保管します。今の夏の暑い時期に食糧を貯め込まないと、秋~冬は乗り切れません。
あと、80m程歩けば巣に到着です。
巣には各要所に、担当者がいます。 そこまで運べば役目は完了します。
今回は食糧倉庫の担当者タイラーに餌を引き渡します。今回の蚊で獲得できるポイントは、せいぜい2Pがいいところだろうか…このポイント総数により昇進のスピードが変わるのです。私達兵隊アリは、正直な所、ポイントが命、出世に関わります。
巣です。着きました。
仲間アリにぶつからないように進まないと…穴道は常に大混雑です。タイラーがいました。早速捕獲した餌を計ってもらいます。やはり2ポイントですか…仕方ないですね。これで今月は累計12ポイント、ノルマ達成にはまだまだ先は長いです。
さて、自己紹介の続きですが、私の女王管轄部隊は、第一部隊~第七部隊で編成され、数字が大きくなればなるほど、位が上がります。すなわち、第七部隊が皆が目指す女王側近部隊であり、エリートの集まりとなっています。私も早く少しでも上位部隊に昇進したいのですが、これが中々…。
部隊が上がれば上がるほど、特殊な訓練を受ける事が出来、身体能力も向上し、捕獲のスキルも上がると言われています。巣の奥深くでは、部隊ごとの基地、宿舎が確保され、これも同じく部隊の数字が大きくなればなるほど、穴の深部に入って行く事が可能となり、最奥深部に女王の部屋があるという噂です。私はもちろんまだ第二部隊の身、女王に謁見出来るのは第七部隊のみ。女王の姿も噂レベルでしか聞いた事がありません。私達兵隊は、第七部隊入隊、しいては女王謁見の為に日々働きながら、成果を求めているとも言えます。さて、その成果ですが、簡潔にゆえば、捕獲した餌の重量で全てが決まります。評価対象は捕食できる餌に限りますが。
少しお喋りが過ぎました…足を休めすぎるとあっという間に仲間に追い越されて、置いてきぼりです。今日はメタル池の近くまで、探検しよう。。。
沼地には思わぬお宝が転がっている時があります。と同時に、強敵の現れる最も危険なエリアの一つでもあります。私はまだ第二部隊。まだまだ戦える能力は低いものです。集団戦闘という戦術も知りません…第七部隊の戦い方は、個人、集団をとってみても洗練された戦闘能力を持っていると聞きます。これもまた噂レベルですが…
それではメタル池まで少し歩きます。空はまだ曇ったままで、太陽は何処かに雲隠れしたようです。
お話は次章に続きます……