福岡県選抜大会が終わった。
本格的に関わったのは県大会が終わってから、わずか3週間。
実質10日程の練習期間だったが、全力でバスケに向き合い、全力で大会に臨んだ早良区選抜。
短かったが最高の思い出になった。
選抜大会の捉え方、活動方針は地区によって様々だと思う。
それはそれで僕がとやかく言うことではないが、僕が選抜監督としてチームに求めたもの、それは「上手さ」や「楽しさ」ではなく、「厳しさ」と「強さ」だった。
各チームを代表する選手が選ばれ、その地区の選抜チームとして大会の舞台に立つ。
その意味を安易に捉えてほしくなかったからだ。
ちょっと運動能力やバスケットスキルに秀でているというだけで代表に選出され、お祭りのような大会で上手い奴らと楽しくバスケットができる。
僕はそんなことにまったく価値を感じない。
そんな時間があるなら自チームで次の大会に向けて全力練習した方がいい。
この代表の舞台には誰もが立ちたいのだ。
それを押しのけてこの舞台に立つ限られた連中がただ楽しいだけでいいはずがない。
普段より厳しい環境で自分を磨く経験をするべきだ。
そしてその経験をチームに持ち帰ってチームを活性化する。
だからこそ意味がある。
それはプレイの面だけではない。
そこに臨む姿勢・態度も含めてのことである。
僕は最初に子供たちと保護者全員に「選手の5段階評価」というものを書いて渡した。
それは以下の内容だ。
【選手の5段階評価】
1、人間性
・礼儀:あいさつ、返事、態度全般
・感謝:自分の成長のためにやらせてもらっている意識
・思いやり:人の気持ちを理解する
2、自己管理
・健康管理:病気、ケガをしないための日ごろの生活と心掛け
・持ち物管理:忘れ物、整理整頓、汚れ、破損
3、練習における態度、行動
・素直さ:人の話しを素直に聞く
・理解力:ちゃんと理解する、わからなければ聞く
・真面目さ:正しく実践、行動する
・継続:忘れずにやり続ける
4、試合で結果を出す
・目標に向かう執着心:戦いに臨む強い意志
・勇気:怖れに立ち向かう強い心
・逆境に立ち向かう強さ:苦しい時ほど頑張れる
・粘り強さ:最後まで諦めない
5、人(チーム)に良い影響を与える
・話す能力:常に仲間に声を掛ける
・ポジティブさ:前向きでいつも明るい
・気持ちの切り替え:いつまでもくよくよしない
・気がきく:細かいところに気が回る
1、2、は人としての基本でバスケ以前の問題。
3、ができて普通、4、ができれば優秀、5、に至れば一流だと伝え、選手たちにはこう話した。
「ミニバスの目的はバスケが上手くなることではない。バスケを頑張ることを通して人として成長することだ。そしてこの選抜チームには各チームで一番その努力ができる選手が来ているはずだ。これからの活動において、その自覚がないと判断した選手は即刻選抜メンバーから外れてもらう!いいな。」
その話から始まった今年の早良区選抜の短くも熱い3週間が始まった。
つづく