家族旅行の帰り道、子どもの寝顔を見て思ったことを書きます。
私には娘と息子がいます。
妻にもたくさんの感謝の言葉が浮かんできますが、
今日は子ども達についてだけ。

娘は先日、通っているスイミングスクールの検定に受かりました。
それまでは、いつも追試、追試で合格して、
ついにはあとから通い始めた同級生のほとんどに
進級を追い抜かれてしまっていたようです。
今回ばかりは、と思ったのか、
その前日に競泳が練習できるプールに一緒に行ったとき、
「パパ、私の泳ぎを見て。」
といいました。
自分の泳ぎの良くないところを指摘ほしかったようです。

自慢するほどではありませんが、
(子どもには自慢していますが)
私自身、小学生の頃、
市内大会の自由形リレーで銀メダルを獲得したことがあります。
残念ながら校内で3番手であったため、
個人戦には出られませんでしたが、
中学生になると、部活動(サッカー)のおかげか、
スタミナがついて、クロールでは学年で1番でした。

娘の泳ぎを見て、
自由形のときの手のかきかたと、
平泳ぎの手、それと手足の伸身のバランスをアドバイスしました。
その後の検定合格ですから、
私の喜びも倍です。
検定合格がうれしい娘の言葉が止まりません。
「ハイ、ハイ。」
そのうち弟にも余計なことを言うので、妻に
「いい加減にしなさい。」
といわれる始末です。

子ども達には、「一意専心」と伝えようと思います。
これは花田勝氏が大関か横綱に昇進する際、
相撲協会の使者に伝えた言葉です。
「1つのことを一生懸命に努力する。」ということです。
先日のオリンピックの水泳・平泳ぎで活躍した北島選手の座右の銘とか。
ちょうど日数教の研究会に出ていたとき聞いたので、
「そうだ、そうだよなあ。」
と心に書き留めた言葉です。

息子は息子で、
私がそうであったように、
いまはサッカーに夢中です。
私も、「将来はJリーガーに」と勝手に夢を押しつけていますが、
そうなることは、確率的に難しいことは存じてますので、
とりあえずは、
「サッカーをすることで世界をひろげてほしい。」
と願っています。

ただ一つだけ、これだけは彼のカラダに染みつけておこう、
と思うことがあります。
それはキックです。
サッカーでいうところのインステップキック。
実は、「サッカーの入門書のキックの解説は非現実的」
という指摘を聞いたことがありました。
実際に、私も右足のキックはけっこう自信がある方なので、
自分の蹴り方を見直して、球筋を見ると、
「確かに、入門書のキックは不合理だ。」
と思うことに至りました。ですから息子には、
自分が正しいと思うキックを教えました。
その甲斐あってか、園児のわりには強烈なキックが蹴れます。
幼稚園の保母さんも、息子のキックにはビックリだとか。
(親バカですいません。)

娘の水泳、息子のサッカーと、
かつて自分が夢中になったというか、
専心したものに子ども達も夢中となっている現在に、
ある運命を感じます。
私自身も、授業そっちのけで
部活動(サッカー)の指導に夢中になった時期がありましたが、
実は、すでに他界してうる私の父も、
地域のスポーツ指導員として、
少年野球や社会人ソフトボールの普及に努めたとか。
家業の1つである稲作の仕事もほどほどに、
毎週末スポーツ振興に出かける父の後ろ姿を見て、
母は怒髪天だったとか)`ε´( 。
父が亡くなった直後、涙混じりに母はその話をしました。

野球がサッカーや水泳に変わりましたが、
スポーツを愛する心は確実に、
血筋に継承されていっているようです。
いつかTVのCMでも流れていましたが、
「スポーツには力がある。」
と私も思います。
夕方や夜のニュースでも、
天気予報の前に、必ず「スポーツニュース・コーナー」はあります。

残念ながら、私自身は高校生当時、
それほど自分のサッカーの技量に自信が持てなかったので、
専心するものを「数学」に変えました。
もしかしたら娘や息子にもそういう転機はあるかもしれません。

それでも(強化指定選手やJリーガーになれなくても)、
自分が打ち込んで身につけた技や心を、
次の世代に伝えてくれる指導者に、
娘や息子がなってくれたらなあ、と思います。

周りを見回せば(特にサッカーでは)、
精神論ばかりで技術をしっかりと教えられる指導者が少ないように思います。
これだけ日本のサッカー環境が整っても、
オリンピックで男子代表が活躍できないのは、
旧来の指導者だけでなく、
日本サッカー協会が作っているというカリキュラムにも問題がある、
つまりちゃんと先進の指導者も育てられていない、
その証左ではないかと思います。
(某有名大学に偏った首脳陣と噂を聞きます。
 旧来の先輩後輩の関係で、
 まちがったことを指摘できないのではないでしょうか?)

本質を捉え、それを次世代にきちんと伝えられる人材に。
親バカですかね?
長い人類の繁栄の営みの1つを担う。
そういう大局観に揺られた家族旅行の帰り道でした。