お盆となって、田舎(実家)に線香を上げにいった。
田舎の思い出と言ったら、貧しいとか何もないとか、
幼い頃の切ない思い出しかない。
しかしながら、先日、テレビを見ていたら、
演歌歌手のNさんとか種子島出身のグラビア・アイドルさんとかは、
もっと壮絶な生活を送っていたので、
(まして自分はその苦しい家計を省みず、
 東京の私立大学に 行かせてもらったんだから)
自分は豊かな生活を送らせてもらっていたんだな、
とあらためて思い返していた。

田園に囲まれた我が生家。
田んぼの稲には穂が付き始めている。
「今年は豊作か?」
と兄に聞くと、
「台風が来る頃になってみないとわからん。」
と言われた。
そうだ、まだ心配は尽きないのっだけ。

実家は屋敷森に囲まれている。
それほどたいそうな木々ではないが、
田んぼの真ん中にある家を、強い風から守っている。
その屋敷森に、カブトムシが集まる木が1本ある。
昨年教えてもらった。
実家につくなり息子は、
「カブトムシがいるかどうか見てみよう」
といって、祖母への挨拶もせずに、
その木に向かって走っていってしまった。
追いつくと、その木には5~6匹のカブトムシがとまっていた。
「いっぱいいる!」

樹の樹液を吸っている、カブトムシの雄と雌。
雌は1匹。
雄は5匹。
つがいのカブトムシが樹液を吸っていると、
他のカブトムシがその場所へ寄ってきた。
戦いがはじまった。
角と角を交える。
角を相手の下側に潜り込ませ、スープレックス(@ ̄Д ̄@;)
樹の根元へ振り落とされる敗者。
「すげぇ。戦ってる!」

そういえば、昔もこの屋敷森で、
カブトムシ・クワガタの採集は済んだ。
あらためて豊かな土地であることに気がついた。
それからあの頃は、
無理矢理、カブトやクワガタの尻を叩いて戦わせていた。
そういえば、そんなにのその戦闘は盛り上がらなかった気がする。

目の前では、カブトムシの真剣勝負(ガチンコ勝負)が
繰り広げられている。それはバトルロイヤルの様相を表している。
根元に振り落とされた敗者も、また這い上がり、
再戦を挑んでいる。
カラダの小さなものが勝つこともあった。
いくつの戦いが繰り広げられたか。
私と息子は、固唾をのんで、その攻防をずっと見ていた。
一度、根元へ落とされた、
一番カラダの大きなカブトムシが最終的には、
樹液の出る場所に、雌とマンツーマンで残った。
戦いは終わり、勝負は決したようだ。
樹液を落ち着いて飲む、つがいのカブトムシ。

すると、雄のカブトムシが雌の背後に回った。
「まさか。」
そう、交尾をはじめたのである。
「こんな昼間から。」
まあ、カブトムシには昼夜は関係ない。
さて、カブトムシの男根はどこにあるのか?
「出てきた!」
なんと、雄の男根は下腹部から出てくるのである(@ ̄Д ̄@;)
息子は、雌雄が戦っている、
雌が一方的に押さえ込まれ、負けていると思っているし、
そう言っている。
父は、何も言わなかった。
先ほどのバトルロイヤルと同じくらいの時間、
繰り広げられる、カブトムシの昼下がりの情事。
AVでも見てるかのようだ(@ ̄Д ̄@;)

「さあ、おばあちゃんに挨拶をしに行こう。」
ガチンコ・ムシキングと、王者ムシキングの勝利の雄叫びを見た。
田舎って、素晴らしい。