最近は数学の話題でなく、
「世間」や「教育一般」のコラムばかりになっているので、
今回はこのブログの主旨である、数学の授業について。

現在は補習中です。
守秘義務が発生するので報告は難しいですが、
まあ簡単に言うと、
1学期の数学の成績が芳しくない生徒を呼んで数日、
数学の授業をします。
心掛けたのは、「怒らないこと」。
ただでさえ学校へ呼び出しで凹んでいる彼ら。
またほんの数日、数時間ずつ補習したところで、
何か劇的に成績が上向くなんてことがあるだろうか?

7月の頭から、移動教室「登山」の準備と平行して、
ずっとこの補習が実のあるものとなるように考えていた。
どんな教材を用意し、どう伝えれば、
彼らの学習観が変わり、自発的に勉強するようになるのか?

「勉強は、自分でするのもの。自分のために。」
教室いっぱいに入った生徒にまず言ったことはこれです。
計算プリントを配布しました。
「途中の計算は必ず書こう。間違えた問題は解き直そう。」

数学の勉強をしたことをある人なら当然だと思うことですが、
受験塾や過保護な親に手厚くされてきた生徒はこれが出来ません。
またいくつの塾では、
知識・技術を消費するように大量の計算プリントを配り、
計算を間違えても、「どこをどのように間違えたか」なんてことを反省させず、
計算ミスが減るまでまた別のプリント配り続けるとか。
とにかくプリントやらせ、その提出の報告を母親にさせる。
そういう相互通信で、保護者の不安を解消する、とか。

私はまったく逆の手法をとりました。
学校にいる時間に、出来るだけのことをする。
計算、自己採点、解き直し。
そのプリントは回収しました。
こちらの意図したことが出来ているかどうかを確認するために。
彼らには、同じプリントと解答例を配って、
「復習するように」と伝えました。
翌日の最初は、まずそのプリントから同一の計算問題のミニテスト。

彼のレディネスが出来てきたようです。
彼の学習観が変わってきたようです。
これがチャンスか。