いま、テレビのニュースで大分県の教員採用試験の
不正についての報道がさかんにされている。
しかしながら、収賄があるかどうかは別にして、
いわゆる「口利き」なんてことは、むしろ常識だったのでは?
と個人的には思っています。
もちろん、それがいいか、と聞かれれば、
それは良くない、と答えます。
だって私が地元に戻らず、
地方都市の私学に勤務することを決めたのは、
やはり「口利き」の話を聞いたからでした。

1994年頃、都道府県などの教員採用数(中学・高校)は極端に少なく、
本当に「狭き門」でした。
私個人的も、試験の準備が間に合わず、
「こりゃ、無理だ。」と諦めムードでしたが、
同じ大学の友人のAくんは、同郷で、ばったり試験会場で会いました。
優秀なAくんは、1次試験は合格し、2次試験で不合格でした。
私は早々と進路変更(大学院進学)を決め、「2年後」を目指しました。
Aくんは、翌年も1次試験をパスしましたが、やはり2次試験でダメでした。
Aくんは優秀な学生だったので、私に1年遅れることになりますが、
「もう少し勉強しよう」とやはり大学院に遅れて入学してきました。
その後は私も忙しくなって、現在に至るので、
その後のAくんの活躍は知りませんが、
あれだけ優秀で堅実なAくんですから、
どこかの学校で活躍していることでしょう。
このAくんが不採用になった試験で、
同郷で別の大学に進学したBくんが合格した、と風の噂で聞きました。
「えっ、マジで」
「募集人数、若干名」のところを、Aくんを差し置いてB?
失礼ながら、高校時代のBくんの学力レベルからして、
Aくんのテストをの点数を上回っているとは思えませんでした。
Bくんに親しい友人に話を聞いてみると、
「ああ、Bくんの両親は教員で、お父さんは有力な人らしいよ。」

ええっ~。
そんなんで教員採用って決まるのか?
世襲制じゃん、そうしたら。
「若干名採用の枠」なんて、ほとんど埋まってしまうじゃん!
当時、大学の研究室の教授や
リフレッシュで研修室に在籍していた社会人(教員)の方に、
この話をしたら、
「まあ、そういうのはあるよ。コネか、金か。
 持っている人は強いよね。」
まあ、とはいう私も、
田舎の地縁社会で育ってきましたから、
この手のことに免疫がないわけではありません。
自分の近くで目の当たりにしたので大騒ぎしたのであって、
すぐに
「ああ、そういうものか」
と割り切ることができました。
逆にこれで、
「母さん、ごめん。俺、もう、田舎には戻らない。
 こんな俺でもを採用してくれる私学があったら、
 そこに行くよ。」
もとより、末っ子のため、親から相続する土地もありません。
「まあ、勝手にしい。
 おまえが東京の大学に行ったときから、
 こっちで就職するのは諦めていた」と母親。

学歴社会が批判されることが多々あります。
うちの学校でも、やはり出身校には偏りがあり、
そういわれれば、カラーはあるかも。
でも派閥はないし、
「我関せず、我が道を行く」先生が多く、気楽な感じです。

私は田舎の地縁社会がイヤで都会に出たところがあります。
○員や警○官などの公○員など、一般の方からすると、
「良識ある方々」ほど、じつは縁故や縄○りを気にするという、
逆説的な話を聞いたことがあります。

縁故社会だったら、学歴社会のほうが実力が反映されるので、
「まだマシ」と思うのは私ぐらいでしょうか?