今日はクラブ活動の引率で、近所の公立中学校に行った。
試合の合間にトイレに行く途中で、テニスコートが見えた。
テニスコートでは、女子テニス部が軟式テニスをしていた。

(そういえば、軟式テニスって日本オリジナルのスポーツなんだよなあ。
 確か軟式野球もそう。
 体格と栄養に恵まれなかった日本人が考え出したスポーツと聞いたことがある。)

怖そうな男性・女性の顧問の先生の見守る中、
水道のそばでは、
水を掛け合って体操服を濡らしあう女子部員が3人くらいいた。

そういえば、ひとつもうまくならなかったけど、
中学校のクラブ活動は楽しかったなぁ、こういうことが。

昔、私が中学生のころ、
練習の合間の休憩で、水を飲みに行くと、
昔のテレビ「どっきりカメラ」であったような仕掛けがあって、
うっかり油断して水を飲みに行くと、
バケツで頭から水をかけられたり、
蛇口に仕掛けがあって、いきなり大量の水が飛び出したり。
まちがって、女子がその被害にあって泣き出したり。
それでまた、濡れた体操服に透けた下着が淫靡で、
子ども心に「ドキッ」として、
「ああ、いかん、いかん。」と思った中学生の頃であった。

私の実家は農村にある。
その農村は大きな河川のそばにあるので、
夕方になると、たびたび夕立がきた。
夕立が来たら部活動は中断(中止)。
かみなり雲が近づくと、
職員室から先生が、
「教室に入れ!」と叫んで、
雨と雷が過ぎゆくのをやり過ごしたものだった。

教室の窓から見る雷雲や稲光は、けっこう美しく、
またその後の雨上がりの夕焼けはキレイだった。
教室で僕たちサッカー部や野球部、テニス部が
にぎやかに過ごしていると、練習を続けてもいいはずの
女子バレー部やバスケ部も教室に来て、
雷の光るのや、光ってから何秒で雷鳴が聞こえるか、
数えていたりした。
一緒に数えていた数人の中にちょっと気になる女子がいたりして、
夕立で教室に避難する、
というこの避難訓練は、けっこう良い思い出としてメモリーされている。

ちょっと成績が良いせいで、
先生に気に入られたせいか、ちょっと目立っていたので、
ガラの悪い先輩に絡まれたり、殴られたりしたこともあって、
思い出したくないことも、忘れたいこともいくつもあるが、
やはり中学校は楽しかった、
ということを最近思い出し続けている。

新聞では、「中1ギャップ」が問題だ、といった論調の記事が目立つが、
子どもが成長していく際に、逆にギャップが必要なのではないか、
と最近、思っている。

トイレから戻ると、隣の中学校の気さくな顧問の先生が、
「♪おとなの階段のぼ~る、君はまだ,…♪。
 子どもの成長は1つずつだよねえ、ロベルトさん?」
と言っていた。
「そうですね」
とわかったように返事をしておいた。
(たしかあの曲は、「思い出がいっぱい」という題では?)

いつか誰かが通った道をまたとおって、子どもはおとなになっていく。
そんなに急ぐこともないなあ、
と不出来なうちのクラスの「文字と式」のテストを思い出して、そう思った。