いよいよ授業が始まった。

今年は中学1年生と高校3年生に数学を教える。

話し方はまったく違うが、伝えることはほとんど同じである。

「これが数学。」ということである。


多くの私立校がそうだと聞いているが、

本校の中学では、数学を「代数」と「幾何」の2分野に分けて授業をしている。

教科担当はそれぞれ異なる。

高校も同じように、2つにか分けて、異なる担当者が異なる単元を教えている。


中1の代数が始まった。

「0,1,2…」という数がある。これはどんな決まりか。

そうなると、数直線上で「0より1小さい数」、そんな数が考えられる。これが-1。

拡がる数の世界。

これ以上は説明ができない「数」があって、それが0と1。

ここから始めて、ちょっと絶対値とか、面倒くさいこともあるけど、

理論的に無理なく数学が積み上げられていく。


うちで使っている教科書は、まあまあ気が利いている。

最初の導入は、このカラフルな「市販教科書」で行っているが、

それ以後は、学校オリジナルのテキストで、「代数」も「幾何」も教えていく。


「点」があって、点が動いて線が出来る。

図形は固いもので出来た感じで、これは形を変えずに移動できる。

フムフム、どこかで聞いた話だ。

「円周を単に円ともいう」

おお、そういえば東大入試では、剛体「円」を出題するときは、

「円盤」とたしかな剛体の名前で出題しているなあ。

最初、「円盤」と表すことに抵抗はなかったのだろうか?


直感的な事柄から積み上がれていく数学の世界の、いかに素敵なことか。

中学から高校で教えてる数学なんて、せいぜい18世紀までの事柄。

(なのに、なぜ人間はこれほど数学に苦しむのか。)


その深淵な世界に、これから一緒に入っていく感じの日々です。