※u-17には参加していない設定です。すみません
11月ももう終わる。
どっか北の方では雪も降り始めてるって聞いた。寒い。
そんな事を思いながら青学の副部長大石秀一郎は、日直の仕事をするために朝早くから家を出た。この時期ともなると3年生である大石が部活に参加することは殆どなくなってしまう。更に大石は青学の高等部ではなく外部に進学する予定なので周りよりも勉学に集中しなくてはならないのだ。
誕生日に恋人から貰った単語帳に書いた単語を読みながら毎日登校している。その為か少し折れたり汚れてしまった。それを見て何だか少し恥ずかしくも感じてしまう。だが、大切な物だからなかなか手放す事も出来ず常に持ち歩いているのだ。
いつも通りその単語帳を読みながら歩いていると、ふと目の前をよく知った人物が歩いていた。大石は目を擦り幻覚ではない事を確認するとその人物に声をかけた。
「手塚!」
声をかけると共に相手の傍に駆け寄る。すると手塚は振り返り驚いたように目を見開くとまたいつものポーカーフェイスに戻る。
「おはよう!」
いつも通りの快活な笑顔で手塚に挨拶をする。朝から手塚に会える事は早々ないのだ。手塚は何だかんだ大石よりも遅い時間に登校するため(大石が早すぎる)なかなか朝から会うという事はないのだ。
「ああ、おはよう」
手塚は頷くと挨拶を返した。手塚としても朝から大石に会えたということが少し驚きの事のようだ。実は手塚と大石は1年の夏から付き合い始めた恋人歴2年のカップルなのだ。しかしそれを知っているのは乾と不二だけで、後は知らないし広めるつもりもないのできっと皆知らないまま過ごしていくのだろう。
「今日も寒いな!」
そう言って大石は相手の様子を伺った。すると手塚が珍しくコートのポケットに両手を突っ込んでいることに気がついた。無言で頷く手塚に大石は相当寒いのかと思いながら鞄からマフラーを取り出した。そして、
「…これ、手塚にあげるよ!」
と、手塚に差し出す。手塚は一瞬目を見開き、またポーカーフェイスに戻ると首を傾げながら大石に尋ねる。
「それはお前のものだろう?お前が使え」
すると大石は首を振り少し俯きながら答える。
「あ、えーっと、その…これプレゼントなんだ。手塚に…」
おかしな大石の様子に手塚はまた首を傾げながら尋ねる。
「プレゼント…?誕生日にはお前から貰ったし、どういう事だ?」
手塚からの質問に俯いたまま、大石は答える。
「えっと、今年も寒くなるかなって11月の始めから作り始めてたんだけど…その、結構上手く出来たからもし手塚が寒そうなら手塚に渡したいなってずっと鞄にしまってたんだ…」
顔が相当赤いのか耳まで赤く染まっている大石を見ながら手塚は答える。
「そうか。ならば受け取ろう…しかし」
手塚の言葉に少し気が抜けた大石の顔を自分の方に向けた手塚が薄く笑いながら軽く唇を重ねると
「お前の顔を見ながら受取りたい。ありがとう大石」
そう言い放って、大石の手からマフラーを取る。突然の事過ぎて動きが静止した大石はすぐに復活して、元々赤かった顔を更に赤くし、両手で覆い隠した。
「…ばか。ここは外だぞ。誰かに見られたらどうするんだばか」
両手で顔を隠しながら悪態を吐く大石を見ながら手塚はマフラーを巻く。そして、大石を軽く抱きしめながら
「大丈夫、早すぎて誰もいない。冬の朝は人が居なくて寂しいからな」
そう答える。抱きしめられた大石は思わず顔から両手を離し手塚を押そうとするが手塚の口から寂しいと聞こえたので抵抗を諦めて
「…そうだなぁ。でも、人が居なかったら手塚を見つけやすくていいな」
と答える。嬉しい気持ちを堪えながら手塚は大石を放して大石に尋ねる。
「似合っているか?」
大石は突拍子もない質問にクスッと笑いながらも答える。
「俺の好きな色で作ったけど手塚には白がよく似合うな」
「…そうか。しかし、よくできているな」
自分の首に巻いたマフラーを見ながら手塚は大石に答える。余程気に入ったのか心なしか嬉しそうだ。大石は少し照れながら答える。
「ありがとう、手塚。気に入ってくれたみたいで嬉しいよ」
照れている大石が可愛らしくて大石の頭を撫でながら手塚は答える。
「こちらこそありがとう。大事にする」
大事にすると言われた大石は少し嬉しくてでも気恥ずかしくてなんともいえない表情を浮かべた。すると、自分が何故早く家を出たか思い出した。
「日直…!」
「日直?」
手塚が首を傾げながら大石に尋ねると大石は
「今日は日直だから早く登校したんだった…ごめんな、手塚!先に行くよ!」
と答えるやいなや、走って行ってしまった。手塚はそんな大石を見送ると歩き始めた。そして、大石の作ってくれたマフラーに顔を埋めると
「大石に見つけてもらえるから冬も悪くないな」
そう呟いた。
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お久しぶりです(*゚▽゚*)
塚石がマイブームですです!
冬だしマフラーネタやりたいという浅はかな考えから書いてみました。
私も大石くんからマフラー貰いたい。
ありがとうございました!