仁王くん
もう一度ダブルスをしてください
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あの日から学校には行っていない。
柳生と遭遇したあの日から。
柳生、俺のことカッコ悪いとか思っとるだろうか。
「柳生…」
「なんですか?仁王くん」
柳生の名前を呼ぶと返事が聞こえた。驚いて声の聞こえた方向を向くと柳生がいた。
「な、何でここに…!?ここは俺の部屋ぜよ??」
明らかに取り乱して言うと柳生が笑いながら答える。
「貴方のお姉様が入れてくれたのですよ。貴方のことを心配していましたよ」
「そうか…」
俺が悲しげに答えると柳生は少しずつ俺に近づきながらこう言った。
「どうしてあの時、逃げたのですか?」
突かれたくないところだった。恥ずかしくなって逃げたなんて知られたら恥ずかしい。
みるみるうちに仁王の顔が赤くなる。
そして下を向く。
「あの時、泣いていましたよね?」
更に柳生が追い討ちをかける。
仁王は一気に柳生の方を向く。
「な、泣いてない!」
目に涙を溜めながら叫ぶ。そして、手で顔を覆う。
「いや、今泣いているじゃないですか。何故顔を隠すのですか?」
仁王の手に柳生の手が重なる。すると仁王は手を外して柳生の顔を見る。柳生の顔が近くて顔が赤くなる。
「や…ぎゅ……」
「顔真っ赤ですね。かわいいです」
柳生が仁王の照れた顔を初めて見たのでからかう。
仁王は、初めてこんな顔を晒したことを酷く後悔していた。
今絶対に情けない顔じゃ…
柳生に呆れられたら、どうしよ…
「かわいくなんかなか…」
柳生は仁王の頭を撫でながら笑い、答える。
「かわいいです。私はどんな仁王くんも大好きですよ」
その言葉を聞いて、仁王は顔を更に赤くして拗ねたように答える。
「嘘じゃ」
「本当です」
柳生は仁王を抱きしめる。仁王は、急に安心した。久しぶりの柳生。とても安心し、眠りに落ちた。
*********
仁王は目が覚めると、隣に柳生が寝ているのに気付き柄にもなく叫ぶ。
その声に柳生は目を覚ました。
「仁王くん…起きたのですか?」
柳生が目を擦りながら聞いてくる。そして、仁王はふと時間を確認する。時刻は午後8時。
「柳生、おまん今日帰らんでええんか?」
柳生の疑問には答えず、新しい問いを問いかける。
「ええ、遅くなると連絡してありますので。さすがに大分遅いでしょうけど」
柳生は淡々と答える。
「柳生、今まですまんかった。避けたりして…」
仁王は柳生に聞こえるかどうかの声で言う。
「おまんさっき言うたな?どんな俺も好きじゃと」
「ええ。ですが少し違います。大好きと言いました」
その言葉を聞いて、仁王は静かに語りだした。
「実は、俺はお前さんが真田達と遊んだあの日に人に聞いたんじゃ。おまんと真田が付き合っている、とな。
最初は嘘やと思った。確認しようと思って、真田の家の前を通ったらおまんと真田が抱きしめあっていたんじゃ。
それを見てから柳生を信じれんくなった。柳生がわからんくなった。自分のこともわからんくなった。
柳生に俺は今まで嘘ついとったことを思い出したら辛くなった。
俺は一度でも柳生を信じれんくなった、そして嘘ついとった。
すまんかった。
これでも俺を好いてくれるか?」
長々と喋っている仁王を柳生は静かに見つめていた。
そして口を開く。
「仁王くん。
あなたを勘違いさせてしまったようですね…
私は真田くんと付き合っても抱きしめあってもいませんよ。
あなたが見たのは幸村くんの変装でしょう。
それに私も一度は仁王くんを疑ったことくらいあります。
相手を本気で思っていれば、誰でもありますよ。
おあいこですよ。
貴方の嘘というのは、本当はヘタレということですか?
それなら大分前から気づいていますよ?
貴方のことは言うまでもなく大好きです!」
柳生が眼鏡をクイっとあげる。そして仁王は目を見開き答える。
「柳生…!
すまんかった!!
俺も大好きぜよ!!!」
そして柳生に飛び付く。そして柳生は仁王を抱きしめながら口を開く。
「こんなときに言うのはあれなんですが、今度の土曜日に氷帝と練習試合らしいです。そこで私達はダブルスを組むんですよ」
柳生の言葉を聞いて仁王が答える。
「え?俺はもう部活辞めたはずぜよ…どういうことじゃ?」
柳生は再び眼鏡をクイっとしてから答える。
「幸村くんは退部届を受理していないそうですよ」
「そうか…俺はもう一度柳生とテニスできるんか?」
仁王は嬉しそうに尋ねる。
「ええ。そうですよ」
柳生も嬉しそうに答える。
「楽しみじゃ!」
仁王は満面の笑みでベッドに倒れた。そしてそのまま眠ってしまった。柳生は仁王に布団を掛けて、仁王宅を後にした。
ー君の隣が一番好きだ
*****
「そういえば、幸村は何で柳生に変装しとったんじゃ?」
「何?柳生に聞いたの?」
仁王は幸村と部室に二人になったので気になっていたことを聞いた。
「ただの興味本位だよ。で、柳生が急に抱き着いたら真田がどんな反応するか気になったから実験した」
淡々と語る幸村に若干の恐怖をおぼえながら、笑う。
「なるほどな。ま、今度からは控えてくんしゃい」
「そうだね。俺も少し反省してるから許してよ」
「怒ってはないけどな」
「それもそうか」
こうして、この一件は幕を閉じた。
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わー!
やっと終わりました!( ・∇・)
なんか仁王くんがヘタレですが、私はどんな仁王くんも好きです(*´∇`*)
ありがとうございました!
リクエストお待ちしてます♪