1974年4月12日から1975年3月28日放映 | まさとしさんのブログ

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 「あそこに沈む夕日が私なら、 明日の朝日はウルトラマンレオ、お前だ!」

 

ウルトラマンレオとは

勢いがある、とにかく熱い、とにかくトオルが不幸、況やカオルをや。
ウルトラマンシリーズ第6弾であり、2期ウルトラシリーズ第3弾。
世はオイルショックに世紀末ブーム。
そう、誰かがやらねばならぬ。
怪獣ブームも収束へ向かう中、円谷プロが送り出した最後の切り札。
それがウルトラマンレオである。

設定も斬新に変更。
今までの兄弟たちと違い、レオは別の星、獅子座L77星の出身(この星の名前とM78星雲だけはおそらく生涯忘れまい)。
光線技よりも空手を主体にした格闘技。
帰るべき故郷もなく、仲間もいない孤独な戦い。
唯一の理解者、ウルトラセブンことモロボシダンの過酷な修行。
安らぎの存在であった恋人、百子の死。
過酷な試練がこれでもかとレオを襲う。
しかしレオはそれに負けない。
いや、時に負けそうになるが、レオに帰るべき故郷がない以上、地球のために戦うしかないのだ。

ウルトラマンレオについては、実はこどもの頃半分も見た記憶がない。
タロウ以上に関西での再放送が少なかったレオは一度見逃すと再び視聴の機会を得るのは困難だったのだ。
したがって、大人になって再見したのがほぼ初見といってもいい。
正直全体的な出来としてはシリーズでも決していいとはいえないだろう。
それは一貫しない路線変更にも如実に現れているが、勢いだけで話を作りすぎたのがその原因と思われる。
それは初期の特訓編に著しかった。
今見て、レオが視聴率的に何故失敗したか、何となくわかる気がする。

しかし、しかしである。
大人になった今見た感想として、レオは面白いのである。
確かに内容的には物足りない面も多い。
ただレオにはそれを補うだけのパワーがあるのだ。
それは作品の持つ勢いでもあるが、やはり第一に挙げられるのは各キャラクターの魅力であろう。
特にレオことおおとりゲンは、その過酷な境遇や感情的な言動に代表されるようにとにかく人間臭い。
それは今までの路線と決別するために設けられた各設定の賜物であるが、ゲンを演じた真夏氏の魅力にも負うところ大きいだろう。

また、この作品で忘れてはならない人物がいる。
それはウルトラセブンことモロボシダンである。
ダンのキャラについては、特に旧作ファンから評判が悪い。
私自身こどもの頃ダンがいつセブンに変身して戦ってくれるか待ち焦がれたものだが、その厳しい性格にはやはり違和感を抱かざるを得なかった。
ただ大人になって見返すと、その苦悩やゲンに対する師弟愛などがよくわかり、ダンの優しさがよくわかる。
加えてセブンに変身せずに敵を撃退する姿はカッコよくすらあるのだ。

この2人だけでなく、子役としてその演技力が光ったトオル。
逞しく、優しく、そして可憐な恋人百子。
癒しの存在でもあるカオルなど、登場人物それぞれにとても魅力がある。
敵キャラも、不敵なマグマ星人や、黒マントがやたらかっこいいブラック指令。
凶悪なツルク星人、ババルウ星人など役者が揃っている。
そして特筆すべきは円盤生物というシュールな存在であろう。
個人的にはこの最終クールは傑作と呼んでも差し支えないクオリティだったと思う。

レオは世間的には失敗した。
しかし、上の要素に代表されるように傑作になりうる資格は十分有していたのである。
確かに今現在、レオはウルトラシリーズにおいて重要な位置を占めてはいない。
しかしメビウスにおいての客演で成功したように、これからの円谷にとってヒントとなる何かを持っているのも間違いないであろう。
少々の粗にもかかわらず、引き込まれる魅力。
最近の特撮にない魅力をレオは持っているのである。