新卒者・第二新卒者など若手人材の採用を希望する企業の多くは、「協調性」を重要項目として捉えているといいます。
業務を遂行する上で必要になる知識やスキルは配属される部署によって異なり、入社してから研修などで身に付けさせることが可能です。
しかし協調性は本来の性格やこれまでの経験によって形成された性質であり、社会人となってから改善させるのは難しいでしょう。
そのため、多くの企業が協調性を感じられる若者を採用したいと考えるのです。
一方で、協調性をアピールできることは就職希望者の強みになります。
今回は協調性とはどんな性質であり、仕事においてどんな場面で役立つのかを解説しましょう。
■協調性とは
異なる立場にある人同士、異なる価値観を持つ人同士が互いに尊重し合い、円滑にコミュニケーションを取る能力のことを「協調性」といいます。
他人の意見に流される「付和雷同」的な性格とは違い、それぞれの意見の違いを認めつつ共通の目標のために行動できるのが協調性のある人の特徴です。
高い観察力と洞察力があり、周囲の人やチームメンバーの感情変化をいち早く察知することができます。
そのうえで自分が取るべき行動を判断し、自発的に動けるでしょう。
相手に意見を譲ったり、発言を控えたりすることもありますが、これは消極的で自信がないからではありません。
「組織のために何を優先するべきか」を把握する能力に長けているので、動く時は誰よりも早く、見守るべき時は冷静に自分を抑えることができるのです。
■ビジネスにおける協調性
学生の頃は同年代と過ごすことが多く、周囲には考え方や生活習慣も似ている人が多いでしょう。
しかし社会に出ると、自分と似た人より、バックグラウンドも価値観も全く違う人と接する機会の方が多くなるのです。
年齢や男女比もバラバラ、考え方やこれまでの経験も全く違う人たちの中で生きていかなくてはなりません。
また、同じ仕事をしていても、会社での役職や家庭での立場も異なります。
例えば自分は新入社員で家庭では両親の子ども、先輩は3年目で主任を務めており、小学生の子どもを持つ父親であるということも職場ではあり得るのです。
年齢がそれほど離れていなくても、知識やスキル、人生観、あらゆる環境における立場が大きく異なるため、相手の価値観を理解できない場面もあるかもしれません。
自分とは違う意見も否定することなく、よく聞き、相手の立場や考えを認め、尊重できる人は、ビジネスにおいても協調性のある行動を取れるでしょう。
正反対の考えを持つ人とも積極的に交流すれば、さまざまな価値観に触れることができます。
同調してくれる人ばかりで固められた集団は変化も成長もなく、新たな気付きも得られません。
周囲と協力し合うことが大切であるというのは言うまでもなく、ビジネスにおいては「異なる意見を自分の糧にする」スキルが求められているのです。

■協調性の高い人の特徴は?
会議やチームでの仕事では、自分が良い意見を出すだけでなく、相手の意見を受け止めることも必要です。
協調性が高い人はあらゆる職種に必要であり、就職活動におけるアピールポイントになるでしょう。
例えば次に当てはまる人は、自分の長所として協調性を挙げてみてください。
・観察力、理解力に優れている
何かトラブルが起きた時、観察力のある人はより早く解決のためのヒントを見つけられるでしょう。
どこに問題があったのか、どうするべきだったのかを把握する理解力にも長けているため、スピーディーに良い結果につながる行動を起こすことができます。
原因を指摘して特定の誰かに非を認めさせるのではなく、具体的にどうすれば良いかを考えて次へ進むルートを提示する人は協調性も優れているといえるでしょう。
・気配りができる
困っている人や悩んでいる人にすぐ気付けるのは、周囲の人をよく観察しているからです。
どんな言葉をかけたら良いか、どうサポートしたら良いか、相手の立場になって考えることができます。
ただ優しい性格というだけでなく、縁の下の力持ちとしてチームに貢献する人物になるでしょう。
・聞き上手
自分とは違う意見であると、冒頭から分かってしまう場合も多いでしょう。
相手の話を最後まで聞かずに否定し、発言を遮ってしまう人は、協調性も低い傾向があります。
いっぽう協調性の高い人は、人の話を最後まで聞いたうえで賛否を判断することが可能です。
また、相手の考えを理解して自分の意見の材料にする冷静さも持ち合わせています。
心の中で何を思っていても、異なる意見を「とりあえず聞くだけ」なら簡単です。
協調性の高い人は私利私欲よりチームの利益を考えて行動するため、さまざまな立場からの意見を引き出す努力も欠かしません。
聞き上手は、異なる価値観への対応力に優れていると言い換えることもできるのです。
・バランス感覚に優れている
自分の意見を押し通す人、相手の意見に同調してばかりの人は、どちらも協調性があるとはいえません。
自分の意見を冷静に伝えながら、異なる考えを認め、相手の意見を上手に取り入れることができる人は、バランス感覚に優れているでしょう。
明らかに間違っているような意見にも頭ごなしに否定せず、相手を不快にさせないよう立ち回ります。
コミュニケーションの高さでチームの利益に貢献し、駆け引きやサポートも得意です。
・組織のまとめ役
メンバー同士の間に立って話し合いを円滑に進め、みんなが納得できるよう努めます。
ただチームを引っ張るだけでなく、消極的な人や自信がなくて発言できない人のサポートにも回れる面倒見の良さがあるでしょう。
誠実な人柄が信頼され、リーダーに推薦される人も多いです。
■協調性が高いことのデメリットは?
例えば、協調性を重んじる人は次のような印象を持たれることも多いでしょう。
・大人しく、受け身である
会議で多くのメンバーが発言するなか、一人だけ黙っている新入社員に対し「異なる意見を冷静に分析しているのだろう」と思う上司は少ないでしょう。
恥ずかしくて発言できないのか、自分の意見を持っていないのかとネガティブに捉えられてしまう可能性があります。
・本音が見えづらい
自分のアイディアを発表することなく、他の人の意見を褒めているだけでは不信感を持たれるでしょう。
メンバーとの絆を深めるには、本当の気持ちや個人的な価値観、時には自分の短所もさらけ出さなければならない場面もあります。
常に冷静沈着、どんな話し合いでも中立な立場でいようとする人は、協調性がありながら本当の意味でチームの輪に溶け込めていないのかもしれません。
・事なかれ主義
この大人な対応が時として八方美人に捉えられ、「嫌われたくないだけでは」と誤解されることもあるでしょう。
目標達成や問題解決よりも、「保身のために行動している」と思われてしまうケースもあるので注意が必要です。
協調性に自信のある人は、具体的なエピソードを用意しておくと就職活動に役立ちます。
ただし、職種や経営理念によっては協調性の高さを求めず、むしろ個性的で強引なタイプを欲している企業も少なくありません。
自分が持つ協調性が長所であるのか、それとも本当は消極的で受け身な性格を無理やりポジティブに言い換えているのか、冷静に分析することも大切です。