母と私の亀裂を決定づけた出来事がある



これまでも私の母は

まったく

私の気持ちを気にかけてくれることが

なかったし

私も困った時に母に相談することが

習慣としてなかった


頼ったつもりが

気づいたら怒られていた

なんてことが多々あったので

誰も頼りにしない

下地ができてしまっていた





中学生になって

どんどん周りの女子が

ブラジャーなるものをつけ始めた


多少の時期の差はあるけど

いつのまにか私以外の女子は全員つけていた


成長期だから当然の流れなのだが

さすがにブラジャーとなると

自分でどうやって買えばいいのかわからない


さすがにこれは

母から話があるだろう

と思い込み

母からの言葉を待っていた

ずっと自分からは言い出せないでいた



親のみならず

他の人に相談することができない私である

同級生にも聞いてみたいけど

なんと切り出したものか…



来る日も来る日も悩みはそのことばかり



夏はTシャツ1枚になることはなく

必ず学校の長袖ジャージを着て過ごした




実家の手伝いの農作業でも

そのスタイルを通した


父に


暑いんじゃないの?

長袖着てるなんて頭おかしいんじゃないか?


と言われても決してジャージを脱がなかった



なぜ母は何も言わないんだろう

何も気づかないのだろうか

私はずっとブラジャーなしのままなのか…



私は

毎日毎日

母親から

ブラジャーを買いに行こう

と言ってもらえるのを期待していた




でもそんな日は一切こなかった




なぜ私の気持ちをわかってくれないんだろう


悶々としていた私は

だんだん反抗心をつのらせていき

とにかく両親に反抗していった



両親はただの反抗期だと思っていたのだろう


反抗にはより強い抑え付けがあるのみ

とばかりに

毎日がケンカだった






私が中学3年生になったある日

母が近所の婦人会とやらで

北海道に旅行に行った


私へのお土産は

ラベンダー色の服を着た

かわいい女の子のぬいぐるみ人形だった

人形の手には

木製のプレートがあった


がんばろうね

と印刷してある



かわいいでしょ


といつになく上機嫌で

ニコニコして私に渡す母




私の中でなにかがブチっと切れる音がした


こんなものいらねえんだよ!

ふざけてんじゃねぇよ!


と目の前で投げ捨てた




私の欲しいものなんて

わかろうとしない母に

怒りが爆発していた



母は受験を控えた私に

頑張ってね

という意味で人形を買ってきたらしいのだが

一瞬で人形を投げつけた私に怒り出し

大げんかになった



そしてお互いしばらくの間

口をきくことはなかった



もう絶対に母にはなにも期待しない

と心に決めた私は

スーパーの脇で売っている

簡単な衣料品売り場で

サイズの見方もわからず

でも店員さんにも聞くこともできず

何回も何回も衣料品売り場を

ウロウロして

やっとのことで初のブラジャーを

自分のお小遣いで購入した




セキセイインコ青セキセイインコ黄オカメインコ



本日の癒し


友人宅のお庭の植物たち













なにも言葉は発しないけど

ただそこにいてくれて

こんな私を癒してくれる

ありがとう