コロナが流行る数ヶ月前、私は実家に母の様子を見に行った。

午前中にたまたま訪問介護?で医師と看護師が実家に来ていた。

そこには嫁もいた。

いつものように必ず上座に座る嫁。これはもう慣れた。

母がいつも「足の付け根が痛い」と口にしていた。以前から弟夫婦は母がボケているので、さほど気にしていない様子であった。

医師との会話の中で、母はやはり股関節の痛みを訴える。

医師は嫁に向かって(上座にいるので当然、実の娘と思ったに違いない)

「おばあさんがこんなに痛がっているし、私は午後からは◯町の整形外科にいるから来て、レントゲンを撮って見ないか?」そう言うと、すかさず嫁は

「私は午後は行けません」そう言ってのけた。

医師はびっくりした表情を見せ私に向かって向かって(その医師はとても良い医師であるがちょっとばかり口が悪い。でも、私はそういう事は気にしなかった。なぜかと言うと、その医師には心があるように感じたからである)

「そこにいるあなたは、このおばあちゃんとどんな関係?」

と私に話しかけてきた。

「今先生とお話をしていたのは、弟の嫁です。私は実の娘です」そう答えた。

医師は、全てを納得したかのように

「お嫁さんが来られないんだったら、あんた今日午後来れる?時間ある?」

「はい。私は実家に来る時は、他に予定を入れてないので、午後も時間が空いております」

そう伝えると、隣町の整形外科の所在地を教えてくれた。そして、午後に母を連れて行く約束を取り交わした。

その間嫁は知らん顔。いつも良い嫁を演じているのであれば、医師の前で

「お姉さん、私には午後に都合があって、私が連れて行けず、お姉さんにお手数をおかけいたします。よろしくお願いいたします」それくらい言うべきである。

今回はたまたま私が居合わせたから良かったがこういうことの繰り返しで母に対して知らん顔を貫いてきたのかもしれないと悲しくなった。

せめてできないなら、証拠を出すときだけラインを使うのではなく、行きたくないなら私に連絡くらいして下さい。

母親がとても小さく見えた。


さて、午後になり、車に母を乗せ、整形外科に連れて行った。とても痛みを訴えているので、整形外科から1番近いコインパーキングに車を入れ、母に肩を貸し見るの2階にある整形外科に連れて行った。

そこには診察前と言うのに、たくさんの人が受付待ちをしていた。

数人の記念良さそうなお年寄りから声をかけられた。

「お母さんなの?どうしたの?ここにお母さんに座ってもらいなさい」

そこにいた老人たちも、具合が悪くて来ているのに、母の様子を見て、親切にも席を譲ってくれた。

私は

「午前中に訪問介護でこちらに月に何度かいらっしゃる◯先生に、母の様子は本当に痛がっているように見えるので、午後から私がレントゲンを撮って診察をしたいので来るように」そうおっしゃっていただけたので、今来ています。

そこにいた周りの老人たちは、一同に

「◯先生に診てもらったんだ!あの先生だったら間違いない。私たち先生が勤めている大きな病院で、膝や股関節の手術をしてもらって、すっかり治ってるんだよ。あの先生なら間違いない。運がよかったね」そう言ってもらえて、とても安心できた。


さて、診察になった。

医師に呼ばれた。

医師は私にレントゲンを見せ開口一番

「お母さん、ボケてるんじゃないぜ。以前、手術して骨に固定したプレートが、腰の骨に突き刺さっている。これを痛くないと言う人間はいないよ。かわいそうだよ。もしよかったら、僕が手術をしてあげる。ただ、僕は手術が混んでいて、今決めないといつになるかわからないよ。完璧な手術をしてあげるから、安心して」

私は医師からそう言われだが、一瞬、弟夫婦の顔が頭に浮かんだ。怖いけれど、何を文句言われるかわからないが、私だって母の実の娘。ときには、私が手術の日程を決めてしまっても良いのだろうとその場では考えた。

そして、医師に、手術を受ける旨を伝えると、すぐに入院日と手術日が決まった。


さて、帰宅して嫁にそのことを伝えると、嫁は本当に驚いた顔していた。

弟夫婦の言い分は、口にはしないが、

「お姉さんが勝手に決めたんだから、私たちには関係ない」そう思っていることが手に取るようにわかった。

さて、入院日、実家からその病院は、高速を使えば30分もかからない距離である。

弟夫婦からは、自分たちが母を連れて行くとは一切連絡がなかったので、私が連れて行くことになった。入院の約束の時間は、午前10時であったので、私は自宅を6時半に出て実家に向かった。

多少ボケているので、病院に行くことをとても嫌がる。母を説得して車に乗せた。

車の中では、何度も母に

「どこに行くんだ‼️家に帰る」と言われ、何度車の扉を開けようとしたことか。

ようやく病院につき入院の手続きを済ませた。