3月25日のTEMPURA KIDZワンマンライブ「Find A Way」は、NaNaHoの卒業公演であるとともに、TEMPURA KIDZの新しいスタートのライブでもありました。

NaNaHo休業中もTEMPURA KIDZはもっと良いライブを作ろうともがき続けてました。その代表的な試みが全員がマイクを持ってボーカルを分担するフォーメーションでした。すごく良いと思いました。メンバーが一人足りないからといってエンターテインメントのクオリティを下げたくないという強い気持ちが伝わってきましたし、ライブ中は一人足りないのを忘れることもしばしばありました。「リカバーできた」、そう感じました。

でも、それと同時に「これでNaNaHoが戻ってきたら最強だな」とも考えてました。

果たしてこれが1日限りで実現したのが25日のライブでした。


このライブのためにメンバーがずっと前から準備を重ねてきたのは、メンバーのSNSで知っていました。その成果が発揮されたライブでした。NaNaHoは半年のブランクを感じさせないパフォーマンスを見せてくれましたし、メンバーの息がぴったり合って、ダンスのキレは抜群でしたし、ボーカルも良く声が出てました。全員がマイクを持つことで、ボーカルのパート割りにもダンスのフォーメーションにもより多くの変化が付けられるようになり、メンバーがポジションを交替しながらめまぐるしくダンスを披露し、それに力強いボーカルで、エンターテインメントの質がグッと上がりました。

あー、これが観たかったんだよー。
やべー、やべー、TEMPURA KIDZめっちゃやべー。
でも、これが今夜で見納めかー。惜しいなー、もったいないなー。ずっと観ていたいなー。
あー、今からでも遅くないからNaNaHoが「やっぱりTEMPURA KIDZ続けます」って言ってくれないかなー。
もうちょっと、あとちょっと、いっしょに居られる時間を増やせたらいいのにな。

そんなことを考えながら、5人のTEMPURA KIDZのライブを観てました。

とにかく私がこれまでに観たTEMPURA KIDZのライブの中でもずば抜けて最高でした。他にも思い出深いライブはいくつかありますが、それらに大差を付けて。

振り返って考えてみると、あれはこの日限りで卒業して新しい道に進むNaNaHoへのはなむけだけでなく、5人組のTEMPURA KIDZとしての卒業制作として、最高のものを演じたかったんだと思います。で、実際にそれをやりきったんだとも。

でも、これで見納めなんて惜しいとかNaNaHoに卒業宣言を撤回してくれたら良いのにとか、そういう後ろ向きの気持ちは後半のステージを観て吹っ飛びました。

いつもライブの終盤でやる「どんなときも。」を歌い終えて舞台袖にメンバーがハケたあとこの動画が流れました。



でも、TEMPURA KIDZは出てきません。
「え?もしかしてNaNaHoの初出演作品?」
ドラマは進んでもNaNaHoは出てきません。

この動画に何のメッセージが込められているかわからないまま、お口ぽかーんで観てたら、そのまま動画はおしまい。

真っ暗なステージから、ど派手なスパンコールの衣装でYU-KA、KARIN、AO、P→★の4人が登場。うわー、ジャニーズみたい!宝塚っぽくもある(新しいアーティスト写真をスペインで撮ったと聞いたときには「あ~、闘牛士かー」と思いました)。

バッキバキのヒップホップ調のダンスナンバーから「さくらさくら」~「ミイラキラー」~「ドリーミー・ワンダー (RAM RIDER MIX)」(順番に自信なし)とTEMPURA KIDZの中でも尖ったナンバーで畳みかけてきました。

衣装のハデさもあるけど、これまで以上にダンスのキレがスゴい。元々TEMPURA KIDZが持ってたギザギザしてたものをこれでもかこれでもかとステージにぐいぐい押し付けてきます。ものすごいエネルギー量。ゴリゴリのヒップホップは基本的に私のいびつなストライクゾーンの外側ですが、これらの曲はその境界ギリギリ。ストライクゾーンのコーナーにズバズバうなるような速球を決められてる感じ。完全お手上げ。いや、これカッケー。案外良いじゃん、ていうか推せる!

5人から一人欠けたのではなく、4人組として新しく生まれ変わったTEMPURA KIDZを見せ付けてくれました。別物なのでどちらが良いということではなく、どちらもスゴく良い。大好き。いやー、これからの4人バージョンのTEMPURA KIDZの追いかけることがとても楽しみになりました。

新しいTEMPURA KIDZのロゴをバックにMCは、新しい衣装のこと、スペインで撮った新しいアーティスト写真のこと、最初のダンスナンバーがP→★作によるものであることなど。そして、流れた動画の種明かし。エンディングがTEMPURA KIDZの新曲「Find A Way」だったこと。今までと違って制作からメンバーが深くかかわってきたこと、SOFFetのGoofやKICK THE CAN CREWのlittleも手伝ってくれたことなど。

で、披露されたのが「Find A Way」。またもやストライクゾーンギリギリのクセ球。でも、今のTEMPURA KIDZにぴったり合ってる感じ。大衆受けするかどうかは私にはわからないけど、好きな人はきっと大好きになってくれるはず。良いじゃん、AKBやExileやジャニーズみたいにバカ売れしなくても。現在は超えてなさそうな損益分岐点をギリギリでも超えて新しいコンテンツを作りながら活動が続けられるようになれば良いじゃん。その積み重ねでドーンと大ブレイクするかもしれないけど、アソビシステムの目標はブームじゃなくてカルチャーを作ること。これって新しいカルチャーの原型になりそうじゃないか。ブレイクはオマケ。

まぁ、そんなことを考えてると、「あーこれで見納めかー」みたいなことが頭から消えてるわけです。

5人組の最高のライブが観られたし、ワクワクするような新しいTEMPURA KIDZのスタートも観られた。一回で二度おいしいTEMPURA KIDZライブが「Find A Way」でした。

何がなんだか良くわからないけど、TEMPURA KIDZ、正しい方向に新しいスタートを切ったに違いありません。これは追いかけ甲斐がありますね。尖った楽曲に抜群のダンススキルにエネルギッシュなボーカル、ぜったい面白いに決まってる。

いいぞ、TEMPURA KIDZ、その調子!

これからも応援します。

写真は本編最後の曲の前にNaNaHoを呼び出した後。メンバーと観客全員で「なーなほー」と呼んでも出てこなくて、2回目でちょっと遅れて出てきたときは、顔をくしゃくしゃにしてました。新しい衣装、サプライズとしてこっそりNaNaHoの分も作ってあって、この直前までこのタイミングで着る衣装のことを知らされてなかったそうです。特典会で間近に見たパフスリーブからすっと伸びた白い腕がまぶしかったです。