【目次】

1.基本知識
2.応用知識
3.種類/系統一覧
4.創作紀録&写真集
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》》1.基本知識

鯱(学名:Orcaとは、哺乳綱鯨偶蹄目マイルカ科シャチ属の海獣。
寿命が長く、年長の雌を中心とする母系社会を形成する社会性を持つ水棲動物。

日本ではサカマタ(逆叉、逆戟)という別名もある。
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[体長/体重]
マイルカ科の仲間では最大の種であり、最大級(雄)となると体長/体重が9.8m/10tに達する。
平均は雄の体長/体重が5.8-6.7m/3,628-5,442kg、雌の体長/体重が4.9-5.8m/1,361-3,628kgとなる。
[顎歯、主食]
長さ8-13cmの円錐状の鋭歯が上下の顎に計44-48本並んでいる。
歯の形状は全体的にほぼ均一であり、獲物を咀嚼することよりも噛み千切ることに特化したものになっている。
この鋭歯で鮫も含めた魚類全般や自分の倍以上の大きさであるヒゲクジラ亜目最大種のシロナガスクジラを含む鯨などを群で襲撃って捕食べる。
[姿形]
大きな背鰭を持ち、雄のものは最大で2mに達する。
背鰭の根元にサドルパッチと呼称ばれる灰色の模様があり
個々の模様や背鰭の形状は一頭ずつ異なる為、これを個体識別の材料とすることが出来る。

背面は黒、腹面は白色で 両目の上方にアイパッチと呼ばれる白い模様がある。
生後間もない個体では、白色部分が薄い茶色味/薄いオレンジ色味を帯びている。
この体色は群での移行動や狩猟時に以下のような効果があると言われている。
。*仲間同士での位置確認
。*対 獲物への進行方向誤認
。*対 獲物などへの体長誇張表現
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クジラ目としては珍しく地中海やアラビア海にも生息域があることから、世界中の海に生息域を所持つことが判明る。
冷水を嗜好む性質と餌になる動物が多い事実などから、特に極地付近の沿岸に多く生息している。
日本では北海道 根室海峡から北方四島にかけてや、和歌山県 太地町にて度々目撃されている。

地球上で最も広く分布する哺乳類の一種である為、生物学者による研究が進められている。
主にカナダのブリティッシュ.コロンビア州、ノルウェーのティスフィヨルド、アルゼンチンのパタゴニア、インド洋のクローゼット諸島などに住む個群を中心に実行われている。
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鯱(基本知識)

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》》2.応用知識

[生態]
非常に活発な動物で、ブリーチング(※1)やスパイホッピング(※2)などの多彩な行動が観察/確認されている。
泳ぐ速さは時速50㎞以上に及び、バンドウイルカと並んで最も速く泳ぐことが出来る哺乳類の一種である。

また、好奇心も旺盛で興味を持ったものには近寄って確かめる習性もある。
(※1.海面へ自らの体を打ちつけるジャンプ)
(※2.頭部を海面に出し、周辺りを見渡す為と言われる行動)


野生の鯱の死因についての調査報告は少ないが
幼い個体は感染症と栄養不良、若いものや成体の場合は細菌感染症を含む病気,鈍的外傷が報告されている。
全年齢での最大死因は人間が関係するものが最も多く、釣針の飲み込み/漁網に絡む/漁船との衝突などが列挙げられた。

雄の平均寿命は30歳/最高寿命は約50歳で、雌の平均寿命は50歳/最高寿命は80歳あまりとされている。
世界最高齢の鯱「グラニー」は105歳まで生存したとされている。


ハクジラ同様に"コール"/"クリック音"という2種類の音を使い分けていることが知られている。
群のメンバー同士のコミュニケーションに"コール"、前方障害物/障害物成分の認識に"クリック音"を使用している。
"クリック音"は噴気孔の奥にある溝から メロン と呼称ばれる脂肪を凝縮して発射する音波で、物質に当たるまで水中を移動する性質を所持つ。

鯱はその反響音を下顎骨から感じ取ることで前方障害物/障害物成分を認識することが出来る。
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人間には懐きやすく訓練への適応も高いことから幾つかの水族館で飼育され、ショーにも利用される。

日本、アメリカ合衆国、カナダ、フランス、スペイン、アルゼンチンの6ヶ国 11施設にて計42頭が飼育されている。(※2008年現在)
日本国内では2021年9月現在 鴨川シーワールドと名古屋港水族館の2館のみでしか鑑賞ることが出来ない。

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》》3.種類/系統一覧

現時点でシャチ属に属するのは鯱 一種のみであるとされているが
少なくとも南極海だけで1万年ほど前から混血のない3タイプに分化しており、食性やサイズが異なる。
ゴンドウ/オキゴンドウとは近縁に該当たり、ゴンドウと呼称ばれる時代もあったが平成現在ではゴンドウの一種として分類はされていない。

南極海域の鯱について区別の必要がある場合は以下のような分類がなされることがある。
[Type:A]
最近の論文などでは[Whale eater-Killer whale]と記述されることが多い。

アイパッチの大きさは中間的で、流氷の少ない沖合に棲む。
一般的にイメージされる鯱であり、クロミンク クジラ等を主食とする。
[Type:B](※)
最近の論文などでは[Mammal eater-Killer whale]と記述されることが多い。

食性や体長などの差違いから[LargeType:B]と[SmallType:B]に分類ける説もある。
Type:Aよりやや小型でアイパッチがAの2倍ほど大きい、白色部がやや黄色味を帯びている。
流氷のある沿岸近くに棲み、海棲哺乳類(クロミンク クジラ、ナガスクジラ、ペンギン、海豹など)を主食とする。
[Type:C](※)
最近の論文などでは[Fish eater-Killer whale]と記述されることが多いが、[Orcinus Glacialis]という学名が新たに提案されている。

最も小さいタイプで最も大きな群を作る、鱈を中心とした魚食性。
流氷のある沿岸近くに棲み、Type:B同様に白色部がやや黄色味を帯びている。
アイパッチも他と比較べ小さく、体の中心部の黒白の境界面に対して大きな角度を持つ。
[Type:D]
2004年以降に提唱されるようになった種。
主食は不明だが、魚類を捕食することが報告/目撃されている。
通常よりも小さいアイパッチに短い背鰭、ゴンドウクジラに相似る丸味を帯びた頭部によって認識/識別される。
活動範囲は南緯40度線 - 南緯60度の間の亜南極海域で、地球を回るように周回していると思考えられている。
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(※現在、Type:B/Type:Cは別種とすべきという研究が提出されつつある。)
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個種区分とは別に群種区分も研究対象となっており
カナダのブリティッシュ.コロンビア州で[定住型(レジデント)]、[回遊型(トランジェント)]、[沖合型(オフショア)]、の3タイプ個体群が知られている。

以下3タイプの鯱間での交配は現在迄報告はされておらず、遺伝子も異なることが判明っている。


定住型は一般的にイメージされる個群タイプ。
魚類全般を主餌とし、大抵は十数頭の家族群を形成して生活する。
餌魚の豊富な季節になると特定の海域に定住し、餌を追跡うことから定住型と呼称ばれるようになった。

それに比較べ回遊型は小さな群または1頭のみで生活し
決まった行動区域を持つことなく、主餌も海棲哺乳類に限定られる。

一方で沖合型は文字通り沖合に生息し、何十頭もの巨大な群れを形成する。
3タイプの中で最もデータが稀少なく、主餌含め生態について殆ど判明っていないが
傷が多かったり歯が磨り減ったりしているという特徴があることから、手強い獲物(鮫など)を食していると思考えられている。

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》》4.創作紀録&写真集
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