それからというもの僕は資金繰りを考えていた。
その頃イギリスのEU離脱の件もありポンドがだいぶ安くなっていた。
もし2015年夏の相場だったらイギリスでのレースは出来なかったであろう。それくらいに下がっていたのだ。
イギリスでのレースに参戦する為に自身の愛車であるMR2を売りに出した。
要整備ということもあり高くは売れない。それでも売るしかなかった。
結果、大学生の自動車部の子に売ることになった。とても礼儀正しく、また大事に乗ってくれるとのことでした。
ぜひこの車で整備、ドライビングを学んでいってほしいなと思い送り出しました。
ある意味でこの車が僕にとってのスポンサーだったのかもしれない。
もちろんそれでは足りないので同時に自分で企画書を作り企業にお願いしていた。
いい返事はそうそうなかった。返事を頂けてもお断り、話を聞いて貰えても厳しく言われるだけでした。
わかってはいたことです。こんな僕にお金を出して頂ける程の価値はありませんから。
それでも少しでも見つかればとの思いで続けました。
遡ること2015年夏。
BridgestoneRacingAcademyにいた僕は時間のある時に翌年のレース参戦に向けて色々な国のチームとやり取りをしていました。
その中で目を向けたのが、イギリス。
イギリスはモータースポーツ発祥の地であり今でもものすごく盛んな国です。
そしてF1GPで有名なシルバーストンサーキットがある国です。
レースを始めた頃からイギリスでレースが出来たら幸せだろうなと夢見ていました。
今では英語でコンタクトも取れる、今なら出来るかもしれない。そう思いました。
候補 になったのが、
MR2のワンメイクレースとBMWのワンメイク。
ずっとMR2を乗ってきた僕にとってMR2でレースをする、サーキットを走るということは憧れでした。
カナダにいた頃はMR2のレースをするつもりでいましたが、チームの方の対応の良さ等で結局BMWのレースを選びました。
このことに関しては後悔はしていません。
そして次の目標が決まって資金の工面をすることになります。
三つのレースも終わり。あとはクライアントの対応と今年使ったマシンを分解整備するのみ。
いよいよ終わりなんだと思うと寂しい気持ちが湧いてきます。
それと同時に寒さも増してきました。
10月の中頃でしょうか。クライアント向けの最後のスクール。天気が良かったので僅かでしたが雪が降るのが確認できました。
きれいに色づいていた紅葉もすっかり枯れてきていてそれが一層寂しさを増幅させます。
振り返ればあっという間。はじめは英語が出来ないからいつ帰されるのだろうとビクビクしていました。
それが最後までやりきることが出来ました。
それどころかこのプラグラムを通して敢闘賞の様な賞を頂くことが出来ました。
レース人生で初めて賞を頂いたので本当にうれしかったです。
遠く日本からカナダへ出向き、ひたむきに頑張ってその結果だと思います。
その上で、ドライバーとしてはわかりませんが、人間としては大きく成長できた気がします。
勿論これで終わるつもりは全くありません。
その為に夏からすでに動き始めていました。

